こんにちは。金子吉友です。
2026年9月17日、第2次高市改造内閣が発足しました。
18人の閣僚のうち、留任が8人、再入閣が3人、初入閣が7人。
報道の見出しは「維新から初入閣」に集まりました。ですが私が注目したのは、別の2人です。
- 法務大臣の山下貴司さん(再入閣)
- 環境大臣の笹川博義さん(初入閣)
この2人は、自民党の外国人政策本部の副本部長を、そろって務めてきた人物です。
つまり、いま自民党の外国人政策を実際に引っ張ってきた2人が、そろって内閣に入った。
しかも笹川博義さんは、あの笹川良一氏の孫にあたります。
今日は、この2人の経歴を追いながら、日本の外国人政策が「どういう人たちの手で組み立てられているのか」を見ていきます。
先に申し上げておきます。今日お話しすることのうち、私が独自に裏を取れた事実と、私の見立て、そして裏が取れなかった話は、最後にきちんと分けて整理します。

第2次高市改造内閣の顔ぶれ
まず、内閣の全体像から。
- 2026年9月17日発足
- 18人の閣僚のうち、留任8人、再入閣3人、初入閣7人
- 初入閣は、藤井比早之(総務)、関芳弘(文科)、簗和生(農水)、井林辰憲(国交)、笹川博義(環境)、古川俊治(デジタル)、中司宏(規制改革等)の7人
- 厚生労働大臣の上野賢一郎氏は留任
なお、外国人政策を所管するのは、主に法務省と厚生労働省です。環境省は所管していません。ここは後で触れます。
報道が注目した「維新から初入閣」
日本維新の会から初入閣したのは、前幹事長の中司宏さん(70歳)。規制改革担当相です。
この人事について、事実を正確に書いておきます。
- 元産経新聞記者。1987年に自民党公認で大阪府議に初当選し、その後、大阪府枚方市長へ
- 枚方市長時代の2007年、市の清掃工場建設をめぐる談合容疑で大阪地検特捜部に逮捕され、辞職
- 公判では無罪を主張しましたが、有罪判決が確定しています
- 2015年に大阪府議に返り咲き、2021年の衆院選で維新から初当選。2025年8月から党幹事長
刑事事件で逮捕・起訴され、有罪判決を受けた人物が閣僚になるのは、1997年の第2次橋本改造内閣で総務庁長官に就任した佐藤孝行氏以来、29年ぶりです。
現職の国会議員としてここまで来られたことも驚きですが、その人物を大臣に起用する。なかなか思い切った人事だと思います。
※参照:[毎日新聞] https://news.yahoo.co.jp/articles/37b694d0162ee7b57ba63b873588f529256647e9

法務大臣・山下貴司とは何者か
では、本題に入ります。まず法務大臣の山下貴司さんです。
この方が、今回の人事を読むうえでいちばんの鍵になります。
経歴──政治家になる前から、ずっと法務省の人
- 1992年に検事に任官。東京地検特捜部などで捜査に携わる
- その後、法務省の刑事局に移り、国際捜査や条約交渉を担当
- アメリカの日本大使館で、一等書記官兼法律顧問も務める
- 2012年に衆議院議員に初当選。岡山2区、当選は6回
- 2017年8月、法務大臣政務官に就任。ここで初めて入管行政の政務に入ります
- 2018年10月、法務大臣に就任。当選3回での初入閣でした
つまり、政治家になる前から、ずっと法務省の仕事をしてきた人です。
法務大臣だった1年間に、何が起きたか
ここからが本題です。
2018年12月8日、改正入管法が成立します。そして2019年4月1日に施行される。
この改正でできたことが、二つあります。
- ① 在留資格「特定技能」の1号と2号が創設されました
- ② 法務省の入国管理局が格上げされて、出入国在留管理庁になりました
一つ目の意味は、小さくありません。
それまで日本は「単純労働では外国人を受け入れない」という建前を取ってきました。
その建前を、正面から変えた制度です。
二つ目。いまの入管庁は、このとき生まれています。
なお山下氏は在任中、この入管法改正を含めて9本の重要法案を成立させています。
つまり山下貴司さんという人は、今の日本の外国人受け入れ制度の、土台をつくった本人なんです。
※参照:[首相官邸] https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/meibo_b/daijin/yamashita_takashi.html

制度を創った本人が、締める側に回った
ところが、話はここで終わりません。
法務大臣を退任したあと、山下さんは自民党の側で外国人政策を扱い続けます。
ここからが、この方の本当の仕事です。
2023年12月──政府の会議より厳しい線を引く
自民党の外国人労働者等特別委員会。ここで委員長代理として、「技能実習制度・特定技能制度見直しに向けた提言」をまとめています。
この提言の中身が、なかなか厳しいんです。
- 当時、有識者会議は、転籍――つまり職場を移ることですね――これを「1年を超えれば認めてよい」としていました
- ところが自民党の提言は、「当分の間は、同じ職場で少なくとも2年」とした
政府の会議より、慎重な線を引いたわけです。
2024年12月──委員長に昇格
山下さんは委員長になります。事務方のトップです。
委員会の名前も「外国人労働者等」から「外国人材等に関する特別委員会」に変わりました。
2025年5月28日には、石破総理に提言を出しています。
タイトルは「国民と外国人が安全・安心に暮らせる共生社会に向けて」。
ここでも、税や社会保険料の未納防止、在留資格の悪用防止、不法就労対策が並びます。
2025年11月──高市政権で、外国人政策本部ができる
自民党に総裁直属の「外国人政策本部」ができました。本部長は新藤義孝さん。
その下に、3つのプロジェクトチームが置かれます。
山下さんはこの本部の副本部長で、同時に「出入国・在留管理等の適正化・外国人受入れに関するPT」の座長です。
2026年1月20日──PTの提言が公表される
中身を挙げていきます。
- 不法滞在者ゼロプランの強力な推進
- 在留カードとマイナンバーカードの原則一体化
- 在留資格「経営・管理」「技術・人文知識・国際業務」「留学」の審査を厳格化
- 電子渡航認証制度、JESTA(ジェスタ)を2028年度に導入
そして、私がいちばん引っかかったのが、この一行です。
「必要に応じた受入れの停止や、受入れ見込数の再設定等の不断の検討」
受け入れの停止、と書いてあるんです。
ここを、もう一度整理します
- 2018年、特定技能という受け入れ制度を創ったのが、山下貴司さん
- 2026年、その受け入れの停止も検討すると書いた提言をまとめたのも、山下貴司さん
同じ人物です。
そしてその人が、2026年9月17日、ふたたび法務大臣になった。
もちろん、これを「転向した」と見るのは早すぎます。
山下さんご自身は、PTの初会合でこう言っています。
「根幹は、出入国在留管理が適正かどうかだ」 「ルールを守って活躍する外国人のためのルールでもある」
制度を創った人だからこそ、その制度がどこで綻んでいるかがいちばん見えている。そう読むこともできます。
ただ、事実としてはっきりしているのは、これです。
受け入れ制度の設計図を書いた本人が、いま、その運用を締める側の責任者として、法務省に戻ってきた。
※参照:[自由民主党 外国人政策本部提言(2026年1月20日)] https://storage2.jimin.jp/pdf/news/policy/%E5%A4%96%E5%9B%BD%E4%BA%BA%E6%94%BF%E7%AD%96%E6%9C%AC%E9%83%A8%20%E6%8F%90%E8%A8%80.pdf

環境大臣・笹川博義とは何者か
もう一人います。今日の主役です。
環境大臣の、笹川博義さん。
「なぜ環境大臣の話をするんだ」と思われるかもしれません。環境省は、外国人政策を所管していませんから。
ただ、この方の経歴を見ると、そうも言っていられないんです。
率直に言えば、この方が厚生労働大臣になっていたら、外国人政策のトップとして、ばっちり専門が一致するポジションでした。なぜ環境大臣だったのか。環境大臣政務官を務めた経験があるからかもしれませんが、ここは私にもよく分かりません。
自民党の中で、何をしてきたか
笹川さんは群馬3区選出で、当選6回。今回が初入閣です。
私が確認できた、いちばん古い資料が2015年です。
このとき笹川さんは、自民党の「外国人労働者等特別委員会」で事務局長を務めています。山下さんが後に委員長を務める、あの委員会です。
※「2015年から連続して務めた」とは断定しません。2015年・2020年・2022年・2023年の各資料で在任が確認できる、という言い方にとどめます。
その後も、この委員会に関わり続けます。
- 2020年には、委員会の提言案を党内に説明する場に出ています
- 2023年5月には、特定技能2号の対象を11分野に広げることを承認した合同会議で、提言案の修正版を発表しています
つまり、実務のど真ん中にいた人です。
そして2023年からは、自民党の法務部会長。
ご本人の活動報告では、技能実習制度から育成就労制度への移行に中心的な役割を果たした、と説明されています。
そして、2025年11月
先ほど法務大臣の山下さんのところで出てきた、自民党の外国人政策本部。
笹川さんも、ここの副本部長です。
そして「外国人制度の適正化等に関するPT」の座長。
- 山下さんが、出入国と在留管理のPT座長
- 笹川さんが、制度の適正化のPT座長
この二人が、そろって今回の内閣に入ったわけです。

NAGOMiとの、継続的な関わり
もう一つ、笹川さんを見るうえで外せない団体があります。
NAGOMi。正式名称は、一般財団法人 外国人材共生支援全国協会です。
会長は、元自民党幹事長の武部勤さん。全国に支部があります。
このチャンネルでも度々触れてきましたが、自民党の幹部だった人物が、引退後にこぞって会長職や重要な役職に就いている団体です。政治家を辞めた自民党の幹部が、外側から外国人政策を牽引していく。ロビー団体のような性格を持っています。
笹川さんは、このNAGOMiと長く関わってきました。
- 2022年11月、グローバル人材共生推進議員連盟の総会で、事務局長として司会を務めています
- 同じ月に開かれたNAGOMiフォーラムin東京では、討論の司会
- 2023年8月には、NAGOMiの群馬県支部で「制度改正の課題と展望」と題して講演
- そして2026年6月にも、群馬県支部で自民党の新しい外国人政策について講演しています
※笹川氏はNAGOMiの現在の役員名簿には載っていません。「NAGOMiの役員」とは言いません。
本人の言葉を読む
NAGOMiのサイトに載っているインタビューで、笹川さんはこう述べています。
- 外国人を低賃金の労働力として扱う経営姿勢を改めるべきだ
- 日本が、働き先としても、生活の場としても、選ばれる国にならなければいけない
- 外国人政策を担当する行政の窓口を一元化すべきだ
ここだけ読めば、まっとうな主張です。
ですが、同じインタビューで、委員会で整理したいこととして挙げている三点が、私は気になりました。
- ① 短中期で日本の産業を支える外国人材はどうあるべきか
- ② 留学して就職する人材の永住権・国籍取得はどうあるべきか
- ③ 永住する方々の個々の問題をどうするべきか
一つ目。「短中期で」と言っている。長期的な視点が、ここには入っていません。
二つ目と三つ目。すでに、永住が前提になっている。
留学生の永住権・国籍取得をどう扱うか。永住する人たちの個別の問題をどうするか。そこまで視野に入れて、党の内部で検討されてきたということです。
なお、今回の内閣で法務大臣になった山下貴司さんも、同じNAGOMiの「政策インタビュー」に元法務大臣として登場しています。今回入閣した2人は、そろってこの団体と接点を持っている。
※参照:[NAGOMi 一般財団法人 外国人材共生支援全国協会] https://nagomi-asia.or.jp/interview/interview02/

JCIEから自民党へ──政策形成のネットワーク
以前の配信で取り上げた話を、もう一度出します。
日本国際交流センター、JCIEという団体があります。
ここに「外国人材の受入れに関する円卓会議」というプロジェクトがあります。
この円卓会議の事務局長を務めてきたのが、毛受敏浩(めんじゅ・としひろ)さん。JCIEの執行理事です。
『移民1000万人時代』という本を書かれている方ですね。
この本の主張は、こうです。
- 2040年代には、日本に住む外国人が1000万人規模に達する可能性が極めて高い
- 現在のペースが続けば、そうなる
- であれば、それを前提に日本の制度を整備する必要がある
「移民」という言葉を、はっきり使っているんです。
この円卓会議が検討しているのは、外国人が定住する日本社会をどう設計していくのか、です。日本語教育、子どもの教育、社会保障、地域社会との共生、人口が減少する地方をどう維持するか、地域経済をどう再生するか。
そして、この円卓会議のメンバーを調べていくと、笹川博義さんの名前が出てきます。
この論点は、日本の移民1000万人へ!? 欧州は「送還」、日本は外国人獲得へでも詳しく扱いました。

提言が、自民党と入管庁へ渡っている
2021年、この円卓会議は政策提言を発表しています。
タイトルは「アフターコロナ時代に向けての外国人受入れ政策のあり方」。副題が「『選ばれる国』への新提言」です。
そしてこの提言は――
- 自民党政務調査会の外国人労働者特別委員会へ提出されています
- その委員会の事務局長が、笹川さんでした
- さらに提言は、出入国在留管理庁の長官にも直接手渡されています
つまり、こういうことです。
提言をまとめる側の円卓会議に笹川さんがいて、その提言を受け取る側の自民党の委員会でも、笹川さんが事務局長だった。一人二役です。
念のため、はっきりさせておきます。
これは「JCIEが裏で日本政府を操っている」という話ではありません。
そんな証拠はありませんし、すべて公開された形で行われています。
民間の政策団体が研究して、提言をまとめて、政府と党に出す。その議論に参加していた政治家が、党の中でも同じテーマを扱っていた。それだけの話です。
ただ、その「それだけの話」が積み重なると、政策はこうやってできていくんだな、というのが見えてきます。

笹川家という一族
もう一点、笹川博義さんについて触れておきたいことがあります。
ご本人の政策とは直接関係ありません。ただ、この方がどういう場所に立っている人なのかを知るうえで、避けて通れない話です。
- 笹川博義さんのお父さんは、笹川堯(たかし)さん。衆議院議員を7期務め、科学技術政策担当大臣、そして自民党の総務会長も務めた方です
- 叔父にあたるのが、笹川陽平さん。日本財団の名誉会長です
- そしてこの二人のお父さん、つまり笹川博義さんのおじいさんが――笹川良一さんです
笹川陽平さんについて、一点補足します。
日本財団の会長を長く務め、2025年6月20日付で会長を退任し、名誉会長に就任しています。後任の会長は、理事長だった尾形武寿さんです。笹川平和財団の名誉会長でもあります。
※配信では「今年6月に退任」と申し上げましたが、正確には2025年6月です。ここは訂正しておきます。

笹川良一という人物──事実だけを並べる
笹川良一という人物について、事実だけ並べます。
- 1899年生まれ、1995年に亡くなっています
- 戦後、A級戦犯の容疑者として、巣鴨プリズンに約3年間、収監されました
- ただし、起訴はされていません。1948年12月24日に不起訴となって、釈放されています
- 同じ日に釈放されたのが、岸信介、そして児玉誉士夫です
- 釈放後、モーターボート競走法の成立を主導しました。競艇です
- そしてその収益を扱う日本船舶振興会、いまの日本財団の初代会長になります
- 1968年、統一教会の創始者である文鮮明が韓国でつくった国際勝共連合。この日本版が同じ年の4月に設立されますが、そのとき発起人に名を連ねたのが、笹川良一、岸信介、児玉誉士夫でした。笹川良一は、この国際勝共連合の名誉会長です
ここは、正確に区別しておきます。
「笹川良一が統一教会を日本に持ち込んだ」とは言いません。統一教会の日本布教は1950年代であり、良一氏は関与していません。彼が関わったのは、1968年の国際勝共連合という政治団体の設立です。この二つは別の話です。
また、笹川良一氏とCIAとの関係については、長く取り沙汰されてきました。ですが、私が今回確認した範囲では、公的に裏付けられた事実として示せる資料はありませんでした。ここは「そう言われている」以上のことは書きません。
ここも、線を引いておきます
おじいさんが何をしたかと、お孫さんの政策をどう評価するかは、別の問題です。
祖父の経歴を理由に、笹川博義さんを批判するつもりは、私にはありません。そういう話ではない。
ただ、事実としてこういうことです。
戦後日本の保守政治の、いちばん深いところに根を張ってきた家系がある。
その家の人物が、いま、自民党の外国人政策で制度の適正化を仕切るPTの座長を務め、そして内閣に入っている。
日本の外国人政策が、どういう人たちの手で組み立てられているのか。そこを見ておく価値はあると思います。

笹川平和財団が、防衛相に何を提言したか
そしてもう一つ、今月に起きたばかりの話があります。
笹川平和財団――笹川陽平さんが名誉会長を務める財団です。
2026年9月2日、この財団が、防衛力の人的基盤の強化に向けた提言を発表し、防衛省で小泉進次郎防衛大臣に手渡しました。
その中身が、これです。
人口減少などによる自衛隊の人手不足を解消するため、自衛隊への外国人の登用を検討すべきだ。
提言はこう指摘しています。
- 原則として日本国籍が国家公務員の条件とされていることで、自衛隊への外国人登用が「十分考慮されてこなかった」
- 調査したオーストラリアでは、ニュージーランドや米英などの国籍でも、永住許可などの条件を満たせば豪軍への入隊資格を認めている
- 自衛隊の募集において「(外国人登用の)可能性について真摯に検討すべきだ」
- 対象は戦闘行為など「公権力の行使や国家意思の形成」に当たらない業務とする
- 国籍を同盟国や同志国などに限ることや、アクセスできる秘密の程度も検討すべき
外国人材の受け入れは、ついに自衛隊にまで及ぼうとしている。
ただし、ここは結末まで書かなければフェアではありません。
2026年9月4日、小泉進次郎防衛大臣は閣議後の記者会見で、「自衛隊への外国人の登用は考えていない」と明確に否定しました。自衛官の応募資格は、引き続き日本国籍を持つ人に限定する意向を示しています。
提言は出された。しかし、政府は受け入れなかった。
そこまでが、今回の事実です。
※参照:[日本経済新聞] https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA0432K0U6A900C2000000/

日本財団から東京財団、そしてダボスへ
もう一本、線をたどっておきます。
日本財団が設立したシンクタンクに、東京財団があります。
その東京財団で理事長を務めたのが、竹中平蔵さんです。
竹中さんは小泉純一郎内閣で経済財政政策担当大臣を務め、その後も金融担当大臣、郵政民営化担当大臣、総務大臣を歴任しました。郵政民営化や規制緩和、いわゆる新自由主義の政策を、小泉政権とともに進めた人物です。
そして――
竹中平蔵さんは、2007年9月から、世界経済フォーラム(ダボス会議)の理事を務めています。
昨日お伝えした29歳の福岡市長候補の記事で、世界経済フォーラムが30年以上にわたって次世代リーダーを発掘してきた話をしました。
その世界経済フォーラムと、日本財団系のシンクタンクが、一人の人物でつながっている。
これは陰謀という話ではありません。公開されている経歴を並べただけです。
ですが、こうやって並べてみると、日本の政策形成に関わる人たちが、どういう回路でつながっているのかが見えてきます。
ここから先は、私の見立てです
ここから先は、はっきり「私の見立て」だと申し上げたうえで書きます。
戦後日本の保守政治の源流をたどると、いくつかの人脈が浮かび上がります。
笹川良一、児玉誉士夫、岸信介。この三人は、巣鴨プリズンから同じ日に釈放されました。
私は、この人脈の源流は戦前の大陸にあったと見ています。そこで築かれた資金と人的ネットワークが、戦後の保守政治の立ち上がりを支えた――これが、私が長く追ってきた見方です。
ただし、ここははっきりさせておきます。
いわゆる「M資金」と呼ばれるものについては、その存在を公的に裏付ける一次資料を、私は提示できません。戦後長く語られてきた話であり、詐欺の手口として使われてきた経緯もあります。
ですから私は、これを「事実」としてではなく、戦後日本の権力構造を読むための一つの見立てとしてお話ししています。読者の皆さんは、そこを区別して受け取ってください。
同じことは、他の点についても言えます。
- 笹川良一氏とCIAの関係――長く取り沙汰されてきましたが、公的な裏付けは確認できていません
- 英国に設立された大英笹川財団(The Great Britain Sasakawa Foundation)の議長が、ロバート・マクスウェル氏だったという話――財団が1985年5月に設立され、日本船舶振興会から約1,000万ポンドの寄付を受けて発足したことは、財団自身の資料で確認できます。しかしマクスウェル氏が議長を務めたという点は、財団の公式サイトや英国の登記情報では確認できませんでした
確認できたことと、確認できなかったこと。私はこれを混ぜません。
混ぜた瞬間に、その話はすべて信用を失うからです。

まとめ──政策は、こうやって組み立てられている
整理します。
今回の内閣改造で、自民党の外国人政策本部の副本部長2人が、そろって閣内に入りました。
- 山下貴司さん――2018年に特定技能を創り、入管庁を生んだ本人。そして2026年、受け入れの停止まで検討すると書いた提言をまとめた本人。いま法務大臣です
- 笹川博義さん――2015年から自民党の外国人政策の事務方を担い、NAGOMiとJCIEの双方に関わってきた人物。いま環境大臣です
そして、政策がどう作られてきたかも見えました。
民間の政策団体が研究し、提言をまとめ、自民党と入管庁へ渡す。その議論に参加していた政治家が、受け取る側の委員会でも事務局長を務めている。
これは違法でも何でもありません。すべて公開されています。
メディアは、今回の改造を「初入閣7人」「維新から初入閣」という見出しで報じます。
それは事実です。ですが、誰が、どの政策を、どれだけ長く担ってきたのか。そこは報じられません。
表層ではなく、構造を見てください。
そして最後に、もう一度申し上げます。
祖父が何をしたかで孫を裁くべきではありません。出自で人を評価するのは、私が最も嫌う態度です。
私が見たいのは、そこではない。
日本の外国人政策という、国のかたちを決める政策が、どういう回路で、どういう人たちの手で組み立てられているのか。その構造です。
そして、その構造を私たち有権者がほとんど知らないまま、政策だけが積み上がってきた。
真の独立とは、真の主権とは、何か。
それは、自分の国の政策が、どこで、誰の手で作られているのかを、国民が知っていることではないでしょうか。
ここまでお読みくださりありがとうございます。また次の記事でお目にかかりましょう。
今回の内容をさらに詳しく解説した動画は、私のYouTubeチャンネルで公開しています。ぜひご覧ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 山下貴司法務大臣は、外国人受け入れに賛成なのですか、反対なのですか?
どちらとも断定できません。事実としてはっきりしているのは、2018年に特定技能1号・2号を創設し、出入国在留管理庁を生んだ改正入管法のときの法務大臣が山下氏であり、同時に2026年1月20日の自民党提言で「必要に応じた受入れの停止」まで書き込んだPTの座長も山下氏だということです。ご本人はPT初会合で「根幹は、出入国在留管理が適正かどうかだ」「ルールを守って活躍する外国人のためのルールでもある」と述べています。制度を創った人だからこそ綻びが見えている、という読み方も可能です。
Q2. なぜ環境大臣の笹川博義氏を取り上げるのですか?環境省は外国人政策を所管していません。
そのとおりで、環境省は所管していません。取り上げる理由は、笹川氏が2015年以降、自民党の外国人労働者等特別委員会で事務局長を務め、2023年からは法務部会長、2025年11月からは外国人政策本部の副本部長と「外国人制度の適正化等に関するPT」座長を務めてきたからです。つまり所管官庁ではなく、党の側で外国人政策の実務を担ってきた人物です。なぜ環境大臣なのかについては、環境大臣政務官の経験があることが関係している可能性はありますが、確かなことは分かりません。
Q3. 笹川良一氏はA級戦犯だったのですか?
違います。「A級戦犯容疑者」です。戦後、巣鴨プリズンに約3年間収監されましたが、起訴されておらず、1948年12月24日に不起訴となって釈放されています。有罪判決は受けていません。同じ日に岸信介、児玉誉士夫も釈放されています。また「統一教会を日本に持ち込んだ」という表現も正確ではありません。統一教会の日本布教は1950年代で、良一氏は関与していません。彼が関わったのは、1968年の国際勝共連合(政治団体)の設立で、名誉会長を務めました。
Q4. 自衛隊への外国人登用は、決まったのですか?
決まっていません。2026年9月2日に笹川平和財団が小泉進次郎防衛大臣に提言を手渡し、自衛隊への外国人登用の検討を提案したのは事実です。対象は「公権力の行使や国家意思の形成」に当たらない業務とし、国籍を同盟国・同志国に限ることなども盛り込まれていました。しかし2026年9月4日、小泉防衛相は閣議後会見で「自衛隊への外国人の登用は考えていない」と明確に否定し、応募資格を日本国籍保持者に限定する意向を示しています。提言は出されたが、政府は受け入れなかった、というのが現時点の結論です。

