こんにちは。金子吉友です。
ただし、この「1000万人」という数字には、冷静な留保も必要です。CUFIの会員登録は、公式サイトから無料でメールマガジンに登録するだけでカウントされます。ですから、この1000万人のうち、実際にどれだけが緊急アラートに応じて動く「アクティブな会員」なのかは、正確には分かりません。興味本位で登録しただけの人も、当然含まれているでしょう。数字そのものは、割り引いて見る必要があるのです。それでもなお、後で見るように、その動員力が現実にアメリカの法律を動かしてきたこともまた、動かしがたい事実です。
外国のために、1万人の市民が研修を受け、要求リストを握りしめて、自国の連邦議会へ一斉に押しかける。 それも、プロのロビイストではなく、日曜ごとに教会へ通うごく普通のキリスト教徒たちが、です。もしこれが世界最強の国・アメリカで、毎年公然と繰り返されている光景だとしたら、あなたはどう感じるでしょうか。
今週、まさにそれが起きていました。しかも、日本のメディアはただの一行も報じていません。今日は、AIPACの名前すら知らない日本人がほとんどの中で、そのAIPACを規模で上回る「アメリカ最大の親イスラエル組織」CUFIについて、その正体を丸ごと解剖していきます。7月2日の配信で、私はイスラエル・ロビーが「宗教・シンクタンク・政治」の三部門システムだとお話ししました。今日はその答え合わせです。
いま起きていること──1万人が集った「ロビー訓練キャンプ」の3日間

まず、この一週間、ワシントンで何が行われていたのかからお話しします。
2026年7月5日から昨日7日まで、首都ワシントンの目と鼻の先、メリーランド州ナショナルハーバーの巨大ホテル「ゲイロード・ナショナル・リゾート」に、およそ1万人が集結していました。アメリカ建国250年の花火の裏で、NATOサミットのニュースの陰で、静かに、しかし整然と開かれていた集会。それが「CUFIワシントン・サミット2026」です。CUFIとは「Christians United for Israel(クリスチャンズ・ユナイテッド・フォー・イスラエル)」、直訳すれば「イスラエルのために結束するキリスト教徒たち」という組織の年次大会です。
参加者は全50州から集まった、その大半が福音派のキリスト教徒。参加費は200ドル、日本円でおよそ3万円です。注目すべきは、その周到な設計です。5歳から15歳の子供向けの「キャンプCUFI」、大学生向けの「CUFIオン・キャンパス」、そして女性向けの祈祷会議まで用意されている。家族ぐるみ、世代ぐるみで「イスラエル支援」を継承させる仕組みが、そこにはあります。
3日間のプログラムは、恐ろしいほど明確な段取りで組まれていました。初日と2日目は、政策ブリーフィング。中東情勢の講義を受け、議員に何を要求するかの「トーキング・ポイント(話す要点)」を叩き込まれます。同じ州の参加者同士でチームを組み、議員との面会の練習までする。2日目の夜は、名物イベント「ナイト・トゥ・オナー・イスラエル(イスラエルを称える夜)」。そして最終日、昨日7月7日。1万人が州ごとの代表団に分かれて、連邦議会へと向かったのです。
ここが核心です。全50州から来ているということは、上院100人、下院435人、ほぼすべての議員事務所に、CUFIの代表団が「地元の有権者」として面会に行けるということを意味します。議員にとって、次の選挙で自分に票を入れるかどうかを決める、生身の有権者。それが1万人、研修を受け、要求リストを持って、束になって押し寄せる。私はこれを、単なるロビー活動ではなく、「ロビー訓練キャンプからの一斉出撃」と呼びたいと思います。
登壇者の顔ぶれも異様です。ヘイギー会長はもちろん、イスラエルの駐米大使レイター氏、保守系メディアの大物マーク・レビンやグレン・ベック。そして、後で詳しくお話ししますが、ネオコン系シンクタンクFDD(民主主義防衛財団)の幹部たちが、講師として名を連ねているのです。
念のため申し添えておくと、これは「反ユダヤ」でも「反キリスト教」の話でもありません。私が問題にしているのは、一つの外国政府の利益が、宗教という最も動員力の強いエネルギーを使って、他国の立法府に恒常的に注ぎ込まれている、その「仕組み」そのものです。信仰は自由です。しかし、その信仰が世界最強の国家の外交を左右する装置に組み込まれているのなら、私たちはその構造を、感情ではなく事実として知っておく必要がある。それが今日の主題です。
※参照:CUFI公式サイト「2026 Washington Summit」 https://cufi.org/summit/
CUFIとは何か──会員1000万人、教会を丸ごと呑み込んだ組織

では、この組織は一体何者なのか。
創設は2006年。テキサス州サンアントニオの巨大教会「コーナーストーン教会」の牧師、ジョン・ヘイギーが立ち上げました。ヘイギーは1981年から、自分の教会で「イスラエルを称える夜」を開いてきた、筋金入りの親イスラエル説教師です。組織のスローガンは、旧約聖書イザヤ書の一節から取った「シオンのために、我々は沈黙しない」。
規模を数字で見てください。会員は1000万人超。アメリカの福音派人口はおよそ8000万人と言われますから、その1割以上をすでに組織化している計算になります。かたやAIPACの会員はおよそ300万人とされますから、頭数ではCUFIが3倍以上。アメリカのメディア監視団体も、「有権者への影響力ではAIPACを凌ぐ」と評価しています。2015年には、ワシントンに常駐する政治部門「CUFIアクション・ファンド」を設立し、年間を通じて議会に圧力をかける体制まで整えました。
ここで見落としてはならないのが、CUFIが「個人の集まり」ではなく、「教会のネットワーク」だという一点です。全米の教会が丸ごと加盟する。牧師が日曜礼拝で署名を呼びかけ、緊急アラートのメールが信徒に一斉に飛ぶ。つまり、宗教のインフラが、そのまま政治の動員装置になっているのです。かつて日本で統一協会が信徒の動員力で政治に食い込んだ構造を思い出す方もいるでしょう。そのアメリカ版が、桁違いの規模で存在している──これが出発点です。イスラエル・ロビーの「無敵神話」がなぜ崩れないのか、その土台を知るには、6月25日の記事「イスラエル・ロビー〝無敵神話〟はなぜ崩れたのか」も併せてお読みいただくと、立体的に見えてきます。
※参照:Influence Watch「Christians United for Israel (CUFI)」 https://www.influencewatch.org/non-profit/christians-united-for-israel/
なぜ福音派はイスラエルに命を懸けるのか──「終末論」という燃料

ここからが、日本人に一番伝わっていない部分です。なぜ、アメリカのキリスト教徒が、外国であるイスラエルのために、ここまで命を懸けるのか。
答えは、聖書の読み方にあります。彼らの多くは「ディスペンセーション主義」と呼ばれる終末論を信じています。ざっくり言えば、こういう筋書きです。ユダヤ人が聖地に帰還し、イスラエルを支配することは、キリストが再びこの世に降りてくる「再臨」の前提条件である。だから、イスラエルを支援することは、外交政策ではなく、神の計画を前に進める信仰の実践なのだ、と。
さらに彼らが必ず引くのが、旧約聖書・創世記12章の一節です。「あなたを祝福する者を、わたしは祝福する」。イスラエルを祝福する国は栄え、呪う国は滅びる。だからアメリカが繁栄し続けるためには、イスラエルを支援し続けなければならない、という理屈です。
つまり、CUFIの会員にとって、イスラエル支持は損得の問題ではありません。自分の魂の救済と、アメリカという国の命運が懸かった、宗教的義務なのです。だから彼らは、選挙のたびに必ず投票し、アラートが来れば深夜でも議員にメールを打つ。この「信仰のエネルギー」こそ、カネでは決して買えない、CUFI最大の武器です。
ここが、AIPACとの決定的な違いです。カネで動く人間は、より高い額を積まれれば寝返る可能性がある。しかし、信仰で動く人間は、決して裏切らない。値段がつかないからです。企業への献金要請なら断られることもあるでしょうが、「あなたの信仰の証としてイスラエルを支援しましょう」と教会で呼びかけられて、断れる信徒がどれだけいるでしょうか。組織の忠誠心という一点において、宗教はカネを凌駕する。CUFIの本当の恐ろしさは、この持続性と不動性にあります。
ただし、この終末論には、薄気味悪い側面もあります。彼らの筋書きでは、最後のハルマゲドンの戦いで、ユダヤ人はキリストを受け入れるか、滅びるか、そのどちらかしかない。つまり、ユダヤ人を「救済のシナリオの道具」として愛しているにすぎない、という痛烈な批判が、ほかならぬユダヤ教の指導者たちから出ているのです。創設者ヘイギー自身、2005年の説教で「ヒトラーは、ユダヤ人をイスラエルに向かわせるために神が遣わした『狩人』だった」と発言していたことが暴かれ、2008年の大統領選では、推薦を受けていた共和党のマケイン候補が、その推薦を拒否する騒ぎにまで発展しました。ここまで問題のある人物が創った組織が、それでもアメリカ最大のロビーへと育った。 この事実の重さこそ、見るべきポイントです。
※参照:Militarist Monitor「Christians United for Israel (CUFI)」 https://militarist-monitor.org/profile/christians_united_for_israel/
メールの洪水が法律を変えた──CUFI人海戦術の戦果

「1000万人が信仰で動く」と言われても、実感が湧かないかもしれません。では、この人海戦術が実際に何を実現してきたのか、その戦果を並べてみましょう。
まず、アイアンドーム。イスラエルのミサイル防衛システムです。民主党の進歩派議員が補充予算を削ろうと動いたとき、CUFIは緊急アラートを発動しました。24時間以内に、議員事務所に電話とメールが殺到。結果、単独法案は下院で420対9という圧倒的な差で可決されたのです。420対9ですよ。アメリカの議会で、これほど一方的な採決はめったにありません。
次に、2018年の「タイラー・フォース法」。パレスチナ自治政府が、テロ実行犯の家族に「報奨金」を払う制度をやめない限り、アメリカの援助を凍結するという法律です。このとき、CUFI会員が議会に送ったメールは100万通を超えました。エルサレムへの米大使館移転をめぐっては13万5000通。さらにトランプ政権によるゴラン高原の主権承認、そしてUNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)への資金全額カット。州レベルでは、イスラエルへのボイコット運動を禁じる「反BDS法」が、なんと34州で成立しています。イスラエルへの143億ドル、日本円でおよそ2兆1000億円の緊急援助パッケージにも、CUFIのロビイングが効いていました。
一つひとつを見れば、これらは「アメリカの国内法」に見えます。しかし、並べてみれば、中東政策の背骨が、まるごとこの組織の要求リスト通りに動いてきたことが分かる。一つひとつは国内法。しかし束ねれば、それは外交の乗っ取りに等しいのです。ガザをめぐる利権構造については6月29日の記事「ガザで「丸儲け」する者たち」でも詳しく触れていますので、そちらも参考になさってください。
そして、この人海戦術には、金額に換算できない「速度」という強みがあります。アラート一本で、24時間以内に、数十万通のメールと電話が議会に殺到する。議員の事務所は、地元有権者からの声を無視できません。無視すれば、次の選挙で落とされるからです。ロビイストが100人がかりで動くよりも、「本物の有権者」が10万人動くほうが、政治家にとっては遥かに怖い。CUFIは、その最も原始的で、最も強力な民主主義のメカニズムを、イスラエル支援という一点に向けて、完璧にチューニングしているのです。
※参照:ミアシャイマー&ウォルト『イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策』(講談社)
AIPACとCUFIの「挟み撃ち」──議員に逃げ場をなくす二正面作戦

さて、ここが今日の一番の核心です。CUFIとAIPACは、どういう関係にあるのか。
結論から言えば、両者は完璧な分業体制にあります。政策の95パーセントで一致し、情報を共有し、共同で法案を推す。ヘイギーは2007年からAIPACの年次大会に登壇している、公然の同盟関係です。
役割分担を見てください。AIPACの武器は、カネとプロです。連邦議員の9割超に献金し、全候補者と「面談」し、逆らう議員には対抗馬に巨額資金を注ぎ込む。7月2日の配信でお話しした、反イスラエル的な言動で知られるマッシー議員の対立候補に約20億円が流れた一件が、その典型例です(詳しくは7月3日の記事「タッカー・カールソンが「第三政党」を宣言」をご覧ください)。一方のCUFIの武器は、票と群衆です。1000万人の福音派有権者、教会のネットワーク、メールの洪水、そして50州の人海戦術。
議員の立場になって、想像してみてください。AIPACに逆らえば、次の選挙で資金を断たれ、対抗馬に巨額のカネが流れる。CUFIに逆らえば、地元の教会という票田が丸ごと消える。 ワシントンのオフィスにはCUFIの代表団が座り込み、地元の選挙区では日曜のたびに牧師が信徒に語りかける。カネのムチと、票の洪水。議員には、逃げ場がどこにもないのです。
しかも、両者の守備範囲は絶妙に補完し合っています。AIPACは民主党にもパイプを持つ「二大政党対応」。CUFIは共和党の地盤、すなわち中西部と南部の教会網を押さえる。合わせれば、全議席をカバーできる。7月2日に「フラッド・システム(洪水戦術)」──全選挙区に配置されたキーパーソン網のお話をしましたが、CUFIこそ、その洪水の「水源」なのです。CUFIには「議会リエゾン」という制度もあって、地元で年間を通じて議員と関係を築く担当ボランティアを常駐させている。サミットの1万人は、年に一度の総演習にすぎない。平時から、全選挙区に「見張り」が置かれているのです。
面白いのは、両者の力関係です。タイラー・フォース法のとき、実はAIPACは慎重でした。パレスチナ自治政府を追い詰めすぎることを警戒したのです。それを強行突破したのが、CUFIでした。つまり、CUFIはAIPACの「子分」ではない。むしろ、よりタカ派で、より妥協しない。二国家解決にも反対、入植地も全面支持。宗教的信念で動く組織は、値引き交渉をしないのです。
※参照:Influence Watch「Christians United for Israel (CUFI)」 https://www.influencewatch.org/non-profit/christians-united-for-israel/
回転ドアと同じ財布──宗教・シンクタンク・政治は「一つの装置」だった

そして、この「宗教部門」は、ネオコンの「シンクタンク部門」と、人とカネで直結しています。
まず、人から見ましょう。CUFIの執行役員に、ゲイリー・バウアーという人物がいます。彼は、イラク戦争への道を敷いたネオコンの巣窟PNAC(新しいアメリカの世紀プロジェクト)の創設メンバーです。そして同時に、対イラン強硬論の総本山であるシンクタンクFDD(民主主義防衛財団)の理事も務めてきました。PNAC、CUFI、FDD──ネオコンの戦争計画と、福音派の動員装置と、制裁政策の頭脳を、たった一人の人間が兼任しているのです。2015年にCUFIアクション・ファンドが出来たとき、その指揮を任されたのもバウアーでした。CUFIの初代事務局長デイヴィッド・ブログは、その後、メガドナーのアデルソンが作った反BDSの学生組織のトップへ転出。イラン・コントラ事件で知られるエリオット・エイブラムスも、CUFI指導部と協働してきた人物です。回転ドアは、ぐるぐると回り続けている。
今回のサミットの登壇者名簿にも、FDDから3人が入っています。研究担当副代表のシャンザー、元イスラエル軍報道官のコンリカス、そして対イラン制裁の設計者と呼ばれるベンタレブル。FDDが「何を要求するか」の頭脳を提供し、CUFIの1万人が「誰に要求するか」の筋肉として議会に出撃する。この分業が、登壇者名簿を見るだけで透けて見えてしまうのです。頭脳と筋肉が同じイベントに同席している──これほど分かりやすい「装置の断面図」もありません。
回転ドアは、政権の中枢にも通じています。2017年のCUFIサミットでは、当時のペンス副大統領が基調演説に立ちました。2018年、エルサレムのアメリカ大使館の開設式で祝祷を捧げたのは、ヘイギーその人です。そして現在、駐イスラエルのアメリカ大使を務めるハッカビー氏は、そもそも福音派の牧師出身、筋金入りのクリスチャン・シオニスト。イスラエルとの外交の最前線に、CUFIと同じ信仰を持つ人物が座っている。これが、今の現在地です。
カネも見てください。カジノ王アデルソンの一族は、2012年以降、CUFIに460万ドル(約7億円)を超える資金を提供してきました。ホームデポ創業者のバーナード・マーカスは、CUFIとFDDの両方に資金を出しています。7月2日に、イスラエル・ロビーは「宗教・シンクタンク・政治」の三部門システムだとお話ししました。今日、その裏側がはっきりと見えました。三部門は、別々の組織ではありません。同じメガドナーの財布が養う、一つの装置の三本の腕なのです。
※参照:LittleSis「The Wealthy Donors Behind Christians United for Israel」 https://littlesis.org/
※参照:The Forward「Leader of Christian Zionists Named Head of Adelson Campus Anti-BDS Group」 https://forward.com/
まとめ──日本人が「CUFI」を知らないことの意味

最後に、整理させてください。
今週、ワシントンで起きていたことは、単なる宗教集会ではありません。終末論という燃料。1000万人という頭数。教会という動員インフラ。AIPACとの挟み撃ち。FDDという頭脳。メガドナーという財布。 これらが精密に組み合わさった、世界で最も完成度の高い外国ロビー装置が、年に一度の総演習を終えて、昨日、議会に一斉出撃した。それが今週のワシントンだったのです。
もちろん、公平を期すなら、留保も必要です。CUFI側は「我々は民主主義のプロセスに沿って、合法的に声を上げているだけだ」と主張するでしょう。実際、彼らのやっていることの多くは、アメリカの法律の枠内です。違法な陰謀ではありません。 そこは冷静に見なければなりません。
しかし、それでも残る、動かしがたい事実があります。 かつて日本では、統一協会が信徒の動員力で政治に食い込みました。あの構造を思い出した方も多いでしょう。しかし、CUFIは規模も、洗練度も、桁が違う。日本のかつてのそれが町工場なら、CUFIは巨大コンビナートです。そして、この装置が動かしているのは、世界最強の国家・アメリカの外交政策そのものなのです。
考えてみてください。日本のメディアは、AIPACの名前すら、めったに報じません。ましてCUFIは、ほぼ完全に報道の空白地帯です。しかし、アメリカの中東政策がなぜああなるのか、なぜ大統領が代わっても変わらないのか、なぜ「アメリカ・ファースト」がいつの間にか「イスラエル・ファースト」にすり替わるのか。その答えの少なくとも半分は、今日お話しした装置の中にあります。表層ではなく、構造を見てください。装置が見えなければ、アメリカの動きは「不可解」に見える。装置が見えれば、それは「必然」に見えるのです。
しかも、この構造は決して「対岸の火事」ではありません。私はこのチャンネルで繰り返しお伝えしてきましたが、日本は、このアメリカ=イスラエルという入れ子構造の、さらに最下層に組み込まれているのです。自衛隊にイスラエル・米国由来のAIが接続された経緯については、6月26日の記事「自衛隊に「パランティアAI」が入った日」で詳しく書きました。アメリカを動かす装置を知ることは、そのまま日本自身の主権を考えることに直結しているのです。ネタニヤフ政権が揺らいでもこの構造が変わらない理由は、7月1日の記事「「見捨てられるイスラエル」報道の罠」も併せてご覧いただくと、より鮮明になります。
そして、私たち日本への問いです。同盟国アメリカの外交が、こういう装置で動いているという現実を直視したうえで、日本はアメリカと、どう付き合うのか。 装置の存在すら知らずに「日米同盟が基軸です」と唱え続けるのか。それとも、装置を見抜いたうえで、自分の国益を冷静に計算するのか。真の独立とは、真の主権とは、何か。私たちは、何度でもその問いに立ち帰らなければなりません。知ることが、そのすべての出発点だと、私は思います。
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今回の内容をさらに詳しく解説した動画は、私のYouTubeチャンネルで公開しています。ぜひご覧ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. CUFIとAIPACは何が違うのですか? AIPACは「カネとプロのロビイスト」を武器に、政治献金と選挙工作で議員に圧力をかける組織です。一方CUFIは「1000万人の福音派信徒の票と群衆」を武器にする組織で、会員数はAIPACの約3倍。両者は政策の95%で一致し、役割を分担して議員を「挟み撃ち」にしています。
Q2. なぜ福音派キリスト教徒がイスラエルを支援するのですか? 「ディスペンセーション主義」という終末論に基づき、ユダヤ人の聖地帰還とイスラエル支配が「キリスト再臨の前提条件」だと信じているためです。彼らにとってイスラエル支援は外交政策ではなく、自らの魂の救済に関わる「宗教的義務」であり、カネでは買えない強固な行動原理になっています。
Q3. CUFIは具体的にどんな成果を上げてきたのですか? アイアンドーム予算の下院420対9での可決、タイラー・フォース法(メール100万通超)、エルサレムへの米大使館移転、ゴラン高原の主権承認、34州での反BDS法成立など、アメリカの中東政策の根幹を「要求リスト通り」に動かしてきた実績があります。
Q4. なぜ日本ではCUFIがほとんど報じられないのですか? 日本のメディアはAIPACすら報じることが稀で、CUFIはほぼ完全な報道の空白地帯です。しかし、アメリカの中東政策が政権交代を超えて一貫している理由や、「アメリカ・ファースト」が「イスラエル・ファースト」に転じる構造を理解するには、この「宗教部門」の存在が欠かせません。
ここまでお読みくださりありがとうございます。また次の記事でお目にかかりましょう。

