アメリカを破壊する45の施策:マルクス主義フランクフルト学派の残滓

欧米も日本も左傾化(共産化)が進んでいる。

その源流はドイツのフランクフルト学派とも言われている。

目次

フランクフルト学派とはなにか

ドイツのフランクフルト大学から社会研究所なるシンクタンクが生まれ、マルクス主義を発展させるための研究が行われた。

社会研究所に所属した学者たちはマルクス・レーニン主義者であり、なぜ共産革命が世界に広がらないかを分析し、1つの結論を出した。

共産主義の素晴らしさが広がらないのは、宗教、伝統、常識によって一般人の思考ががんじがらめになっているからだ。

そうした過去の悪しき文化は徹底的に破壊しなくてはならない

彼らフランクフルト学派の学者たちは、戦後米主要大学のアカデミズムへ広がり、社会学分野の教授となり大学・社会に社会主義イデオロギーを伝播していった。

彼らの教え子たちは主要大学で教授として権威あるポジションを築き、フランクフルト学派の息づいた社会主義思想やリベラリズムを学生に教えた。

現在のアメリカ、カナダの学生は社会主義について本格的に学ぶ機会はなくとも、自然とリベラル志向の考え方を身につけている。両国では驚くべきことに社会主義を支持する学生が圧倒的に多い傾向があるという。

フランクフルト学派の学者は大学界に席を持ちながら、OSSによっても採用された。OSSとはCIAの前身にあたる諜報機関であり、彼らはアメリカの対独戦における貴重なブレーンとなった。

彼らOSS要員の一部はGHQに流れ、戦後日本の社会主義化を推し進めていった。

日本国憲法を作成する責任者だったチャールズ・ケーディスや社会学者ハーバート・ノイマンら左翼知識人たちがOSS要員として日本に送り込まれたのである。

アメリカを破壊するための45の施策

渡辺 惣樹氏は『アメリカ民主党の欺瞞2020-2024』のなかで、フランクフルト学派がアメリカの共産化を進めるために考案した45の具体的施策というものがあり、その文書の存在について米国の議員が告発したと述べている。

米国に潜り込んだフランクフルト学派に影響を受けた学者が、彼らの狙いをいかにして実現し ようとしたのか。それが詳細に書かれた文書がある。それを米国議会に提示し、米国内の擬態化した共産主義活動に注意を促したのは、シド・ハーロング (Syd Herlong) 下院議員だった (1963年1月)。彼は民主党議員だったが、共産主義を嫌っており、当該文書を同年度のアメリカ議会 資料に保存させた。そこには共産主義者が進めていこうとする四五項目の具体的な行動指針が書き込まれていた。 日本の左派政党が現在も実施している政 治活動にシンクロナイズする内容も多い。日本の左翼活動家もフランクフルト学派の手法を応用していることがわかる。

渡辺 惣樹『アメリカ民主党の欺瞞2020-2024』

以下がその内容である。
※1960年代に保管された文書のため時代錯誤の箇所も多いが、ソビエトを中国に置き換えるとほとんどが現代の情勢にもマッチする

  1. (ソビエトとの)共存を容認させる。そうすることで核戦争を回避できると主張する。
  2. 米国の妥協を引き出す。 核戦争よりもベターと理解させる。
  3. 米国の完全非武装化こそが米国の倫理的強靭さを示すのだという幻想を信じさせる。
  4. 共産主義国家を含む全ての国との自由貿易を進めさせる。 交易品目に軍需品が含まれても構わない。
  5. ソビエトおよびその衛星国に対する長期借款支援を実現させる。
  6. 共産主義国家を含む全ての国に対し、米国の支援を実現させる。
  7. 中国を国家承認し、国連への加盟を認めさせる。
  8. 東西ドイツの将来についてはフルシチョフが自由投票の結果に任せるとしたが(一九五五 年)、東西ドイツは分離した二つの別の国であるという既成事実を作り上げる。
  9. 核兵器廃絶交渉は長引かせる。米国はその間は核兵器のテストを中止すると約束している立場を利用する。
  10. 全てのソビエト衛星国を国連の独立したメンバー国とする。
  11. 「国連だけが人類の将来の希望である」とする考えを拡散する。国連こそがワンワールド政府であると認めさせ、国連軍を創設させる。
  12. 共産党を非合法化するいかなる動きに対しても反対する。
  13. 国家への忠誠を誓うセレモニーを廃止する。
  14. ソビエトに米国特許技術のアクセスを認めさせる。
  15. 米国の政党 (注: 民主党、共和党)の一つあるいは両方を乗っ取る。
  16. 司法判断を利用して、 米国の基礎となる制度・組織を、市民権を弾圧していると糾弾することで弱体化を図る。
  17. 教育機関をコントロールする。学校を使って、社会主義・共産主義思想を教え込む。現行のカリキュラムを容易なものにする(注: 教育水準を下げる)。教職員組合をコントローする。党の思想を教科書に織り込む。
  18. 学生の発行する新聞を支配下に置く。
  19. 共産主義者を攻撃する施策・組織があれば、学生の暴動を利用して攻撃する。
  20. メディアの書評欄や意見記事を利用し、政府の施策に影響力を発揮する。
  21. ラジオ局、テレビ局あるいは映画産業での主要ポストを獲得する。
  22. あらゆる芸術表現を利用して、米国文化を貶める。
  23. 芸術評論家、美術館ディレクターを篭絡する。その上で、醜く不快で意味のない芸術を称賛させる。
  24. 猥褻物を規制する法律に対してはそれらを「検閲である」「言論出版自由の侵害」であると訴え、排除する。
  25. 伝統的な文化規範を破壊する。そのためにはポルノや猥褻とされる書籍、映画、ラジオ、テレビ番組を宣揚する。
  26. 同性愛、性的倒錯、フリーセックスは、 「自然で正常で健康的な行為」として称揚する。
  27. 教会組織に侵入し、宗教を社会科学的思想に変革する。 聖書を否定し、既存の宗教思想に頼らない) 思想的知的成熟を指導する。
  28. 学校教育の中に存在する宗教的表現を排除する。その根拠には「政教分離原則」を利用する。
  29. 合衆国憲法を否定する。現行の憲法は、時代遅れで世界の国々との協力体制を築くためには邪魔になると訴える。
  30. 合衆国建国の父たち (The American Founding Fathers) は、利己的な貴族階級出身者であり、一般国民の利益など考えなかったエゴイストだと再定義する。
  31. あらゆる米国文化を過小評価させ、 米国の歴史を教えることを止めさせる。一方で、ロシア革命以降のソビエトの歴史を教えるよう指導する。
  32. あらゆる教育機関、文化組織、福祉組織、精神病院などの管理一元化を求める社会運動を支援する。
  33. 共産主義者の組織の活動を阻害する全ての法律や規制を排除する。
  34. 下院非米活動監視委員会 (House Committee on Un-American Activities) を廃止する。
  35. FBI (米国連邦捜査局)を貶め、最終的には廃止させる。
  36. 労働組合にいっそう深く潜入し影響力を高める。
  37. 大企業へ潜入し影響力を高める。
  38. 警察の逮捕権限のいくばくかを (市民組織のような) 社会団体に移譲させる。 (犯罪者の) 問題行動は精神疾患によるもので、その矯正は専門の心理学者にしかできないと訴える。
  39. 心理分析の分野をコントロールし、 精神疾患に関わる法律を利用することで、共産主義者の狙いを妨害する組織 (および個人)を規制する。
  40. ファミリーは(個人の自由を阻害する) 規制制度だと位置づけ、フリーセックスを奨励し、離婚を容易にさせる。
  41. 子供の教育にネガティブな影響を与える親からは子供を引き離すことが必要だと主張する。子供の差別意識、精神障害などは子供を押さえつける親の教育の結果と説明する。
  42. 暴動や反乱は、米国文化にある正当な行為であるとの印象を創造する。学生や諸団体の抗議活動は、経済・社会問題の解決のための合法活動だと主張する。
  43. あらゆる植民地支配政府を転覆させる。 植民地の人々が、自治の準備ができるまで待つ必要はない。
  44. パナマ運河は国際管理とさせる。
  45. 国際司法裁判所の権限を米国国内法の上位に置かせる。

まとめ:マルクス主義=化け物はこの現代世界にまだ生きている

フランクフルト学派の結論は、「共産主義の素晴らしさが広がらないのは、宗教、伝統、常識によって一般人の思考ががんじがらめになっているからであり、そうした過去の悪しき文化は徹底的に破壊しなくてはならない」というものだった。

上記の45の施策はまさしくアメリカの伝統的文化や宗教、家族制度を崩壊させようとするものであり、そのうちの多くが現在までに達成されていることがわかる。

かつて『共産党宣言』ではマルクス主義のことを「化け物」と比喩した。ソ連崩壊とともに共産主義は死んだと思われた。しかし、その化け物はリベラル志向、差別撤廃、少数派優遇、男女平等、ジェンダーフリー、グローバリゼーション、SDGsという姿となって生き続けている。

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この記事を書いた人

反グローバリズムの視点で世界情勢を情報分析するリサーチャー。登録者8万人のYouTubeチャンネル『あつまれニュースの森』を運営。

本業だったコンサルタントから徐々に歴史研究にシフトしていく。日々リサーチする中、メディアや歴史が嘘だらけであり、この世界が一部の権力機構によって支配されてきたことに強烈な違和感と憤りを覚えるようになる。

グローバリズムの根源と実態を徹底的に研究。その歴史を旧約聖書まで遡り、現在のいわゆるディープステートのルーツがハザール系とアングロサクソン系の2系統にあることを突き止める。

2021年、YouTubeを開始し、グローバリストのルーツを徹底解剖するオンラインサービス『金子ゼミ』を立ち上げる。

情報発信者としての信条は「左も右もない反グローバリズム・国益第一主義」「不偏不党」。

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