移民が選挙を動かし始めた──ベルリンとミシガンで起きたことと、日本が賛成した国連の移住協定

日本は2018年に賛成していた 国連の移住グローバル・コンパクト

こんにちは。金子吉友です。

2026年9月20日、ドイツ・ベルリン州議会選挙。左翼党(Die Linke)が得票率25.7%、158議席中47議席を獲得し、同党として初めて州議会の第一党になりました。 その顔となったのが、トルコ系の人権活動家エリフ・エラルプ(Elif Eralp)氏。両親は1980年のトルコ軍事クーデターのあとドイツに渡った人たちです。

欧米のメディアは彼女を「ドイツのマムダニ」と呼びました。

そして、この選挙には一人の助っ人がいました。2026年春、左翼党はモリス・カッツ(Morris Katz)という戦略家をアドバイザーに迎えています。2025年のニューヨーク市長選で、ゾーラン・マムダニ氏の陣営を動かした人物です。

ニューヨークで成功した型が、ベルリンに持ち込まれた。 それも、同じ人間の手で。

今回は、移民が選挙を動かし始めたという事実を、欧米で実際に起きたことから確認します。そのうえで、日本が2018年に何に賛成したのかを見ます。

ニューヨークで勝った選挙の型が、ベルリンへ渡った
ニューヨークで勝った選挙の型が、ベルリンへ渡った

目次

移民は、もう選挙を動かしている

スウェーデン──外国ルーツの有権者が左派を押し上げた

欧州全体では、いま反移民・反ウクライナ支援を掲げる右派に票が流れています。ところがスウェーデンでは、左派が議席を伸ばしました。

その内訳を見ると、スウェーデンにルーツを持つ有権者と、外国にルーツを持つ有権者とで、投票先がはっきり分かれていました。外国ルーツの有権者ほど、左派の候補に投票していたのです。

移民票が効いている。 つまり、民族構成の変化が、そのまま選挙結果の変化になって表れ始めている、ということです。

バーミンガム──白人比率が30年で78.5%から48.6%へ

イギリス第二の都市バーミンガムの数字です。

  • 1991年:白人比率 78.5%
  • 2021年:白人比率 48.6%(半分を切った)
  • パキスタン系:17%まで上昇
  • 純粋なイギリス系の白人は42.9%

30年で、都市の民族構成が入れ替わりました。 このペースが続けば、あと10年から30年で、どちらが多数派かが逆転する可能性があります。

バーミンガムの白人比率は30年で半分を切った
バーミンガムの白人比率は30年で半分を切った

政策が人口を変え、人口が次の政策を決める

ここが要点です。これは一度回り始めると、止まらない循環になります。

1. 移民を受け入れる政策をとる 2. 人口構成が変わる 3. 有権者の構成が変わる 4. 政治家は増えた側に向けて政策を訴える 5. 移民に向けた政策が増える 6. さらに受け入れが進む

政策が人口を変えて、人口が次の政策を決める。 これが「民族置き換え」と呼ばれているものの、選挙という側面から見た姿です。

政策が人口を変え、人口が次の政策を決める
政策が人口を変え、人口が次の政策を決める

ベルリンとニューヨークをつないだ、一人の選挙アドバイザー

冒頭に書いたベルリン州議会選挙に戻ります。

エリフ・エラルプ氏の左翼党は、2023年の結果から得票を倍以上に伸ばし、25.7%で第一党になりました。そして2026年春、同党はモリス・カッツ氏をアドバイザーに迎えています。

カッツ氏は、2025年のニューヨーク市長選でマムダニ陣営の戦略を担った人物です。アイリッシュ・タイムズも、マムダニ陣営の戦略家が春にベルリンを訪れ、エラルプ氏と党に助言したと報じています。

ここは線を引いておきます。エラルプ氏はまだ市長ではありません。 ベルリンでは州議会が市長(州首相)を選ぶ仕組みで、連立交渉の結果次第です。選挙で第一党になったことと、市長の座を得たことは別です。

それでも、起きたことははっきりしています。ニューヨークで勝った型が、同じ戦略家の手でベルリンに移植され、そこでも勝った。

ベルリン州議会選挙で、左翼党が初めて第一党になった
ベルリン州議会選挙で、左翼党が初めて第一党になった

※参照:Al Jazeera The Irish Times

レッドグリーン同盟は、どこから来たのか

このチャンネルで繰り返している「レッドグリーン同盟」──赤(マルクス主義)と緑(イスラム主義)の連携という言葉について、今回はその歴史をたどります。

1950〜80年代:ソ連が種をまいた

出発点は冷戦期です。ソ連が「反植民地主義」「反帝国主義」を掲げて、アラブやイスラム圏の運動を後押ししました。

  • アルジェリアの独立運動
  • PLO(パレスチナ解放機構)
  • イラン革命

本来、無神論を国是とする共産主義国家が、宗教運動を支援した。 共通の敵が西側だったからです。

イラン革命──左派が支えて、そして粛清された

1979年のイラン革命のとき、西ヨーロッパの反米左派の一部がホメイニ師を支持しました。 フランスもそうです。ホメイニ師はパリ郊外に亡命していた時期があり、そこから革命を指揮しました。

ヨーロッパの左翼が、革命を起こす人物をかくまったわけです。

ところが革命が成就したあと、何が起きたか。ホメイニ師は、自分を支えた左派勢力を粛清しました。

左派はイスラム勢力とうまくやっているつもりでいる。しかし実際には、緑の側が一枚も二枚も上手で、いつも最後は利用されて終わる。 イラン革命は、その最初の大きな実例です。

赤と緑はいつ手を組んだのか
赤と緑はいつ手を組んだのか

2003年2月15日、ロンドン──赤と緑が並んで歩いた

冷戦が終わると、赤と緑は共通の敵を見つけて手を組みます。

2003年2月15日、イギリスでイラク戦争反対の大行進が行われました。 参加者は100万人とも200万人とも言われます。

この大行進を共催したのが、Stop the War Coalition(戦争阻止連合)と英国ムスリム協会(Muslim Association of Britain)でした。左翼の反戦団体と、イスラム系の団体が、並んで主催者に名を連ねた。 これが分水嶺です。

タギエフが2002年に名付けた「イスラモ・ゴーシズム」

この現象に名前を与えたのが、フランスの政治学者・思想史家ピエール=アンドレ・タギエフ(Pierre-André Taguieff)です。

2002年の著書で、彼は「イスラモ・ゴーシズム(islamo-gauchisme=イスラム左翼主義)」という言葉を使い、左派とイスラム主義の接近を批判しました。

2002年です。ロンドンの大行進の前年に、すでにこの構造は名指しされていた。 タギエフは、レッドグリーン同盟という存在を真正面から批判した草分けの学者です。

2010年代以降──街頭の風景になった

  • アラブの春(2010年〜)
  • ガザをめぐる紛争
  • 2023年10月のハマスによる攻撃

このあたりから、欧州の街頭で赤い旗とパレスチナの旗が並ぶ光景が、当たり前になりました。 前回までの記事で扱ったパリの学生デモも、その延長線上にあります。

2003年のロンドン、左翼団体とムスリム団体が並んで主催した
2003年のロンドン、左翼団体とムスリム団体が並んで主催した

そこに中国共産党が乗ってきた

ここからが、今回私が新しく立てた仮説です。

ネビル・シンガムとピープルズ・フォーラム

パリの学生デモを乗っ取った団体の中に、The People’s Forum(ピープルズ・フォーラム)が支援する組織がありました。ピープルズ・フォーラムは、ニューヨークで反トランプ集会や反ICE運動を組織してきた団体です。

そこに資金を出しているのが、上海に住むIT長者ネビル・ロイ・シンガム。中国共産党のプロパガンダを拡散する活動に資金を提供してきた人物です。ゴールドマン・サックスの寄付ファンドを経由して、ピープルズ・フォーラムに約34億円が流れています。

シンガム氏が関わっているのは、CodePink、PSL(社会主義解放党)、そしてDSA(アメリカ民主社会主義者)とも連携が見られます。

「CCPレッドグリーン同盟」という見立て

つまり、こういうことです。

レッドグリーン同盟は、赤と緑の二色ではない。そこに中国共産党の代理人のような人物が資金を出している。

私はこれを「CCPレッドグリーン同盟」と呼んでみたいと思います。 中国は現在、実態としては共産主義国家ではありませんが、マルクス主義を建前として掲げ、宗教を警戒する点では赤の側と根が同じです。親和性はある。

ここは線を引きます。これは私の仮説であって、中国共産党がレッドグリーン同盟を指揮しているという証拠があるわけではありません。 言えるのは、中国共産党のプロパガンダを拡散する人物の資金が、欧米の左派運動に流れているという事実までです。

赤と緑に、もう一色が乗っている
赤と緑に、もう一色が乗っている

アメリカで起きている「代理選挙」

ミシガン州予備選──8対1の資金差が覆った

2026年8月4日、ミシガン州の民主党上院議員予備選。 結果がこうです。

  • アブドゥル・エル・サイード(Abdul El-Sayed):48.5%
  • ヘイリー・スティーブンス(Haley Stevens)下院議員:47.5%

1ポイント差でエル・サイード氏が勝ちました。 注目すべきは資金です。エル・サイード氏は8対1以上の資金差と、民主党主流派からの反対を覆しました。

エル・サイード氏はエジプト系の移民の家系で、義父がムスリム同胞団の支部幹部の一人とされています。ムスリム同胞団のサイトは、彼の予備選勝利を祝福するメッセージを掲載しました。

ここは線を引きます。この選挙にAIPAC(アメリカ・イスラエル公共問題委員会)がどれだけ資金を投じたかについて、私は公開資料で確認できていません。 確認できるのは、8対1以上の資金差があり、それを覆して勝ったというところまでです。

二つの勢力に引き裂かれるアメリカ政治

私が見ているのは、こういう構図です。

かつてアメリカの政治家を資金で動かしてきたのは、イスラエルロビー(青)でした。 そこに、レッドグリーン同盟(赤と緑)が台頭してきた。

レッドグリーン同盟が支持する政治家として名前が挙がるのが、

  • ゾーラン・マムダニ(ニューヨーク市長)
  • アレクサンドリア・オカシオ=コルテス
  • アブドゥル・エル・サイード(ミシガン州)
  • そしてドイツではエリフ・エラルプ

どちらかの陣営に属さないと勝てない。 アメリカの選挙は、そういう「代理選挙」になりつつある、というのが私の見方です。

8対1の資金差が、1ポイント差で覆った
8対1の資金差が、1ポイント差で覆った

※参照:The Washington Post CNBC

国連という外圧──IOMと移住グローバル・コンパクト

ここから、日本の話に接続します。

IOMは「国際移住機関」か、「国際移民機関」か

IOM(International Organization for Migration)。 日本語では「国際移住機関」と訳されています。

Migration は「移民」です。なぜ日本語にするときだけ「移住」になるのか。 「国際移民機関」と訳したほうが、何をする組織なのかが一発で分かります。

このIOMのルーツは1951年にさかのぼります。そして現在の事務局長がエイミー・ポープ(Amy Pope)氏です。

彼女は日本に外圧をかけている当事者の一人です。 ただし、彼女が一番上にいるわけではありません。事務局長というのは、言ってみれば営業部長のようなものです。世界を飛び回って、移民を各国に配っていくアンバサダーの役回りです。

ピーター・サザーランドという人物

IOMと国連の関係を作ったキーパーソンが、ピーター・サザーランド(Peter Sutherland)です。経歴がこうです。

  • ゴールドマン・サックス・インターナショナルの会長を約20年(1995〜2015年)
  • 2006年から2017年まで、国連事務総長の国際移住担当特別代表
  • GFMD(移住と開発に関するグローバル・フォーラム)を創設
  • IOMの移住諮問委員会のメンバー

ここで配信の訂正をします。私は配信で「サザーランドが2006年にIOMを国連の中に入れた」と申し上げましたが、正確には、サザーランドが国連事務総長の国際移住担当特別代表になったのが2006年で、IOMが国連の関連機関になったのは2016年です。

もう一点。サザーランドとジョージ・ソロスが移民政策で連携していたという話について、私は裏付けのある資料を確認できませんでした。 そう書いている媒体はありますが、出所が示されていません。ここは確認できなかったこととして、そのまま置いておきます。

確認できるのは、「ゴールドマン・サックスの会長を20年務めた人物が、国連で11年にわたって国際移住政策の責任者だった」という経歴そのものです。 これだけでも十分に重い事実だと、私は思います。

金融の会長が、国連の移住政策の責任者を11年務めた
金融の会長が、国連の移住政策の責任者を11年務めた

2018年、日本も賛成した移住グローバル・コンパクト

ここが、今回いちばん知っていただきたい事実です。

2018年12月10日、モロッコのマラケシュで「安全で秩序ある正規の移住のためのグローバル・コンパクト(GCM)」が採択されました。 そして12月19日、国連総会で支持決議が採決されています。

結果がこうです。

  • 賛成:152か国(日本を含む)
  • 反対:5か国(アメリカ、チェコ、ハンガリー、イスラエル、ポーランド)
  • 棄権:12か国

日本は賛成しました。 当時、鈴木憲和外務大臣政務官が政府代表として採択会合に出席し、採択を歓迎しています。

反対した5か国の顔ぶれを見てください。 アメリカ、イスラエル、そして移民受け入れに一貫して反対してきた中欧の3か国です。チェコ、ハンガリー、ポーランドは、いまもヨーロッパで最も移民が少なく、古い街並みがそのまま残っている国々です。

この文書に法的拘束力はありません。 しかし、国際的な協力の枠組みとして、その後の各国の政策の土台になってきました。なおブラジルは2019年1月に賛成を撤回しています。

そしてこのGCMを進める仕組みが、国連移住ネットワークです。国連の40機関を束ね、IOMが事務局を務め、エイミー・ポープ氏がコーディネーターを務めています。 国連総掛かりの体制です。

2018年、日本は国連の移住協定に賛成した
2018年、日本は国連の移住協定に賛成した

※参照:ヒューライツ大阪 IOM日本「安全で秩序ある正規の移住のためのグローバル・コンパクト」 外務省

「置き換え移民」という国連のレポート

「置き換え移民(Replacement Migration)」という言葉の出どころについても、確認しておきます。

2000年3月、国連経済社会局(DESA)の人口部が『Replacement Migration: Is it a Solution to Declining and Ageing Populations?(置き換え移民──人口減少と高齢化の解決策になるか?)』という報告書を公表しました。 日本、欧州、EU、アメリカなど8か国・2地域を対象にした分析です。

ここは正確に書きます。この報告書の結論は、「移民では解決しない」というものです。

> 移民の増加は高齢化の進行を遅らせることはできても、逆転させることはできない。移民だけで現在の潜在扶養比率を維持するのは、必要となる移民数が途方もなく大きいため現実的ではない。

国連人口部自身が、「これは政策提言でも人口政策の処方箋でもない」と説明しています。

つまり、「国連が置き換え移民を計画した」という形で語るのは、この報告書の内容とは違います。 ただし、「Replacement Migration」という概念そのものを国際的な議論の場に定着させたのが、この国連の報告書だったことは事実です。

言葉が独り歩きする、というのはこういうことです。だから私は、こうして原典に戻って確認します。

日本側の受け皿

外圧があるというだけでは、話は半分です。それを内側で受ける人がいなければ、政策は動きません。

2026年10月20日、国連難民高等弁務官が首相官邸へ

2026年10月20日、サレハ国連難民高等弁務官が首相官邸を訪れ、高市首相と会談しました。 難民・避難民支援に向けて緊密に連携していくことで一致した、と報じられています。

日本側で配管はすでに敷かれている
日本側で配管はすでに敷かれている

ロヒンギャ難民を特定技能枠で

そして民間では、ロヒンギャ難民を特定技能の枠で受け入れようという動きが始まっています。モビリティ・フォー・ヒューマニティというNPOがその一例です。

難民を移民にして、「外国人労働者」というラベルを貼って日本に送り込む。 この枠組みが、NPOや一般社団法人を中心にできあがりつつあります。

前回の記事で扱ったバングラデシュとの育成就労覚書も、同じ流れの中にあります。日本政府は2026年5月から10月までの間に、タイ、ウズベキスタン、スリランカ、ラオス、東ティモール、バングラデシュの6か国と覚書を交わしました。

提言する側と、受け取る側

自民党で移民政策の実務を担ってきたのが、笹川博義氏です。

  • 自民党・外国人労働者等特別委員会の事務局長を長く務めた
  • グローバル人材共生推進議員連盟にも関わってきた
  • 2026年9月17日、第2次高市改造内閣で環境大臣として初入閣
  • 父は笹川堯氏(元自民党総務会長)、祖父は笹川良一

一方、民間から政策提言をしてきたのが、公益財団法人・日本国際交流センター(JCIE)の執行理事・毛受敏浩(めんじゅ としひろ)氏です。

  • 2018年7月に発足した「外国人材の受入れに関する円卓会議」の発起人の一人であり、事務局長
  • 2021年6月、「アフターコロナ時代に向けての外国人受入れ政策のあり方──『選ばれる国』への新提言」を出入国在留管理庁長官に手交
  • 2024年1月、「新在留外国人等基本法」の要綱案を衆議院第一議員会館で説明

提言をまとめる側にいる人と、それを受け取る自民党の委員会にいる人。 ここが同じ回路でつながっているのではないか、というのが私の見方です。

ここは線を引きます。笹川博義氏がこの円卓会議のメンバーであることを、私は公開資料で確認できませんでした。 確認できるのは、円卓会議が2018年から提言を出し続けていることと、笹川氏が自民党側でその受け皿の委員会の事務局長を務めてきたこと、この二つが並行して存在するという事実です。

提言をまとめる側と、受け取る側
提言をまとめる側と、受け取る側

※参照:JCIE「外国人材の受入れに関する円卓会議」

現場では、もう起きている

ここまで制度の話をしてきました。最後に、いま現実に起きていることを二つだけ挙げます。

偽造された在留カード

宮崎放送が報じた件です。技能実習生として来日したベトナム人の男性が、在留期限が切れたまま農業のアルバイトをしていて、偽造された在留カードを所持していたとして逮捕されました。

この人物は、今月14日にも不法残留の疑いで逮捕されています。一度釈放され、再び逮捕されたという経緯です。

一度目に捕まえたとき、入管と連携して強制送還していれば、二度目はなかった。

そして、もっと重い問いがあります。偽造の在留カードは、どこの組織が、どこで作り、いくらで売っているのか。 そこを突き止めないかぎり、同じことが繰り返されます。

不法残留者の数

不法残留者は6万5,229人(2026年7月1日時点)。国籍別のトップはベトナムです。

ここで配信の訂正をします。私は「6万8,000人」と申し上げましたが、それは2026年1月1日時点の6万8,488人の数字でした。7月1日時点では6万5,229人に減っています。

ただ、減っていても6万5,000人です。コンピューター上では「在留期限が過ぎた人が何人いるか」は分かる。でも、その人がどこにいるかは分からない。

この状態のまま、育成就労の受け入れが2027年4月に始まります。

フードデリバリーのアカウント

もう一件。ウズベキスタン国籍の配達員の男が、一人で留守番していた小学生の女児に抱きつき、キスをして体を触ったとして逮捕されました。 女児が直後に110番通報したことで捕まっています。

問題は、この男が日本人名義の配達員アカウントを引き継いで使っていたことです。

本人確認をすり抜ける方法が、すでに流通している。 アカウントは貸すことも売ることもできてしまいます。

この日の配信で触れた、もう二つの選挙

本題から少し離れますが、この日の配信で扱ったほかの話も残しておきます。どちらも「選挙」の話です。

ブラジル──決選投票で結果がひっくり返った

2026年10月25日のブラジル大統領選の決選投票で、現職のルラ大統領が勝ちました。

ただ、数字の動きが不思議でした。

  • 1回目の投票:ボルソナロ氏 約5,610万票/ルラ氏 約5,388万票(ボルソナロ氏が約220万票リード)
  • 決選投票:ボルソナロ氏は約272万票増やしたが、ルラ氏は1回目より約1,000万票多い6,425万票を獲得して逆転

1回目で落選した候補の得票を全部合計しても931万票です。落選候補の票が丸ごとルラ氏に流れたと仮定しても、まだ100万票ほど足りない。 投票者の増加と、白票・無効票の減少(478万票)で説明はつくとされていますが、素直には飲み込みにくい動きです。

さらに、投票所の閉鎖直前に、裁判官の命令で投票時間が2時間延長されました。 その命令を出した裁判官がルラ大統領の元弁護士だったことが、物議を醸しています。

ここは線を引きます。延長の要請はルラ陣営だけでなく他の候補からも出ていたとされ、天候不順や交通事情が理由だったとも報じられています。 工作だったかどうかは、現時点の情報では分かりません。

私がこの結果に一つだけ意味を見るとすれば、南米が次々とシオニスト寄りの政権に塗り替えられていく流れの中で、ブラジルがそこで止まったという点です。ボルソナロ氏を支持していたわけではありません。勢力の配置の問題として、そう見ています。

イスラエル──選挙の二日前に流れた報道

イスラエルの総選挙は10月27日。 その二日前、テレビ局チャンネル12が、ネタニヤフ首相と軍トップが前例のない対立関係にあると報じました。

報道の中身は、ネタニヤフ首相が選挙直前にイランとの衝突につながりうる軍事行動を軍に指示し、IDF参謀総長がその実行に抵抗して、さらなる協議と首相の署名入りの法的権限文書を要求した、というものです。

ネタニヤフ首相はこれを否定し、国防省も「チャンネル12の報道は完全な嘘だ。選挙前にイランを攻撃する意図はなかった」としています。

選挙で負ければ、止まっている裁判が再開されます。 収賄などの係争中の案件が動き出す。だから戦争で先延ばしにしてきた、という見方がある。

ネタニヤフ首相は選挙に負けるかもしれません。でも、勝っても負けても、グレーター・イスラエル構想そのものは引き継がれていきます。首相が替わっても、戦争は続く。 そこは見誤らないほうがいいと思っています。

イギリス──「残された準備時間は1,000日」

もう一つ。イギリスの国防大臣が、テレグラフ紙で「戦争への備えに残された時間は1,000日あまりだ」と警告しました。 ロシアが2030年までにイギリスを攻撃する能力を持つ恐れがある、という理由です。

個人のSNSではなく、主要紙での警告です。アメリカでも、大規模停電によるインフラ停止を想定した国防上の準備が動いています。

イギリスもアメリカも、戦争を想定して準備している。 日本政府は、こうした想定で動いているでしょうか。

まとめ──外圧より重いのは、それを受け取る手がこの国にあること

今回、欧米で起きていることを並べてきました。ベルリン、スウェーデン、バーミンガム、ミシガン。そしてそのどれにも、日本はまだ到達していません。

でも、制度の配管は、もう敷かれています。

2018年に日本は移住グローバル・コンパクトに賛成しました。2026年には6か国と育成就労の覚書を交わし、2027年4月から制度が始まります。国連難民高等弁務官が首相官邸に来て、難民支援での連携を確認しました。民間では、難民を特定技能に乗せる枠組みが動き始めています。

そして不法残留者は6万5,000人。どこにいるかは分からない。

私がこの配信で何度も申し上げているのは、外圧があるという話ではありません。外圧はあります。でも、それだけなら突っぱねればいい。

問題は、その外圧を内側で受け取る手が、この国にたくさんあることです。

提言をまとめる財団があり、それを受け取る党の委員会があり、送り出し国に現地法人を作る一般社団法人があり、難民を労働力に変えるNPOがある。そのどれもが、おそらく自分を善意だと思っています。 人手不足の国と、仕事のない若者をつなぐ。美しい話に聞こえるでしょう。

でも、そこには必ずお金が流れています。中抜きができる構造があります。

欧州の都市で30年かけて起きたことを、私たちは資料として読めます。ベルリンで何が起きたか、バーミンガムの数字がどう動いたか、スウェーデンの票がどう割れたか。全部、先に起きた国の記録として手に入ります。

先に起きた国の記録が読めるのに、同じ道を選ぶとしたら、それは知らなかったからではありません。選んだということです。

だから私は、こうして一つずつ数字と日付を確かめてお伝えしています。知ったうえで選ぶのと、知らずに流されるのとでは、まるで違う。 少なくとも、知っていれば投票先は変わります。

ここまでお読みくださりありがとうございます。また次の記事でお目にかかりましょう。

よくある質問(FAQ)

Q1. 日本は国連の移住グローバル・コンパクトに賛成したのですか。

A. はい、賛成しました。 2018年12月19日の国連総会で、賛成152か国・反対5か国(アメリカ、チェコ、ハンガリー、イスラエル、ポーランド)・棄権12か国で支持決議が採決され、日本は賛成に回っています。鈴木憲和外務大臣政務官が政府代表として採択会合に出席しました。ただし、この文書に法的拘束力はありません。 ブラジルは2019年1月に賛成を撤回しています。

Q2. 「置き換え移民」は国連が計画したものなのですか。

A. 計画ではありません。 2000年3月に国連経済社会局の人口部が出した報告書『Replacement Migration』が出どころですが、その結論は「移民では高齢化は解決しない」というものです。 「移民だけで潜在扶養比率を維持するのは、必要となる移民数が途方もなく大きいため現実的ではない」と書かれています。国連人口部自身が「政策提言ではない」と説明しています。ただし、この言葉を国際的な議論に定着させたのが、この報告書であることは事実です。

Q3. 「レッドグリーン同盟」はいつからあるのですか。

A. 源流は冷戦期です。 1950〜80年代、ソ連が反植民地主義・反帝国主義を掲げてアラブやイスラム圏の運動(アルジェリア独立運動、PLO、イラン革命)を後押ししました。ただしイラン革命のあと、ホメイニ師は自分を支えた左派を粛清しています。 冷戦後は共通の敵で再び手を結び、2003年2月15日のロンドンのイラク戦争反対大行進では、Stop the War Coalitionと英国ムスリム協会が共催しました。フランスの政治学者ピエール=アンドレ・タギエフが2002年の著書で「イスラモ・ゴーシズム(イスラム左翼主義)」と名付けています。

Q4. ベルリンで「ドイツのマムダニ」が市長になったのですか。

A. 市長にはまだなっていません。 2026年9月20日のベルリン州議会選挙で、エリフ・エラルプ氏が率いる左翼党が得票率25.7%・47議席で第一党になりましたが、ベルリンでは州議会が市長(州首相)を選ぶ仕組みのため、連立交渉の結果次第です。確認できるのは、同党が2026年春に、ニューヨーク市長選でマムダニ陣営を担った戦略家モリス・カッツ氏をアドバイザーに迎えていたこと、そして第一党になったことです。

今回の配信はこちら

満州地下人脈、清和会、統一教会、CIA、移民問題、すべてつながる… 民族置き換えと移民兵器 深すぎる闇
(金子吉友の反DSチャンネル『あつまれニュースの森』/2026年10月26日配信)

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この記事を書いた人

反DS歴史研究者、調査ジャーナリスト。YouTube『あつまれニュースの森』(登録者10万人)にて反グローバリズムの視点で世界情勢・国内政治を解説。

本業だったコンサルタントから徐々に歴史研究にシフトしていく。日々リサーチする中、メディアや歴史が嘘だらけであり、この世界が一部の権力機構によって支配されてきたことに強烈な違和感と憤りを覚えるようになる。

グローバリズムの根源と実態を徹底的に研究。その歴史を旧約聖書まで遡り、現在のいわゆるディープステートのルーツがユダヤ系とアングロサクソン系の2系統にあることを突き止める。

2021年、YouTubeを開始し、グローバリストのルーツを徹底解剖するオンラインサービス『金子ゼミ』を立ち上げる。

グローバリストにより”修正”された歴史を”修復”する「歴史復元主義」を根本理念とする。

情報発信者としての信条は「左も右もない反グローバリズム・国益第一主義」「不偏不党」。

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