高市政権の「123万人」は実質上限なし!!──スウェーデン・バーミンガム・ベルリンで進む民族置き換えと、特定技能2号という抜け道

こんにちは。金子吉友です。

「不法移民はゼロにする。受け入れは123万人が上限だ」──高市政権は、自分たちは移民推進ではないと言っています。ですが、結論から申し上げます。123万人は上限ではありません。蓋はどこにも付いていないのです。

そして、蓋のない受け入れを続けた先に何が起きるのか。その答えは、すでにヨーロッパが見せてくれています。スウェーデンでは総選挙がわずか3議席差で左に振れ、難民として来た人が市民権を得たその年に国会議員になりました。イギリスのバーミンガムでは、30年で白人が人口の過半数を割りました。ドイツの首都ベルリンでは、ニューヨークの市長選を手本にした左翼党が第1党になりました。

2026年9月28日の配信では、こうした欧州の現場を一つずつ確認したうえで、イスラム教の国自身がモスクの説教をどう管理しているのか、日本の足元で何が起きているのか、そして「123万人」の数字の裏側まで、一本の線でつないでお話ししました。高市政権を応援している方にこそ、この移民の問題だけは、しっかり調べていただきたいのです。

なお、今日取り上げる事件の多くは、まだ「容疑」や「疑い」の段階です。確定した事実と、私の見立てと、確認できていない話を、はっきり分けてお伝えします。

目次

欧州で何が起きているのか──スウェーデン、バーミンガム、ベルリンの3つの現場

スウェーデン:3議席差の総選挙と、難民出身の国会議員

難民から国会議員になったスウェーデン左翼党のモハメド・アリ氏の経歴年表

まずスウェーデンです。前回の配信(9月25日の配信をもとにした記事)で、移民の急増によって町が一変してしまったというスウェーデン人の方の訴えをご紹介しました。空き家に住みつく、役所で大声で金を要求する、刃物で職員を脅す、犬を連れた高齢の女性が殴られる、若い女性がつきまとわれる──そういう光景が、この2年ほどで当たり前になったというのです。

スウェーデンの人口はおよそ1,000万人ですが、外国にルーツを持つ人はすでに約294万人、人口の約28%に達しています。ほぼ3人に1人に近い割合です。

そのスウェーデンで、2026年9月13日に総選挙が行われました。結果は社会民主党の側が176議席、これまでの与党の側が173議席。わずか3議席差で、政権は左に移りました。

ここが大事なところです。いまヨーロッパ全体は右に流れています。ドイツも、イギリスも、フランスも、イタリアも、オランダも、保守の側に票が動いている。「ウクライナ支援はもうやめてくれ」「移民はもう受け入れるな」「グリーンエネルギーより電気代を下げてくれ」──そういう流れの中で、なぜかスウェーデンだけが左に寄りました。私はここに、外国にルーツを持つ有権者の票、いわゆる移民票が効いたと見ています。それがなければ拮抗していた、あるいは右がわずかに勝っていたかもしれない、ということです(選挙の数字の分析は9月15日の記事で詳しく扱いました)。

そして、この総選挙で注目を集めたのが、左翼党から当選したモハメド・アブドゥカルディル・アリ氏(30歳)です。経歴を時間の順に並べます。

  • 1996年:ソマリアで生まれる
  • 2012年春:難民としてスウェーデンに申請
  • 2013年秋:永住許可を得る
  • 2023年:市民権の申請が却下(税金や学生ローンなど多額の債務などが理由とされる)
  • 2024年10月:市民権を再申請
  • 2025年:左翼党に入党
  • 2026年2月:市民権を取得
  • 2026年9月:総選挙で当選。ダーラナ県の党名簿では9位だったが、個人票648を集め、同県で左翼党が得た唯一の議席を手にした

市民権を取ってから、わずか7か月で国会議員です。日本でも、帰化して被選挙権を得て、選挙に出て当選する。こういうケースは、これから増えてくるでしょう。

選挙不正の疑いと「確認できない15万人」

スウェーデン総選挙の不正疑惑と捜査状況(3議席差・異議1万1700通)

ただし、このアリ氏の当選には、選挙不正の疑いが持ち上がっています。ここは正確に申し上げます。アリ氏本人は被疑者ではありません。疑われているのは、その周りで動いていた人たちです。

  • 疑われている働きかけ:候補者に印を付けた投票用紙を配る/有権者を車で投票所に運ぶ/金を渡す
  • 捜査の経緯:選挙前から通報があり捜査が行われていたが一度打ち切られ、選挙後に再開された。同じ種類の捜査は全国で6件あり、ストックホルム周辺も含まれる
  • 現状:まだ誰も逮捕・起訴されていない。アリ氏は関与を否定し、党の判断で議員活動を一時休んでいる
  • 異議申し立て:選挙結果への異議は約1万1,700通と過去最多。最悪の場合、ダーラナ県で再選挙になる可能性もある

全国の差が3議席しかありませんから、仮にダーラナ県の結果がひっくり返れば、政権の行方そのものが変わり得ます。

一方で、SNSでは「15万人が再選挙を要求」という投稿が大きく拡散されていますが、この数字は確認できません。主な署名サイトの数は2万7千件前後です。疑いがかけられていることは事実。しかし広がっている数字には誇張もある。この二つは分けて見なければなりません。

もう一つ、見落とされがちな事実があります。スウェーデンの政党と宗教団体の関係を調べていくと、30年ほど前から、ムスリム系の団体が社会民主党と連携してきたという動きが明らかになっています。人口構成が変わると、政治家の構成が変わり、政策が変わる。スウェーデンは、その実例なのです。

※参照:スウェーデン公共放送SVT「Detta vet vi: Misstänkt V-valfusk i Borlänge」 https://www.svt.se/nyheter/inrikes/detta-vet-vi-misstankt-v-valfusk-i-borlange

バーミンガム:30年で白人が過半数を割った

バーミンガム市の人口構成の推移(白人48.6%・パキスタン系17.0%)

次はイギリスのバーミンガムです。英国統計局(ONS)の国勢調査を並べると、人口の構成が極端に変わってきたことが分かります。

  • 白人の合計:1991年78.5% → 2001年70.4% → 2011年57.9% → 2021年48.6%(50%を切った)
  • 英国系の白人:2001年65.6% → 2011年53.1% → 2021年42.9%
  • パキスタン系:1991年6.9% → 2001年10.6% → 2011年13.5% → 2021年17.0%(人数は約6.6万人から約19.5万人へ、およそ3倍)

白人の中にも、英国籍ではない他の国からの移民の方がいます。ですから、純粋な英国系の白人に絞ると42.9%しかいないのです。パキスタン系に続いて、インド系が5.8%、そしてバングラデシュ系と続きます。南アジアからの移民が非常に多い都市、それがバーミンガムです。都市によって、ソマリア系が多いところ、パキスタン系が多いところと違いはありますが、ムスリム系の増加が目立つという点は共通しています。

※参照:英国統計局(ONS)国勢調査・Ethnic group(TS021) https://www.ons.gov.uk/datasets/TS021/editions/2021/versions/3

ドイツ:東でAfD、ベルリンで左翼党

2026年ベルリン州議会選挙の結果(左翼党25.7%で第1党)

ドイツでは、右派のAfD(ドイツのための選択肢)が大きく支持を伸ばしています。旧東ドイツの5つの州のうち、メクレンブルク=フォアポンメルン州、ザクセン=アンハルト州、テューリンゲン州の3州でAfDが第1党になり、残る2州でも第2党です。ザクセン=アンハルト州では43.8%を得票しました(9月8日の記事で詳しく扱っています)。

その東の地図の中に、ぽっかりと空いた穴があります。首都ベルリンです。2026年9月20日のベルリン州議会選挙で、ここだけは左翼党(ディ・リンケ)が第1党になりました。

  • 左翼党:25.7%(前回比+13.5)・47議席
  • CDU(キリスト教民主同盟):18.8%(−9.5)・34議席
  • AfD:16.3%(+7.2)・29議席
  • 緑の党:14.3%(−4.1)・26議席
  • SPD(社会民主党):12.1%(−6.3)・22議席
  • BSW(ザーラ・ヴァーゲンクネヒト同盟):4.7%・議席なし
  • FDP(自由民主党):2.5%・議席なし

伸びたのは左翼党とAfD。そしてBSWも左派系の新党です。つまりベルリンは左に寄ったのです。しかも左翼党の支持者が多いのは、やはり移民の多い地区です。若い世代も、18〜24歳の約43%、25〜34歳の約49%が左翼党に投票しました。

背景には、東西の経済格差があります。旧東側の経済圏は、今も西側に比べて遅れており、取り残された感覚が強い。そこにウクライナ紛争によるエネルギー価格の高騰が重なりました。家賃も電気代も上がり、冬には月10万円の光熱費が当たり前という話まであります。左翼党は「誰もが手頃な家賃で住めるように」と住宅政策に焦点を絞り、大手不動産会社の住宅の「社会化」(補償付きで公のものにする、実質的な収用)を訴えました。有権者の3割超が「家賃・住宅市場」を最重要課題に挙げていましたから、狙いが当たったわけです。加えて、メルツ政権への失望、中道政党への不信もありました。

私は、移民票が強いところは左に寄る、その2つ目のケースがベルリンだと見ています。スウェーデンと同じことが、ベルリンでも起きているのです。

「ベルリンのマムダニ」とモリス・カッツ

左翼党の筆頭候補エリフ・エラルプ氏(ベルリンのマムダニ)
エラルプ氏とマムダニ市長をつなぐ戦略家モリス・カッツ氏

左翼党を率いたのが、筆頭候補のエリフ・エラルプ氏(45歳)です。トルコ出身の左派活動家の娘で、1980年のクーデター後に亡命した両親のもと、ミュンヘンで生まれました。弁護士で、2021年からベルリン州議会の議員、2024年からは左翼党会派の副代表です。左翼党が中心になって連立を組めれば、エラルプ氏がベルリン市長になる可能性があり、そうなれば東西統一後初の左翼党出身の市長であり、移民ルーツを持つ初の市長になります。まだ連立は決まっていません。

エラルプ氏が選挙で手本にしたのが、ニューヨーク市長のゾーラン・マムダニ氏です。「ニューヨークでできたことは、ベルリンでも可能だ」と訴え、家賃対策、公共料金の引き下げ、富裕層課税と、政策もよく似ています。マムダニ氏が所属するDSA(アメリカ民主社会主義者)は、家賃統制の全国導入や公共交通の無償化を掲げていますから、共通点は明らかです。それで彼女は「ベルリンのマムダニ」と呼ばれているのです。

そして、両者をつないでいる人物がいます。戦略家のモリス・カッツ氏です。1999年生まれ、ニューヨーク出身で、2025年のマムダニ陣営で上級顧問を務め、動画とメッセージの設計を担いました。今もマムダニ氏の側近です。そのカッツ氏を、ベルリンの左翼党は2026年春、エラルプ陣営の顧問に招いています。同じ戦略家が、両方の選挙を設計していたのですから、戦略が似てくるのは当然です。

レッド・グリーン同盟とは何か──マムダニ、CAIR、ムスリム同胞団の1991年文書

マムダニを押し上げた勢力

ここでマムダニ氏について触れないわけにはいきません。勝てるはずがないと言われたニューヨーク市長選で、トランプ大統領も、ニューヨークの財界も推していたクオモ氏を破って当選した人物です。

その資金源はどこなのか。ジョージ・ソロス氏も支援者の一人です。DSAもバックについている。そしてもう一つの柱がイスラム勢力です。私は、その資金の流れをさかのぼっていくと、ムスリム同胞団にたどり着くと見ています。ムスリム同胞団は、UAEがテロ組織に指定している団体です。マムダニ氏はウガンダ出身のムスリム系移民です。

DSAというマルクス主義の勢力、つまり「赤」と、イスラム勢力の「緑」が手を組む。これをレッド・グリーン同盟と言います。日本ではほとんど報じられていませんが、ぜひ覚えておいていただきたい言葉です。本来、イスラムの国々は、LGBTのような左派の政策を拒絶しています。それでも両者が手を組むのは、反イスラエル・反シオニズムという一点で一致するからです(この構図は8月19日の記事で詳しく書きました)。

一方で、AIPAC(アメリカ・イスラエル公共問題委員会)を中心とするイスラエル・ロビーが、長年アメリカの政治家を資金で動かしてきた歴史があります。アメリカは今、イスラエル勢力とイスラム勢力に引き裂かれているのです。

CAIRの「30名を議会へ」と、ミシガンの番狂わせ

CAIRの長期計画・30名のイスラム教徒を議会へ
エル=サイード氏の義父タイエブ・ジュカク氏とCAIR

マムダニ氏の支持団体の一つに、アメリカ・イスラム関係評議会(CAIR)があります。ハマスとの関係が指摘されてきた団体で、テキサス州とフロリダ州が州としてテロ組織に指定しました(CAIR側はハマスとの関係を否定し、指定の効力を法廷で争っています)。

このCAIRには長期計画があります。30名のイスラム教徒を議会へ送り込み、うち上院議員を2名にする。200人以上を州の公職に立候補させ、人材を育成するというものです。

その流れの中で起きたのが、ミシガン州の民主党予備選です。ムスリム系のアブドゥル・エル=サイード氏が勝ち、AIPACが約3,000万ドル(約45億円)を投じて支援したヘイリー・スティーブンス氏が敗れました。AIPACが負けたのです。エル=サイード氏はDSAの所属ではありませんが、DSAの有名どころが周りで応援しており、事実上の支援を受けています(本人は否定)。

私が注目しているのは、エル=サイード氏の勝利をムスリム同胞団系の公式ニュースサイトが祝福したことです。そして、エル=サイード氏の義理の父、タイエブ・ジュカク氏はCAIRミシガン支部の理事であり、私はムスリム同胞団の中心人物の一人と見ています。ここは本人側が否定している部分もあり、私の見立てを含むことをお断りしておきます。ただ、DSAの候補者にムスリム系が多く、そこをイスラム勢力が支えるというレッド・グリーン同盟の構図は、こうした接点からはっきり見えてきます。

1991年文書の「5段階」

もう一つ、押さえておきたい資料があります。1991年に作成され、FBIが押収したムスリム同胞団の文書です(テロ資金裁判の証拠として公開されたもので、8月10日の記事で詳しく扱いました)。私はその内容を5つの段階に整理しています。

  • 第1段階:移民を送り込み、個人のレベルで浸透する
  • 第2段階:家族・共同体のレベルで浸透する
  • 第3段階:コミュニティをつくり、社会のレベルまで人口を増やす
  • 第4段階:政治家を誕生させる(エル=サイード氏やマムダニ氏は、その典型だと私は見ています)
  • 第5段階:国家・グローバルなレベルで、イスラム国家を実現する

ここは強調しておきます。善良なムスリムの方が圧倒的多数です。こうした計画を持っているのは、一部の過激なイスラム主義の組織です。しかし、その一部の組織が、何十年も前から移民戦略を進めてきた。これもまた事実なのです(段階論の詳しい検討は8月25日の記事をご覧ください)。

説教を国家が管理するイスラムの国、管理できない欧米──日本のモスクはどうするのか

UAEは金曜説教を国が管理している

UAEの金曜説教の国家管理と説教の三層制
UAE連邦法第4号(モスク法)の罰則と円換算

今回調べていて、非常に興味深かったのがUAE(アラブ首長国連邦)です。モスクで行われる金曜日の説教の中身を、国が管理しているのです。

根拠は2018年の連邦法第4号「モスクの組織と管理」で、担当機関が金曜日と祝祭日の説教のテーマを統一して作り、監督すると定めています。担当しているのは「一般イスラム問題・ワクフ・ザカート庁」(通称アウカーフ)で、毎週、スンニ派のモスク向けに説教の主題と原稿を配っています。アメリカ国務省の「国際宗教自由報告書」にも、この仕組みがくり返し記されています。

面白いのが、説教の三層制です。

  • 下級のイマーム:配られた原稿のとおりに説教する
  • 中級のイマーム:指定されたテーマの範囲で、自分で原稿を作る
  • 上級のイマーム:内容に裁量を持つ

イマーム(礼拝を導く宗教指導者)の多くは公務員で、採用基準にも「破壊的・過激な思想に対する知的健全性」が明記されています。ムスリム同胞団は2014年からテロ組織に指定されています。そしてモスク法には罰則もあります。

  • 無許可の説教・講義・クルアーン暗記サークル、托鉢、アザーン(礼拝の呼びかけ)や説教への介入:3か月以下の拘禁、および/または5,000ディルハム(約20万円)以下の罰金
  • モスクの安全・神聖を損なう行為:3か月以上の拘禁、および/または2万〜5万ディルハム(約80万〜200万円)の罰金

トルコもエジプトも、国が説教を管理している

金曜説教を国が管理するムスリム多数派の国々

こうした国家管理は、UAEだけの特殊なものではありません。

  • トルコ:宗教庁(ディヤネット)が金曜の説教を中央で作り、国内約9万のモスクに配る。イマームは公務員で、国外のトルコ系モスクにも同じ原稿が送られる
  • エジプト:ワクフ省が毎週のテーマを指定。2016年には統一原稿を命じた(のちに後退)
  • サウジアラビア:省がイマームを任命し、主題を指示。政治や他国への言及は原則禁止
  • クウェート:ワクフ省が毎週、説教の全文を公表
  • モロッコ:「モロッコのイスラム」を基準に、サラフィズムや政治的イスラムを排除
  • マレーシア・ブルネイ:州などのイスラム当局が原稿を作り、配布

イスラム教の国自身が、政治的・過激なイスラム主義を広げさせないよう、国の制度として管理しているのです。

欧米は「事後の対処」まで

欧米のモスク対応とUAE型との違い

一方、ムスリム系の移民がコントロールできないほど増えてしまった欧米は、モスクを管理できていません。

  • フランス:最も厳しい。扇動の疑いがあれば最長6か月閉鎖できる。外国政府が給与を払う派遣イマームの受け入れを2024年に終えた。外国資金は年1万5,300ユーロ(約245万円)を超えると申告が必要
  • オーストリア:モスクとイマームへの外国資金を禁止(2015年)
  • ドイツ・イギリス:監視はあるが比較的ゆるい
  • アメリカ:憲法修正第1条により、国は礼拝の内容を決められない。罰せるのは差し迫った違法行為の扇動だけで、指導者が「異教徒は敵だ」と説教しても処罰できない

つまり欧米にできるのは、起きてから対処することまでです。説教の中身を国が前もって決める権限は、どの欧米の国の法律にもありません。

日本はどうするのか:出身国と取り決めを

日本でも、これからモスクがどんどん建っていくでしょう。宗教活動そのものを抑えることは難しい。しかし、中東の国々は自国のモスクを国が管理しているのです。だとすれば、日本はこうした国々ときちんと調整すべきではないでしょうか。

たとえばトルコ系のモスクであれば、トルコ政府と取り決めを交わし、同じルールを日本でも適用させる。そこから逸脱すれば、トルコ政府と連携して処罰する。ムスリム系の移民とこれから共生していくと政府が言うのであれば、当然ここまで考えておく必要があるはずです。果たして、そこまで考えているのでしょうか。

日本の足元で起きていること──高市政権の「123万人」に蓋はない

配達員のアカウントは「架空の日本人名義」だった

世田谷区のフードデリバリー配達員による事件と架空名義アカウント

ここからは日本の事件です。まだ容疑の段階であることを前提にお伝えします。

2026年7月5日の夕方、東京都世田谷区のマンションで、一人で留守番をしていた小学生の女の子が、家族が頼んだフードデリバリーの料理を受け取るために玄関に出ました。そこで配達員の男が抱きつき、顔にキスをし、体を触るなどした疑いが持たれています。女の子はすぐに自分で110番しました。本当に、それ以上のことにならなくてよかったと思います。

逮捕されたのは、ウズベキスタン国籍のムーミノフ・ディルショッド・コミルジョノビッチ容疑者(45)。警視庁北沢署が9月25日に発表し、読売新聞は逮捕日を9月8日と伝えています。取り調べには「好みのタイプだったので、気持ちが抑えられなくなった」と容疑を認めていると報じられています。

問題はここからです。朝日新聞と読売新聞によると、男は架空の日本人名義で登録された配達員のアカウントを引き継ぎ、2月から配達をしていたとされます。半年ほど、日本人の名前で配達していたことになります。もしかすると、日本人の名義を売買するブローカーがいるのかもしれません。在留資格がなくても、名義を買えばなりすましができてしまう。インターホンが鳴れば、私たちは気軽にドアを開けます。その先にいる人が誰なのか、仕組みとして確認できていない。ここに大きな穴があります。

仮放免中の男による、大久保の強盗致傷

新宿区大久保の強盗致傷事件と仮放免中の男

もう一件、ウズベキスタン国籍の男の事件です。アジモフ・サルドルベック容疑者(28)は、2018年に留学生として来日し、2023年に難民申請をしました。逮捕されたときには在留資格がなく、退去強制の手続きの途中で収容を一時的に解かれた「仮放免」の状態でした。

2025年3月20日、新宿区大久保のアパートに強盗目的で侵入し、70代の女性に馬乗りになって口をふさぎ、「金はどこだ」と脅した疑いが持たれています。女性が抵抗したため何も奪わずに逃げましたが、女性は全治約1か月のけがをしました。その3日後、中野区の空きアパートに侵入したところを現行犯で逮捕され、防犯カメラなどから大久保の事件がつながって再逮捕されています。容疑は認めており、警視庁は指示をした共犯がいる可能性も調べています。

ところが、その後の判決や、退去強制されたのかどうかは、報道では確認できません。結果はどうなったのか。在留資格のない人が外で暮らしている間、誰がどこまで見ているのか。こうした事件が増えているのは事実です。このまま行けば、日本も欧州の二の舞になります。

「123万人」の内訳と、特定技能2号という抜け道

育成就労と特定技能の123万人枠と特定技能2号の抜け道

では、高市政権の外国人政策はどうなのか。これは単純な話で、上限がないのです。

政府が2026年1月23日に決めた受け入れ枠はこうです。

  • 育成就労:42万6,200人(2027年度からの2年間)
  • 特定技能1号:80万5,700人
  • 合計:123万1,900人

育成就労とは、来年から始まる制度で、日本語も技術もほぼない、実習生のような外国人を受け入れるものです。政府は「これ以上は入れない」と言いますが、何を言っているのでしょうか。

特定技能1号の人は、試験に合格すれば2号にステップアップします。2号の分野は、岸田政権のときに大きく広げられました。これからも広がっていくでしょう。2号に移れば、1号の枠から抜けます。1号の数字が減れば、その分、また育成就労で新たに補充できる。枠は閉まっていないのです。

そして2号になると、家族を呼び寄せることができます。在留期間の更新に回数の制限もありません。一人が家族を連れてくれば、人数はさらに増えていきます。実質的に上限などないのです。

なぜ急ぐのか──AIで仕事が減ると言いながら

財界は「人手が足りない」と言います。しかし、同じ人たちが「これからAIで大量の失業が起きる」とも言ってきたはずです。実際にAIで人が要らなくなるなら、移民を入れる必要はないという話になるでしょう。ホワイトカラーが切られていけば、その人たちは単純な仕事に流れ、低賃金で働ける移民と職を奪い合うことになります。

明らかに矛盾しています。私の見方では、AIで本当に人手が要らなくなってしまえば、もう移民を入れる理由がなくなる。だから、その前にルールを決め、仕組みをつくってしまおうとしている。だから急いでいるのだと見ています。

すでに日本にいる外国人は約400万人に近づいています。子どもも生まれ、帰化も進みます。帰化して国籍を取り、被選挙権を得て、議員になる。スウェーデンで起きたことは、日本でも起こり得ます。そして議員になれば、自分たちの出身地から来た移民が困らないような制度をつくるでしょう。それが積み重なればどうなるのか。バーミンガムでは英国系の白人が42.9%、パキスタン系が17%です。そうなってからでは止められません。高市政権は、分かったうえでやっている。確信犯だと私は見ています。

移民推進の相関図──国連・IOM・JICA・三極委員会・笹川

最後に、移民推進の構造を相関図で確認しておきます。

  • 国連の外圧:国際移住機関(IOM)のエイミー・ポープ事務局長がわざわざ来日し、当時の岩屋外務大臣と会談。約1年前の「アフリカ・ホームタウン」構想もこの流れの中にあった
  • 理論的な土台:国連の「補充移民(リプレイスメント・マイグレーション)」報告書、SDGsのターゲット10.7、移住に関するグローバル・コンパクト(GCM)
  • 受け皿としての日本:移民を受け入れすぎた欧米は、もう要らないと追い返し始めている。行き場を失った移民・難民の受け皿として、日本が狙われている
  • JICA:外国人労働者を見つけ、育て、日本に送り込む機能を持つようになった。理事長の田中明彦氏は三極委員会アジア太平洋委員会の前議長で、現議長は新浪剛史氏
  • 日本財団・笹川アフリカ協会:JICAとアフリカの農業分野で連携。笹川陽平氏の甥である笹川博義氏は自民党の外国人政策の事務方を長く担い、今回、環境大臣として初入閣した(9月18日の記事)

自民党は、移民推進です。経団連の支援がなければやっていけない。財界との協力がある。そういうバーターがあるわけです。

※参照:共同通信「育成就労」上限42万人に決定(Yahoo!ニュース) https://news.yahoo.co.jp/articles/57607968eaa7b732d9f2ea1eaeab6323a6eaeb5a

※参照:三極委員会アジア太平洋委員会 https://ihj.global/trilateral/

まとめ──「上限123万人」という言葉の奥にある構造

公平に申し上げておきます。スウェーデンの選挙不正はまだ捜査の段階で、アリ氏本人は被疑者ではありません。日本の二つの事件も、まだ容疑の段階です。国籍で人をひとくくりにするつもりはありませんし、善良なムスリムの方が圧倒的多数であることも事実です。

しかし、動かしがたい事実が残ります。スウェーデンは外国ルーツが人口の約28%に達し、3議席差で政権が左に動きました。バーミンガムは30年で白人が過半数を割りました。ベルリンでは、移民の多い地区と若い世代に支えられた左翼党が第1党になりました。そして、イスラム教の国自身がモスクの説教を国の管理下に置いているのに、欧米にはそれができない。

表層ではなく、構造を見てください。政府が見せるのは「123万人」という上限の数字です。しかしその奥には、2号に移れば枠が空き、家族も呼べ、更新の回数にも制限がないという、蓋のない仕組みがあります。さらにその奥には、国連、IOM、JICA、三極委員会、財界へと続く、移民推進の構造があります。

これは遠い国の話ではありません。いまヨーロッパで起きていることは、日本の10年後、20年後の姿かもしれないのです。人口の構成は、一度変わると元には戻りません。だからこそ、入口の段階で決めなければならない。真の独立とは、真の主権とは、何か。自分たちの国の形を、自分たちで決める。その力を手放してよいのか、私たちは今、問われているのだと思います。

ここまでお読みくださりありがとうございます。また次の記事でお目にかかりましょう。

今回の内容をさらに詳しく解説した動画は、私のYouTubeチャンネルで公開しています。ぜひご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 高市政権の外国人受け入れ「123万人」は上限ではないのですか? 123万1,900人は、育成就労42万6,200人と特定技能1号80万5,700人の合計です。ただし特定技能1号の人が試験に合格して2号に移ると、この枠の外に出ます。1号の人数が減った分、新たに受け入れることができるため、実質的な上限にはならないというのが金子の見方です。

Q2. スウェーデン総選挙で不正はあったのですか? 現在は警察と検察が、投票用紙の配布や有権者の送迎、金銭の授受などの「不正な働きかけ」の疑いを調べている段階です。まだ逮捕・起訴された人はおらず、当選したアリ氏本人も被疑者ではありません。SNSの「15万人が再選挙を要求」という数字は確認できず、主な署名サイトは約2万7千件です。

Q3. 「レッド・グリーン同盟」とは何ですか? マルクス主義・社会主義の左派勢力(赤)と、イスラム主義の勢力(緑)が、反イスラエル・反シオニズムの一点で協力する構図を指す言葉です。本来は価値観の異なる両者が、共通の敵を前に手を組むという点に特徴があります。

Q4. UAEはどのようにモスクの説教を管理しているのですか? 2018年の連邦法第4号にもとづき、一般イスラム問題・ワクフ・ザカート庁が毎週、スンニ派モスク向けに説教の主題と原稿を配布しています。イマームは下級・中級・上級の三層に分かれ、内容に裁量を持つのは上級だけです。無許可の説教などには拘禁や罰金の罰則もあります。

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この記事を書いた人

反DS歴史研究者、調査ジャーナリスト。YouTube『あつまれニュースの森』(登録者10万人)にて反グローバリズムの視点で世界情勢・国内政治を解説。

本業だったコンサルタントから徐々に歴史研究にシフトしていく。日々リサーチする中、メディアや歴史が嘘だらけであり、この世界が一部の権力機構によって支配されてきたことに強烈な違和感と憤りを覚えるようになる。

グローバリズムの根源と実態を徹底的に研究。その歴史を旧約聖書まで遡り、現在のいわゆるディープステートのルーツがユダヤ系とアングロサクソン系の2系統にあることを突き止める。

2021年、YouTubeを開始し、グローバリストのルーツを徹底解剖するオンラインサービス『金子ゼミ』を立ち上げる。

グローバリストにより”修正”された歴史を”修復”する「歴史復元主義」を根本理念とする。

情報発信者としての信条は「左も右もない反グローバリズム・国益第一主義」「不偏不党」。

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