ウクライナ「ポルノで戦費調達」へ!? 戦争5年目、国家財政に何が起きているのか

こんにちは。金子吉友です。

2026年9月6日、ウォール・ストリート・ジャーナルが「ウクライナ、戦費調達でポルノ合法化を検討」というタイトルの記事を報じました。

見出しだけを見れば、際どいニュースです。ですが今日お伝えしたいのは、そこではありません。

この法案で見込まれている税収は、年間で最大2,500万ドル。日本円で約39億円です。

そしてウクライナが2026年に必要としている防衛費は、約1,200億ドル。18兆円です。

つまり2,500万ドルは、必要額のわずか0.02%。戦争全体から見れば、誤差に近い金額なんです。

では、なぜそんな金まで取りに行くのか。

答えは単純です。2,500万ドルで戦費を賄えるからではない。2,500万ドルすら欲しい。それが今のウクライナ政府の懐事情だということです。

前提を一つ、確認しておきます。

ウクライナは、勝てる見込みのない戦争を続けている状態です。 戦車がない。兵士がいない。弾薬もない。もうドローンしかない、というところまで来ています。

そのなかで、成人向けコンテンツ産業だけが拡大していった。 そして従事する人たちが税金を納めていないという「脱税」の問題が生じ、ところが申告すれば今度は法律に抵触してしまう——国家がジレンマに陥ったわけです。

今日はこの一点から、戦争5年目のウクライナの財政に何が起きているのかを見ていきます。

目次

2,500万ドルの「800年分」

2,500万ドルの800年分

先に、日本の話をしておきます。

日本政府はこれまで、ウクライナに対して約200億ドル、およそ3兆円の支援を約束してきました。

2,500万ドルと200億ドル。割ってみてください。

800です。日本が出している額は、この税収の800年分にあたります。

ウクライナが法律を書き換えてまで取りに行こうとしている金額の、800年分。それを日本は出している。

しかもこの3兆円は、日本の年間の防衛費のおよそ4分の1に近い規模です。 自国を守るために使う金の4分の1に相当する額を、遠い国の国家維持のために出している。 それ自体の是非はさておき、まずその大きさを頭に入れてください。

この対比を頭に置いたまま、話を進めます。

納税すれば、犯罪になる

納税すれば犯罪になる

まず、正確に押さえておきます。

これは「合法化」ではありません。「合意した成人同士による成人向けコンテンツの制作などを非犯罪化する」という話です。

表向きは違法のまま。ただし犯罪ではない。そういう苦し紛れの法律です。

なぜ、こんな回りくどい形にするのか。

「合法化」と言ってしまえば、国家がこの産業を認めたことになるからです。 戦時下で、教会も、保守層も、家族観を重んじる層も敵に回す。政治的なコストが大きすぎる。

そこで「違法ではあるが、罪には問わない」という中間地帯を作る。 看板は下ろさないまま、税務署だけが入れるようにする。それがこの法案の設計です。

なぜこんな法案が必要になったのか。

  • ウクライナでは刑法301条によって、ポルノの制作や流通などが犯罪になります
  • 一方でOnlyFansなどの成人向けコンテンツ産業は、すでに巨大化しています
  • 2020年から2022年までに、およそ5,000人のウクライナ人がOnlyFansだけで1億2,300万ドル(約185億円)を稼いだとされています

この数字を、割ってみてください。 5,000人で185億円。一人あたり平均でおよそ370万円です。3年間で、ですから決して桁外れの額ではありません。

つまりこれは、一部の富裕層の話ではない。戦争で職を失い、街を追われた普通の人たちが、生活のために稼いだ金が積み上がった結果です。そしてその総額が、国家が無視できない規模になった。

すると、非常に奇妙なことが起こりました。

税務当局は「所得があるなら税金を払ってください」と言う。 ところが「OnlyFansでこれだけ稼ぎました」と申告すると、それ自体が違法なコンテンツを制作した証拠になってしまう。

申告すれば警察が来る。申告しなければ税務署が来る。

非犯罪化を推進する側のヤロスラフ・ジェレズニャク議員は、これを「笑うに笑えない状況だ」と表現しています。

そしてWSJが紹介したスヴィトラーナ・ドヴォルニコワ氏は、OnlyFansなどの収入から約4,000万フリヴニャ(約90万ドル)を納税したと主張しています。 本人によれば軍用ピックアップ100台分、あるいはドローン約2,000機分にあたる額です。

ここで私は、この女性を笑う気にはなりません。

むしろ奇妙なのは、国家のほうです。法律では犯罪者。しかし税金は欲しい。しかもその税金を、軍が必要としている。

国家が兵士だけでなく、OnlyFansで稼ぐ女性たちにまで戦争を支えてもらっている。 これが戦争5年目のウクライナの現実です。

議会は、なぜ揺れているのか

議会はなぜ揺れているのか

この法案の経緯も、そのまま国家の迷いを表しています。

  • 2024年11月に提出された法案12191は、2026年5月28日の採決で賛成207票。可決に必要な226票に届かず、否決されました
  • その後、内容を修正。児童ポルノや同意なき流布への罰則は維持・強化しながら、合意した成人同士のコンテンツについてのみ非犯罪化する形にした
  • そして2026年7月14日、231票で第一読会を通過
  • 現在は第二読会待ちで、まだ成立していません

反対派の代表格が、元首相のティモシェンコ氏です。「ウクライナをポルノハブにするのか」と批判しています。

道徳や家族観をめぐる議論も起きています。

ですが、私が注目したいのはそこではありません。 成人向け産業の是非を問いたいわけでもない。

推進派が「戦時中なのだから、取れる税金は取るべきだ」と言い始めた。私が注目しているのは、そこです。

戦時下の国家は、平時なら絶対に触らないところに手を伸ばします。

税率を上げる。徴兵の年齢を下げる。国有財産を売る。そして——これまで犯罪だと決めていたものを、犯罪ではないことにする。

どれも、追い詰められた国家がやることです。 この法案は、その一覧のいちばん最後のあたりに置かれる種類のものだと思います。

2,500万ドルの、本当の意味

2,500万ドルの本当の意味

あらためて数字を並べます。

  • 想定される税収は、最大で年間2,500万ドル。約39億円
  • ドローンなら約3万機分。決して小さくはない数字です
  • しかし2026年にウクライナが必要とする防衛費は、約1,200億ドル。18兆円
  • 2,500万ドルは、そのわずか0.02%程度

戦争全体から見れば、誤差に近い。

それでも取りに行く。この0.02%でも欲しい。ここに、いまのウクライナ財政の切迫が全部表れています。

2026年の国家予算を見てください

2026年の国家予算

では、どれほど切迫しているのか。2026年のウクライナの国家予算を見ます。

  • 歳入は約2兆9,046億フリヴニャ。日本円で約10兆7,000億円
  • これに対して防衛・安全保障費は約2兆8,071億フリヴニャ。約10兆4,000億円

つまり防衛・安全保障費だけで、国家の歳入規模の約97%に相当します。

ここは正確に申し上げます。 これは「税金の97%をそのまま戦争に使っている」という意味ではありません。 歳入には税金以外のものも含まれます。

ですが規模を並べると、異常さがよく分かる。 国家が国内で集めるお金と、ほぼ同額が、戦争関連だけで必要になってしまっている。

一方、歳出全体は約4兆7,673億フリヴニャ。約17兆円です。

当然、国内のお金だけでは足りません。 年金、医療、教育、行政といった国家の日常機能を維持するには、外国からの資金が必要になる。

単純化すれば、こういうことです。

戦争は国内の歳入で支え、国家の日常生活は外国の資金に支えてもらう。それが現在のウクライナです。

この構造が何を意味するか、考えてみてください。

国家の日常が外国の資金で回っているということは、その資金が止まった瞬間に、戦争ではなく生活のほうが先に止まるということです。

年金が払えない。病院が動かない。学校が閉まる。 戦争を続けるかどうかを決めるのは、もはやウクライナ国民だけではなくなっている。資金を出している側の判断が、そこに深く食い込んでいます。

誰が、その穴を埋めているのか

誰がその穴を埋めているのか

では、誰がその穴を埋めているのか。

  • EU──2025年12月、2026年と2027年の2年間で900億ユーロ規模(約15兆3,000億円)の融資を行うことで合意しています
  • IMF──2026年2月26日、4年間で約81億ドル(約1兆2,000億円)の新たな支援枠(拡大信用供与措置)を承認しました
  • 日本──これまでに約200億ドル、約3兆円

そしてIMF自身が、今後埋めなければならないウクライナの資金ギャップを、こう見積もっています。

2026年から2029年で、約1,365億ドル。日本円で約20兆円。 うち2026〜27年に限っても、既存の支援を勘案したうえでなお約630億ドルが足りない、という試算です。

日本の3兆円について、一点だけ正確に。

3兆円を全部、現金でゼレンスキー政権に渡したという話ではありません。 財政支援、人道支援、復旧・復興、国際機関を通じた信用補完など、形はさまざまです。

ただし——日本の公的資金が、ウクライナという国家を維持するために使われていることは間違いありません。

支援すること自体が悪い、と言いたいのではありません。 これだけの金を出しているのだから、その使い道をしっかり見ていかなければならない、ということです。

そして日本の場合、その「見る」作業が、ほとんど行われていません。

3兆円という金額が、どの費目に、どういう条件で、いつ渡ったのか。国会で腰を据えて議論された記憶が、私にはありません。 国際会議で表明され、閣議で決まり、報道は一行で終わる。それの繰り返しです。

その金は、どこへ行くのか──「ミダス作戦」

その金はどこへ──ミダス作戦

そしてウクライナには、もう一つ非常に大きな問題があります。腐敗です。

2025年、ウクライナ国家汚職対策局(NABU)が摘発した巨大事件がありました。「ミダス作戦」です。

舞台は国営の原子力企業エネルゴアトム。

  • NABUによると、取引先から契約額の10%から15%をキックバックとして要求する仕組みが作られていた
  • 支払わなければ、支払いを止める。あるいは取引から外す
  • 疑惑の中心人物の一人がティムール・ミンディチ氏。ゼレンスキー大統領の元ビジネスパートナーです

この「10%から15%」という数字を、もう一度見てください。

契約額の1割から1割5分が、仕事とは無関係に抜かれていたということです。 国営の原子力企業という、国家の基幹インフラを担う会社で。しかも戦争の最中に。

もし同じ比率が他の分野にも及んでいたとしたら——外国から入った資金の1割から1割5分が、事業とは関係のないところへ消えていく計算になります。 これはあくまで仮定の話です。ですが、そう考えたくなるだけの事件が実際に摘発されている、ということです。

そして捜査は、大統領府の中枢へ広がっていきます。

2025年11月28日、大統領府長官アンドリー・イェルマーク氏の自宅にNABUなどが捜索に入り、その日のうちにイェルマーク氏は辞任しました。 その後2026年には、正式に容疑を通知されています。

もちろん、ここは分けなければいけません。

容疑が出たことと、有罪であることは同じではありません。 むしろ大統領府の中枢まで捜査できるということは、ウクライナの反汚職機関が機能している証拠だとも言えます。

ところが、2025年7月です。

ゼレンスキー大統領は、そのNABUとSAPO(特別汚職対策検察)の独立性を弱める法律に署名しました。

これに対して国内で大規模な抗議が起き、EUも強い懸念を示した。結局、政権は方針を転換し、独立性は回復されています。

戦争の最中に、汚職を捜査する機関と政治権力とのあいだで、緊張関係が起きているということです。

ポルノ禁止法も、汚職を生んでいた

ポルノ禁止法も汚職を生んでいた

ここで、最初の話に戻ります。

成人向けコンテンツの非犯罪化が主張される理由は、税収だけではありません。

現行の禁止法そのものが、警察汚職の道具になっているという批判があるんです。

  • 制作者に摘発をちらつかせ、数百ドルから3万ドル程度の賄賂を要求する
  • 2025年だけで、ポルノ関連の刑事事件が1,400件以上立件されたという数字もあります

構造は、単純です。

禁止する。地下化する。取り締まる側に巨大な裁量が生まれる。すると「見逃す代わりに金を取る」余地が生まれる。

だから推進派は「非犯罪化して表に出し、税金を取ったほうがいい」と言っているわけです。

そしてここで、私はもう一つ大きな問いを感じます。

成人向け産業の数千万ドルですら汚職を生むのなら、国外から流れ込む何百億ドル、何千億ドルの資金は、本当に十分に監視できているのでしょうか。

これはウクライナだけの責任ではありません。 金を出している日本の側にも、監視する責任があります。

しかもこの構造には、もう一つの怖さがあります。

汚職が摘発されればされるほど、「ウクライナは腐っている、支援をやめろ」という声が強まる。一方で摘発しなければ、資金は静かに消え続ける。

摘発しても支援が細り、摘発しなくても金が消える。 この二重の罠にウクライナははまっていて、そして日本はその外側から、黙って金を出し続けている。

なぜ今、和平が動き始めたのか

なぜ今、和平が動き始めたのか

そしていま、止まっていた和平協議が再び動き始めました。

  • 9月5日──スティーブ・ウィトコフ氏とジャレッド・クシュナー氏がモスクワを訪問し、プーチン大統領と3時間以上会談しました
  • 翌6日──キーウへ移り、ゼレンスキー大統領と会談。欧州側の安全保障担当者も参加しています

もちろん、これで和平が近づいたという意味ではまったくありません。

領土問題は残っている。ロシアは要求を下ろしていない。ウクライナも譲っていない。 実際、その直後に攻撃は再開されました。

特使の訪問に合わせて、3日間の攻撃停止措置が取られていました。ところが2026年9月8日未明、ロシアはキーウに対し、弾道ミサイル・巡航ミサイル・ドローンによる猛攻撃を再開します。CNNによれば市内各地で火災が発生し、住宅や教育施設を含む建物が破壊されました。ポーランドは軍用機を緊急発進させています。

被害の数字は続報で膨らみました。CNNが日本時間9月8日13時46分に伝えた時点では負傷6人。その後の集計では死者2人、負傷10人以上と報じられています。ウクライナ空軍は、この夜弾道ミサイル2発、巡航ミサイル31発、ドローン142機を撃墜・制圧したとしていますが、それでも29か所で着弾しました。攻撃はオデーサ州にも及んでいます。

一方で、特使側は「追加の三者間協議の日程調整に向けた動きなど、実質的な進展があった」としています。進展があったと発表された、その翌日に攻撃が戻ってきた。 これが「和平が近づいている」とは言えない、いちばん分かりやすい理由です。

ただ一つ事実なのは、交渉ルートが再び動いたということです。

そして動かしたのが、アメリカの特使二人だったという点も見ておいてください。 モスクワにもキーウにも入れる人間が、いまはワシントンにしかいないということです。

では、なぜ今なのか。

私は、今日見てきた財政問題と無関係ではないと思っています。これは私の見立てです。

戦争というのは、最後は金です。

兵士がいても、弾薬を買えない。ドローンを作れない。病院を維持できない。年金を払えない。それでは戦争は続きません。

ウクライナ自身が年間1,200億ドルの防衛需要を掲げ、その半分近くをパートナーに頼らなければならない。

そう考えれば、和平と財布を切り離して考えるほうが、むしろ不自然です。

もう少し踏み込みます。

戦争を終わらせる判断というのは、多くの場合「もう勝てない」と気づいたときに下されるものではありません。 「もう払えない」と分かったときに下されるものです。

兵士の士気でも、領土の損得でもない。年金を止められるか、電気を止められるか、公務員の給料を止められるか。政権を倒すのは、たいていそちらのほうです。

だからこそ、2,500万ドルという「誤差」に手を伸ばした事実が重い。 国家が、そこまで来ているということだからです。

和平の次に来る、巨大市場

和平の次に来る巨大市場

そして、戦争が終わったら終わりではありません。そこから復興が始まります。

2025年11月に報じられたトランプ政権側の28項目和平案には、こう書かれていました。

  • 凍結されたロシア資産1,000億ドル(約15兆円)を、米国主導の復興事業に投入する
  • さらに、そこから生じる利益の50%をアメリカ側が得る

これは最終合意ではありません。その後、内容も修正されています。

ですが、この「50%」という条項の意味を考えてみてください。

復興というのは本来、壊された国が立ち直るための事業です。ところがそこから生じる利益の半分を、外国が取る設計になっている。

つまり復興が、人道の話ではなく投資案件として設計されているということです。 しかもその原資は、凍結されたロシア資産。ウクライナが自分で用意した金ですらない。

しかし重要なのは——和平と復興ビジネスが、最初から同時に設計されているという点です。

さらにウクライナ側は、7,000億から8,000億ドル規模ともされる復興・経済計画を議論しています。

7,000億から8,000億ドル。日本円にすれば100兆円を超える規模です。

これは、一国の復興という言葉で片づけられる金額ではありません。ひとつの巨大な市場が、戦争の終わりと同時に立ち上がるということです。

その協議に名前が出てくるのが、この人たちです。

  • ジャレッド・クシュナー氏
  • スコット・ベセント財務長官
  • ブラックロックのラリー・フィンク氏

このチャンネルをご覧の方なら、クシュナー氏の名前で思い出すはずです。 ガザの復興構想でも、この人物が中心にいました。 「ニュー・ガザ」、中東のリビエラにするというスローガンを掲げ、今年のダボス会議でも構想を広めていた人物です。

ここは正確に申し上げます。

私は「ガザとウクライナは同じ計画だ」と言っているわけではありません。

しかし、戦争を終わらせる交渉と、その後の巨大な復興計画に、同じ人物が登場している。つまり計画する側と、受益する側が共通している。 これは事実として、非常に興味深い。

戦争を見るとき、誰が勝つかだけを見てはいけません。

誰が和平を書くのか。誰が復興基金を作るのか。誰が案件を受注するのか。そして誰が利益を得るのか。ここまで見なければ、現代の戦争は理解できません。

日本は、どこにいるのか

日本はどこにいるのか

そして最後に、日本です。

日本は約200億ドル、3兆円もの支援をしてきました。

ところが、いま動いているモスクワとキーウの和平協議を見ると、中心にいるのはアメリカ。そして欧州主要国です。

日本の姿が、そこにありません。

もちろん、すべての交渉に日本が参加すべきだという単純な話ではありません。

しかし、これだけ巨額の資金を出しているのなら、日本人はもっと問うべきです。

  • 和平後、巨大な復興市場が生まれたとき、日本企業はどこにいるのか
  • 日本政府は、どんな条件で資金を出しているのか
  • 誰がそれを監査するのか
  • その利益は、どこへ行くのか

そしてもう一つ。日本には、その検証をする枠組みそのものがありません。

イラク戦争のとき、イギリスにはチルコット報告がありました。 何を根拠に参戦を決めたのか、判断はどこで誤ったのかを、国家が何年もかけて検証した。 日本には、それに相当するものが、いまだにありません。

3兆円という金額は、日本の年間の防衛費のおよそ4分の1に近い規模です。 それだけの公金を出しながら、誰も検証しない。誰も総括しない。そして次の支援がまた決まっていく。

「ウクライナを支援するか、しないか」。それだけでは、議論が粗すぎます。

支援するなら、何のために出し、誰が管理し、誰が利益を得るのか。そこまで見るべきです。

まとめ──ポルノを見るのではなく、金の流れを見てください

ポルノを見るのではなく、金の流れを見てください

最後に、公平な事実認識から始めます。

ポルノは合法化されていません。 これは非犯罪化の法案であり、第二読会待ちで、まだ成立していません。 「税金の97%を戦争に使っている」わけでもありません。 歳入規模との比較です。 イェルマーク氏が有罪と決まったわけでもありません。 容疑を通知された段階です。 そして日本の3兆円が、全額そのまま政権に渡ったわけでもありません。

しかし、残る動かしがたい事実があります。

ウクライナはいま、法律を書き換えてまで2,500万ドルを取りに行かなければならないほど、金が足りない。 その一方で、国外から巨額の資金が流れ込み、大統領府の中枢まで汚職捜査が及び、すでに戦後の復興市場をめぐる設計が始まっている。 そして日本は、その2,500万ドルの800年分を出すと約束している。

表層ではなく、構造を見てください。そして、誰が得をするのかで見てください。

なお、この戦争が終わる気配はまだありません。 プーチン大統領が当初掲げた軍事目標のうち、東部ドンバス地方のドネツクとルガンスクについては、ほぼ占領が実現しつつあります。ですがヘルソンとザポリージャの併合まで考えているのだとすれば、まだ終わらないでしょう。

そして経済制裁も、効いていません。 中国やインド、第三世界とのつながりがあるロシアには打撃が通らず、逆にロシアからのエネルギーを止めたEU諸国のほうが、価格高騰とインフレで締め上げられている。

ドイツでは一時、電気代が家庭を直撃し、暖房をつけられないという状況まで起きたと言われています。 ロシアを締め上げるはずだった制裁が、回り回ってヨーロッパの一般家庭の光熱費に跳ね返った。

それでもEUは、ウクライナへ湯水のように資金を注ぎ込むことをやめない。 国民のほうが先に、耐えられなくなっている。

昨日お伝えしたドイツの選挙結果は、ここにつながります。 旧東ドイツの一つの州でAfDが43.8%を取った。その背景には、ウクライナ支援への反発と、この生活の痛みがあるわけです。 「エリートが自分たちの生活を無視して決めている」という感覚は、まさにここから育っています。

そして私たち日本は、どうすべきか。

真の独立とは、真の主権とは、何か。 3兆円を出しながら、その使い道も、和平の設計も、復興の分け前も、何ひとつ関われていない。金だけ出させられている——その構図を、まず直視するところからだと思います。

最初は「ポルノを合法化!?」というニュースでした。ですが本質は、そこではありません。

メディアはこれを「ウクライナがポルノ合法化を検討」という一行で報じます。読んだ人は、際どい話として消費して終わる。

ですがこのニュースが本当に伝えているのは、一つの国家が0.02%の税収に手を伸ばすところまで追い詰められているという事実です。そして、その国に日本が3兆円を出しているという事実です。

ポルノを見るのではなく、金の流れを見てください。戦争の本当の姿は、そこにあります。

ここまでお読みくださりありがとうございます。また次の記事でお目にかかりましょう。

今回の内容をさらに詳しく解説した動画は、私のYouTubeチャンネルで公開しています。ぜひご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q1. ウクライナはポルノを合法化したのですか?

いいえ。まず「合法化」ではなく「非犯罪化」であり、しかもまだ成立していません。 法案12191は2026年5月28日に賛成207票で否決され(可決には226票が必要)、修正のうえ7月14日に231票で第一読会を通過。現在は第二読会待ちです。 なお修正版では、児童ポルノや同意なき流布への罰則は維持・強化されています。

Q2. 見込まれる税収は、戦費のどれくらいですか?

最大で年間2,500万ドル(約39億円)。ドローンなら約3万機分にあたります。 ですがウクライナが2026年に必要とする防衛費は約1,200億ドル(18兆円)で、2,500万ドルはその0.02%程度にすぎません。 問題は金額の大きさではなく、その0.02%すら取りに行かなければならないという財政の切迫のほうです。

Q3. 「防衛費が歳入の97%」とはどういう意味ですか?

2026年予算で、歳入が約2兆9,046億フリヴニャ(約10兆7,000億円)、防衛・安全保障費が約2兆8,071億フリヴニャ(約10兆4,000億円)。その比率が約97%だということです。 「税金の97%をそのまま戦争に使っている」という意味ではありません。 歳入には税金以外も含まれます。ただし規模としては、国内で集める金とほぼ同額が戦争関連で必要になっている、ということです。

Q4. 日本の3兆円は、どう使われているのですか?

3兆円を全額、現金でゼレンスキー政権に渡したわけではありません。 財政支援、人道支援、復旧・復興、国際機関を通じた信用補完など、形はさまざまです。 ただし日本の公的資金がウクライナという国家の維持に使われていることは事実であり、だからこそ「誰が管理し、誰が監査し、誰が利益を得るのか」を問う責任が、出している側にもあります。

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この記事を書いた人

反DS歴史研究者、調査ジャーナリスト。YouTube『あつまれニュースの森』(登録者10万人)にて反グローバリズムの視点で世界情勢・国内政治を解説。

本業だったコンサルタントから徐々に歴史研究にシフトしていく。日々リサーチする中、メディアや歴史が嘘だらけであり、この世界が一部の権力機構によって支配されてきたことに強烈な違和感と憤りを覚えるようになる。

グローバリズムの根源と実態を徹底的に研究。その歴史を旧約聖書まで遡り、現在のいわゆるディープステートのルーツがユダヤ系とアングロサクソン系の2系統にあることを突き止める。

2021年、YouTubeを開始し、グローバリストのルーツを徹底解剖するオンラインサービス『金子ゼミ』を立ち上げる。

グローバリストにより”修正”された歴史を”修復”する「歴史復元主義」を根本理念とする。

情報発信者としての信条は「左も右もない反グローバリズム・国益第一主義」「不偏不党」。

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