イラン情勢最新──トランプ「手詰まり」、中露主導の結末へ

おはようございます。金子吉友です。

今日はイラン情勢の最新情報をお届けします。

元CIA分析官のラリー・ジョンソン氏が非常に興味深いSubstack投稿をされていましたので、その内容を中心に、イラン戦争の今後の展開について皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

目次

停戦延長を繰り返すトランプ──「手詰まり」の構造

先週、トランプ大統領はイランへの軍事攻撃計画を直前でキャンセルしました。米軍は攻撃準備を完全に整えた状態でした。にもかかわらず、またしても「数日以内」という期限を設けながら停戦を延長したのです。

「金曜か土曜、あるいは来週月曜までに合意がなければ大きな打撃を加える」

このような発言を繰り返しながら、結局実行に移せていない。これは単なる「外交的圧力」ではありません。トランプは本質的に手詰まりの状態にあるのです。

なぜか。その答えがラリー・ジョンソン氏の記事に書かれていました。

鍵を握るサウジアラビアの「転換」

ラリー・ジョンソン氏は記事のタイトルを「トランプ大統領はイラン攻撃を望んでいるが、サウジアラビアがその鍵を握っているのだろうか」としています。

氏がイラン情勢に詳しい西側在住の情報源から得た内容によると、サウジアラビアが米軍によるイランへの攻撃のための領空・基地使用に反対しているということです。

これは極めて重大な変化です。

なぜサウジはそのような姿勢をとるようになったのか。それはイランのミサイル・ドローン攻撃能力の高さを実際に目の当たりにしたからです。もし米軍の攻撃拠点としてサウジの基地が使われれば、イランからの報復攻撃が自国に向かってくる可能性がある。サウジはそれを恐れているわけです。

さらに重要なのが、パキスタンとサウジアラビアの防衛協定です。2025年に締結されたこの協定により、パキスタン軍の兵士1万人以上がサウジ国内に駐留しています。これはサウジが米国一辺倒の安全保障から、地域的な多角化へと舵を切りつつあることを示しています。

中国がイランに超音速ミサイルを大量供給

ラリー・ジョンソン氏が「最大のニュース」と呼ぶのが、中国がイランにCM-302超音速巡航ミサイルを大量に供給したという情報です。

もしこれが事実であれば、ホルムズ海峡を通過してペルシャ湾に入ろうとする米海軍艦艇への脅威は「新たな危険レベルに達した」と氏は指摘します。

超音速ミサイルは迎撃が極めて困難です。米軍の空母打撃群にとっても、これは無視できない脅威です。中国はイランという「プロキシ」を通じて、米国の中東での軍事行動に対するコストを一段と引き上げているわけです。

この動きは、中露が進める新たな中東安全保障体制の構築と軌を一にしています。ロシアと中国は今、イラン・サウジ・トルコを含む新たなペルシャ湾安全保障体制を築こうとしており、そこから米国を排除しようとしている。

これが「中露主導の結末」というシナリオです。

UAEバラカー原発攻撃──イスラエルの偽旗作戦か

先日報じたUAEのバラカー原子力発電所へのドローン攻撃についても、新たな見方が出てきました。

UAE当局は「ドローンはイラクから発射されたもの」と特定しました。アルジャジーラもこれを速報しています。つまり、イランのドローンではないということです。

ラリー・ジョンソン氏の情報源はこの点についてこう言います。

「これはUAEとサウジアラビアをイランへの攻撃に参加させようとするイスラエルの偽旗作戦だと考えている」

なぜイスラエルがそういう工作をするのか。もしUAEへの攻撃がイランの仕業とされれば、湾岸諸国がイランへの報復を支持し、米軍の攻撃拠点として自国の基地を提供する可能性が高まるからです。

さらに氏はこう続けます。「もし新たな911的事件が実現できれば、アメリカ国民がイランに対して一斉に開戦ムードになる。アメリカをさらなる泥沼の戦争に引きずり込むことに成功する」と。

「偽旗作戦」という手法は、歴史的にDSが繰り返し使ってきた手口です。今回もその可能性は排除できません。

イランが攻撃されれば、関与国全てへの即時報復

もう一つ重要な点があります。イランは明確にこう表明しています。

「攻撃を受けた場合、攻撃の実行に関与した国々および爆撃を支援した国々に対して、即座に報復攻撃を行う」

これはカタールもUAEも含む、周辺の湾岸諸国すべてへの警告です。だからこそサウジもカタールも、米軍の攻撃に巻き込まれることを避けようとしている。

サウジが協力しない、UAE・カタールが基地を提供しない。そうなれば、トランプが望むような大規模な攻撃再開は構造的に不可能に近い。

これがトランプ「手詰まり」の本質です。

結論──米国の中東覇権は終わりつつある

今の状況を整理すると、こうなります。

  • トランプ:攻撃したいが、攻撃拠点がない。停戦延長を繰り返すのみ
  • サウジ:米国一辺倒から離脱。パキスタンとの防衛協定で独自路線
  • 中国:イランに超音速ミサイルを供給し、米軍の行動コストを引き上げ
  • ロシア:中国と組んでペルシャ湾の新安全保障体制を構築
  • イラン:攻撃されれば関与国全てへの即時報復を宣言

この構造を見れば、「中露主導の結末」というシナリオはもはや絵空事ではありません。アメリカが中東で一極支配を続けてきた時代は、静かに、しかし確実に終わりつつあるのです。

今回の内容をさらに詳しく解説した動画は、私のYouTubeチャンネルで公開しています。ぜひご覧ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

反グローバリズムの視点で世界情勢を情報分析するリサーチャー。登録者8万人のYouTubeチャンネル『あつまれニュースの森』を運営。

本業だったコンサルタントから徐々に歴史研究にシフトしていく。日々リサーチする中、メディアや歴史が嘘だらけであり、この世界が一部の権力機構によって支配されてきたことに強烈な違和感と憤りを覚えるようになる。

グローバリズムの根源と実態を徹底的に研究。その歴史を旧約聖書まで遡り、現在のいわゆるディープステートのルーツがハザール系とアングロサクソン系の2系統にあることを突き止める。

2021年、YouTubeを開始し、グローバリストのルーツを徹底解剖するオンラインサービス『金子ゼミ』を立ち上げる。

情報発信者としての信条は「左も右もない反グローバリズム・国益第一主義」「不偏不党」。

目次