日本版CIA「国家情報局」は誰のために作られるのか──日本が米・イスラエルに”飲み込まれる”入れ子構造と、7月31日始動の暗雲

こんにちは。金子吉友です。

日本に、ついに「日本版CIA」が生まれようとしています。 政府は7月24日の閣議で関連法令の改正を決定し、7月31日に「国家情報局」を設置する方針を固めました。「スパイ防止法もない“スパイ天国”を、ようやく普通の国にする一歩だ」──そう聞けば、頼もしい話に思えるかもしれません。

しかし、私はここに、大きな暗雲を見ています。この国家情報局は、日本の主権を守るためではなく、むしろ日本の主権を差し出すための器になりかねないからです。

なぜなら、いまアメリカはイスラエルに飲み込まれつつあり、そのアメリカに日本が飲み込まれている。この「入れ子構造」の最下層に日本がいる限り、新しく作る情報機関もまた、その構造にそのまま組み込まれてしまう。今日は、7月31日に始動する国家情報局の正体と、その奥にある日本を蝕む構造を、じっくり読み解いていきます。

目次

7月31日始動「国家情報局」とは何か──内閣情報調査室を格上げした700人組織

国家情報局の組織図と情報集約構造

まず、これから生まれる「国家情報局」とは何なのか、事実関係を正確に押さえましょう。

組織の位置づけは、首相が議長を務める「国家情報会議」の事務局です。ゼロから作るわけではなく、現行の内閣情報調査室(内調)を、いわば“格上げ”する形で発足します。規模は、内調と同程度の約700人でスタートする予定です。

権限のポイントは、「情報の集約」にあります。これまで、警察庁・外務省・防衛省・公安調査庁などが持つ情報は、それぞれの省庁でバラバラに管理されてきました。国家情報局は、これらの情報を一手に集約し、総合的な調整・分析を行う権限を与えられます。位置づけとしては、国家安全保障局(NSS)と同格の組織とされています。

法律自体は、すでに2026年5月27日に参議院本会議で可決済みです。これは、高市政権が進める「インテリジェンス機能強化」の第1弾と位置づけられています。背景にあるのは、中国・ロシアなどへの脅威認識、偽情報・影響工作への対策、そして省庁縦割りによる情報共有の不足という問題意識です。

気になる「NSSと同格」という設計

ここで、一つ引っかかる点があります。すでに国家安全保障局(NSS)という司令塔があるのに、なぜ「同格」の組織をもう一つ増やすのか、という疑問です。

素直に読めば、首相官邸の直轄下に、情報を握る組織を置きたいという意図が透けて見えます。これ自体は、各国が持つ機能であり、直ちに問題とは言えません。問題は、その「中身」と「独立性」です。国会審議では、プライバシーや監視社会化への懸念、国会報告義務の弱さ、独立した監視機関の不在を指摘する声も出ています。器だけを急いで作り、それを誰が、何のために使うのかという肝心な部分が、置き去りにされている。これが私の最初の懸念です。

※参照:金子吉友『あつまれニュースの森』2026年7月23日配信「【スパイ天国・日本の未来】日本は米・イに飲み込まれる!! 国家情報局の始動と暗雲」

本丸は「対外情報庁」=日本版CIA──だが“独立”ではなく“組み込まれる”

対外情報庁=日本版CIAの構図

実は、国家情報局はあくまで第一弾にすぎません。高市政権が進めるインテリジェンス改革の“本丸”は、その先にあります。それが「対外情報庁」の創設です。

国家情報局が「司令塔・情報集約」の役割を担うのに対し、対外情報庁は、海外での人的情報収集(ヒューミント)を専門とする、独立した対外情報機関を想定しています。念頭に置かれているのは、アメリカのCIAやイギリスのMI6。つまり、正真正銘の「日本版CIA」です。

その目的は、戦後日本にずっと欠けていた本格的な対外情報収集機能を整備し、アメリカなどへの情報依存を減らして、自立的な戦略判断を可能にすることとされています。既存の枠組みとしては、外務省に置かれた国際テロ情報収集ユニット(CTUJ・2015年発足・約90人規模)を発展・拡充させる案が有力とされています。

「自立」を掲げながら、実態は逆になりかねない

理念だけを聞けば、これは日本の悲願とも言える改革です。戦後、日本は対外インテリジェンスの機能を、事実上持ってきませんでした。警察に外事部門はあり、外務省にも一定の機能はありますが、独立した対外諜報機関はなかったのです。

しかし、ここに巨大な落とし穴があります。この国家情報局と対外情報庁は、すでに「独立したもの」としてではなく、アメリカに“組み込まれた”状態で立ち上げられようとしている、というのが私の見立てです。

「アメリカへの情報依存を減らし、自立する」という看板とは裏腹に、現実の設計は逆方向を向いている。その根拠を、次の章で示していきます。日本に情報機関が置かれる本当の狙いは、他でもなく中国に対する牽制であり、中国を監視するための拠点として日本を活用したい、というアメリカ(そしてその奥のイスラエル)の思惑があるのです。

「スパイ防止法」もセットだが、骨抜きにされる

国家情報局や対外情報庁の創設は、スパイ防止法(スパイ活動を取り締まる法律)の制定とセットで語られます。国家情報戦略の策定に続き、スパイ防止関連法制への議論が本格化していく見通しです。“スパイ天国”を返上するうえで、本来なら不可欠の法律です。

ところが、ここにも影があります。アメリカから見れば、日本のスパイ防止法など「厄介でしかない」のです。考えてみてください。日本で最も活発に情報活動を行っているのは、中国やロシアだけではありません。同盟国であるはずのアメリカ、そしてイスラエルもまた、日本国内で情報を集めています。 本気のスパイ防止法は、その手足をも縛りかねない。だからこそ、日本のスパイ防止法は、成立しても骨抜きにされる可能性が高いと私は見ています。中国向けには機能し、米・イスラエル向けには機能しない──そんな“片肺”の法律になりはしないか。ここも、注意深く見ておくべき点です。

※参照:金子吉友『あつまれニュースの森』2026年7月23日配信

豪州大使アンドリュー・シアラーの着任が示すもの──CSISと「ファイブ・アイズ」

駐日豪州大使シアラーとCSIS・ファイブアイズの関係図

私が「日本の情報機関は、独立どころか“組み込まれる”」と見る、象徴的な出来事があります。それが、新しい駐日オーストラリア大使の人事です。

ロシアの通信社スプートニクが、興味深い投稿をしています。2025年にアルバニージー政権が指名し、現在駐日オーストラリア大使を務めるアンドリュー・シアラー氏。この人物の経歴が、尋常ではないのです。

  • オーストラリアの国家情報機関「国家情報庁」の元長官(2020年12月〜2025年末まで、直前まで長官)
  • 政府機関・外交・シンクタンクで約35年の実務経験を持つ、安全保障政策策定の中心人物
  • そして──2015年から18年にかけて、戦略国際問題研究所(CSIS)でアジア太平洋地域の安全保障問題担当の上級顧問を務めていた

CSISという「ジャパン・ハンドラーの巣窟」

この最後の経歴が、決定的に重要です。CSISのアジア太平洋・安全保障上級顧問というポジション。これは、あのマイケル・グリーン氏とまったく同じ役職なのです。

CSISは、日本の安全保障の言論をリードする、いわば「ジャパン・ハンドラー」たちの巣窟です。自民党の政治家たちは、このCSISの上級顧問やフェローを講師に招き、東アジア情勢やアメリカの外交政策の勉強会を開いてきました。日本の政治家がアメリカ側の“講義”を受ける構造です。

ちなみに、そのマイケル・グリーン氏のもとでインターンとして“修行”していたのが、小泉進次郎氏でした。留学組の若手政治家が集う「マイケル・グリーンの会」なるものがあり、小泉氏もその一人です。日本の政治家が、いかにこのワシントンの人脈網に組み込まれているかを示す、分かりやすい例だと言えるでしょう。

「ファイブ・アイズ」の元当事者が、なぜ今、日本にいるのか

さらに見逃せないのは、オーストラリアが「ファイブ・アイズ」の一角だという点です。ファイブ・アイズとは、アメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドによる機密情報共有ネットワークです。

そのファイブ・アイズ国家の元・国家情報長官が、いままさに駐日大使として日本にいる。しかも高市政権は、オーストラリアを「日本の準同盟国」と位置づけ、戦略的サイバー・パートナーシップの発表や防衛協力の制度化を進めています。

もちろん、スプートニクも慎重に書いています。「シアラー氏の着任を、日本の対外機関創設の“原動力”と呼ぶのは時期尚早だ」と。公的な確認があるわけではありません。しかし、より正確に言えばこうです。日本が対外諜報体制を再構築する中で、シアラー氏の経験が“求められる”可能性は、十分にある。 そして日本が、ファイブ・アイズに(下位のパートナーとして)組み込まれていく可能性すらあるのです。

※参照:スプートニク(駐日オーストラリア大使アンドリュー・シアラー氏に関する報道) ※参照:金子吉友『あつまれニュースの森』2026年7月23日配信

アメリカを飲み込むイスラエル・ロビー──NDAA「219条項」という恐怖

NDAA219条項と米イスラエル軍事統合の図解

では、その「日本を組み込もうとするアメリカ」は、いま一体どんな状態にあるのか。ここが、今日の話の核心です。結論から言えば、アメリカ自身が、イスラエルに飲み込まれつつあります。

その象徴が、アメリカの国防授権法(NDAA)に、こっそりと忍び込まされた「219条項」です。

この条項は、アメリカの軍事技術・サプライチェーンと、イスラエルの軍事技術を統合していくもの。つまり、米・イスラエルの軍事面での技術統合、サプライチェーンの統合を可能にする、極めて危険な内容です。少し前まで「224条項」と呼ばれていたもので、このチャンネルでも過去に詳しく取り上げてきました。

そして2026年、この219条項を含んだNDAAが、下院を216対212の僅差で可決しました。NDAAは毎年“必ず”成立する巨大法案です。微調整を重ねながら、最終的には成立する。その中に、アメリカの安全保障上の主権をイスラエルに明け渡す条項が、意図的に紛れ込まされているのです。

反対する議員が「2人しかいない」という異常

本当に恐ろしいのは、ここからです。この219条項に、正面から反対する議員が、ほとんどいない。

かつて反対の急先鋒だったトーマス・マッシー議員は、選挙で落選させられました。もう一人、ローナ議員がいる程度。先日はアレクサンドリア・オカシオ=コルテス議員が警鐘を鳴らしましたが、「アメリカの安全保障の主権がイスラエルに侵食される」と明確に発議している議員は、わずか2名程度という状況です。

この“異常な静けさ”こそが、いまアメリカがイスラエルに蝕まれている実態そのものなのです。なぜ、自国の主権を売り渡すような法案に、誰も反対しないのか。答えは単純です。イスラエル・ロビーが、アメリカの議員たちを買収しているからです。

イスラエル・ロビーの「制裁」システム

私はこの数か月、イスラエル・ロビーを徹底的にリサーチしてきました。そして、ここまでやるのか、と実態が見えてきました。はっきり言います。現在のアメリカの議員の9割以上は、イスラエル・ロビーの掌の上にあります。

もし逆らって、イスラエルに不都合な発言や投票をすれば、すべて記録され、データベースに入れられ、呼び出されて釈明を求められます。 納得されなければ「今後あなたを支援しない」と脅され、“反省”のためにイスラエルへの1週間程度の強制旅行に送られ、監視付きで研修を施される。そして「二度と同じことをしない」と誓わされる。従わない議員は、排除されます。

排除とは、具体的にはこうです。AIPAC(アメリカ・イスラエル公共問題委員会)などの政治献金を打ち切られ、さらに対抗馬に巨額の資金を注ぎ込まれる。 先のマッシー議員も、地元ケンタッキー州で対抗馬に何十億円もの資金を投じられ、落選させられました。これが、イスラエル・ロビーの仕組みです。

これに真っ向から立ち向かっているのが、DSA(アメリカ民主社会主義者)を母体とする議員たち──オカシオ=コルテス氏や、ニューヨークのゾーラン・マムダニ氏らです。彼らはAIPACから金を受け取らないことで、逆に勢力を拡大しつつあります。ただし、その実態は共産主義であり、親パレスチナ。つまりアメリカは、いまや「イスラエル・ファーストか、共産主義か」という究極の二択に追い込まれつつある、とも言えるのです。

※参照:金子吉友『あつまれニュースの森』2026年7月23日配信

そのアメリカは「どんな同盟国」なのか──イラン小学校爆撃と、サウジ核の二重基準

イラン小学校爆撃とサウジ核の二重基準

「アメリカに情報機関を組み込まれる」と言われても、ピンとこないかもしれません。では、いま日本が全面的に依存しようとしているアメリカが、どんな同盟国になってしまったのか。いくつかの事実を挙げます。

史上初のイラン“上陸”が、失敗に終わりつつある

まず、アメリカの軍事的な実力そのものに、陰りが見えています。元CIA分析官のラリー・ジョンソン氏が、マリオ・ナウファル氏との対談でこう証言しています。アメリカの海兵隊が、歴史上初めてイラン領土への上陸を試みた。しかし、それが失敗に終わろうとしているというのです。

夜間に敵地へ達した上陸部隊は、すぐにトラブルに直面しました。ジョンソン氏によれば、現地の抵抗は予想をはるかに超えて激しく、イランのトンネル網の排除はほぼ不可能で、作戦は予定から大きく遅れているといいます。「世界最強の軍隊」が、イラン一国の抵抗の前に立ち往生している──これが、日本が命運を託そうとしている同盟国の、軍事的な現実です。

フーシ派の海峡封鎖と、日本のエネルギー

さらに、中東の海の情勢も緊迫しています。イエメンのフーシ派が、紅海の出入り口であるバブ・エル・マンデブ海峡の封鎖を決定しました。標的は主にサウジアラビアで、サウジ産原油を運ぶ中国向けタンカー3隻とインド向け1隻が、すでに通行を中止して引き返しています。

これは対岸の火事ではありません。日本は、ホルムズ海峡とこのバブ・エル・マンデブ海峡を通る船で、原油や輸出入品をやり取りしています。 ここが封鎖されれば、日本経済もエネルギー面で厳しい状況に追い込まれていく。 世界の海の要衝が次々と不安定化する中で、日本の生命線もまた、他国の紛争に握られているのです。

170人の子どもを標的にした、イランの小学校爆撃

英スカイニュースが数か月かけて調査した結果、衝撃的な事実が明らかになりました。2月28日、米・イスラエル対イラン戦争の開戦日、イラン南部の小学校が直撃されました。

アラビア海の艦艇から発射された3発のトマホーク・ミサイル。証拠が示すのは、ペンタゴンが1987年以来この場所を衛星で追跡し、発射前、中庭で子どもたちの影を数えられる状態だったにもかかわらず、攻撃を実施したということです。しかも、2発目は教師が生徒を避難させた“正確な場所”を直撃し、3発目が同じ場所に続いた。 確実に皆殺しにするための攻撃でした。死者は156〜170人、そのほとんどが7歳から12歳の少女だったといいます。

さらにおぞましいのは、この惨事が“防げたはずだった”という点です。ピート・ヘグセス国防長官は、戦争開始の数か月前に民間人保護の専門センターの人員を約90%削減し、民間人犠牲評価チームを10人から1人に減らしていました。警告システムが、意図的に解体されていたのです。処罰を問われたトランプ大統領は、「奇妙な質問だ。ミスは起こるし、戦争は残酷だ」と述べました。これが、いまの同盟国アメリカの姿です。

※参照:スカイニュース(イラン南部・小学校爆撃に関する調査報道・2026年)

イランにはゼロ濃縮、サウジには核の入り口

もう一つが、トランプ大統領がサウジアラビアと承認した、30年間の核協定です。ウェスチングハウスなどの米企業が原子炉を建設し、ロシアと中国を締め出す。全体の価値は数百億ドル(数兆円規模)に上ります。しかも、ウラン濃縮施設をIAEAの査察を通さない「ブラックボックス方式」で運営する特例まで検討されています。

一方でアメリカは、イランには「ゼロ濃縮」を要求しています。イランには核を一切許さず、サウジには核保有の“入り口”を手助けする。 この露骨な二重基準こそ、アメリカの中東政策がもはや原則ではなく、その場の派閥争いで動いていることの証拠です。こうした構図は、先日解説したイギリス新政権が“シオニスト政権”だった話とも、根は同じところでつながっています。

日本も資源と土地を狙われる──骨太方針2026とイスラエル半導体6000億円

骨太方針2026とイスラエル半導体投資の図解

さて、話を日本に戻します。「イスラエルに飲み込まれたアメリカ」に、日本が飲み込まれている。 この構造は、情報機関だけの話ではありません。日本の土地と資源そのものが、静かに狙われています。

骨太方針2026の「外国人政策の推進」

高市政権が閣議決定した「骨太方針2026」には、「外国人政策の推進」という項目があります。不法滞在対策の強化など評価できる部分もありますが、その本質は、移民の抑制ではなく“奨励”です。岸田政権が作った育成就労制度の人数を、高市政権はさらに拡大しました。新たに123万人の移民受け入れが打ち出されており、家族の呼び寄せを含めれば、その倍以上にふくらむ可能性があります。

イスラエルの半導体メーカーに、日本政府が1600億円

そして、最も象徴的なのがこれです。イスラエルの半導体メーカーが、新潟県妙高市の工場などに約6000億円の投資計画を持っており、日本政府はこれに最大1600億円を助成するというのです。

このメーカーはタワーセミコンダクター。旧パナソニックが出資し京都で合弁展開してきた企業ですが、本体はイスラエルにあります。 「CEOはモルモン教徒のアメリカ人で、イスラエルとは関係が薄い」という見方もありますが、私はそうは見ません。 家族とともにイスラエルに住み、長年その企業のトップを務めている人物を、「政治と無関係」と切り離すのは、あまりに浅い見方です。

なぜ日本が、わざわざイスラエル企業に1600億円もの税金を投じて誘致するのか。いま日本は人件費が下がり、広大で安い土地がある。北海道の涼しく湿度の低い土地はデータセンターに、使われなくなった自動車工場はすぐに兵器を作れるラインに転用できます。先日は米ドローン兵器企業アンドリルが、日産の追浜工場買収で話題になりました。外国の兵器会社・半導体メーカーが、日本の土地を次々と取得していく。 半導体工場は水源の水質を悪化させ、健康被害の懸念もある。しかし骨太方針を見る限り、こうした土地取得への規制は、ほとんど検討されていないのです。日本は、また資源を狙われているのです。

※参照:金子吉友『あつまれニュースの森』2026年7月23日配信

まとめ──入れ子構造の最下層に置かれる日本、真の主権とは何か

イスラエル・アメリカ・日本の入れ子構造

ここまで、7月31日に始動する国家情報局と、その奥にある構造を見てきました。

もちろん、公平を期して申し上げます。国家情報局や対外情報庁の創設それ自体は、戦後日本の悲願であり、本来は歓迎すべき改革です。“スパイ天国”と揶揄されてきた日本が、まともなインテリジェンス機能を持つこと自体は、間違っていません。シアラー大使の着任も、現時点で「日本の情報機関のために送り込まれた」と断定できる証拠はありません。

しかし、それでも残る、動かしがたい構造があります。

イスラエルがアメリカを飲み込み、そのアメリカに日本が飲み込まれている。 この「入れ子構造」の最下層に、日本はいます。NDAA219条項で軍事技術の主権を明け渡すアメリカ。議員の9割以上がイスラエル・ロビーの掌にあるアメリカ。子どもを標的にしても「戦争は残酷だ」と言い放つアメリカ。その同盟国に“情報機関ごと”組み込まれる形で、日本の国家情報局は作られようとしているのです。

表層ではなく、構造を見てください。

メディアは、国家情報局を「中国・ロシアに対抗する頼もしい一手」として描くでしょう。それは、半分は本当です。しかしその奥では、日本の諜報の主権が、生まれる前から剥奪されている。 中国を監視するための“アメリカの拠点”として、日本の情報機関が使われる。土地も、資源も、半導体も、税金までもが、外から狙われ、あるいは差し出されていく。器だけが立派に整えられ、中身は他国の意思で動く──これが、私が「暗雲」と呼ぶものの正体です。

そして、これは他の誰でもない、私たち自身の問題です。 情報機関を持つこと自体が悪いのではありません。問題は、それを“誰の主権のもとで”持つのかです。真の独立とは何か。真の主権とは何か。私たちは、「日本版CIAができる」という表面の勇ましさに酔うのではなく、その器が、いったい誰のために作られるのかを、静かに、しかし厳しく見つめ続けなければなりません。

ここまでお読みくださりありがとうございます。また次の記事でお目にかかりましょう。

関連記事

今回の内容をさらに詳しく解説した動画は、私のYouTubeチャンネルで公開しています。ぜひご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 国家情報局とは何ですか?いつ始動しますか? 首相が議長を務める「国家情報会議」の事務局として、2026年7月31日に設置される情報機関です。現行の内閣情報調査室を格上げし、約700人規模でスタートします。警察庁・外務省・防衛省・公安調査庁などが持つ情報を集約・分析する権限を持ち、高市政権のインテリジェンス強化の第一弾と位置づけられています。

Q2. 「対外情報庁」とは何ですか? 海外での人的情報収集(ヒューミント)を専門とする、独立した対外情報機関の構想で、アメリカのCIAやイギリスのMI6を念頭に置いた「日本版CIA」です。外務省の国際テロ情報収集ユニット(CTUJ)を発展させる案が有力とされ、国家情報局に続く改革の本丸と位置づけられています。

Q3. NDAAの「219条項」はなぜ問題なのですか? アメリカの軍事技術・サプライチェーンをイスラエルの軍事技術と統合する条項で、以前は「224条項」と呼ばれていました。アメリカの安全保障上の主権をイスラエルに明け渡しかねない内容ですが、正面から反対する議員はわずか2名程度で、イスラエル・ロビーによる議員の掌握を象徴していると金子は指摘します。

Q4. なぜ日本の情報機関の“独立性”が懸念されるのですか? 「アメリカへの情報依存を減らし自立する」という看板とは裏腹に、実態はファイブ・アイズ国家の元情報長官が駐日大使として着任するなど、アメリカ側に組み込まれた形で立ち上げられようとしているためです。中国監視のための“アメリカの拠点”として使われ、諜報の主権が生まれる前から制約される懸念があると金子は分析しています。

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この記事を書いた人

反DS歴史研究者、調査ジャーナリスト。YouTube『あつまれニュースの森』(登録者10万人)にて反グローバリズムの視点で世界情勢・国内政治を解説。

本業だったコンサルタントから徐々に歴史研究にシフトしていく。日々リサーチする中、メディアや歴史が嘘だらけであり、この世界が一部の権力機構によって支配されてきたことに強烈な違和感と憤りを覚えるようになる。

グローバリズムの根源と実態を徹底的に研究。その歴史を旧約聖書まで遡り、現在のいわゆるディープステートのルーツがハザール系とアングロサクソン系の2系統にあることを突き止める。

2021年、YouTubeを開始し、グローバリストのルーツを徹底解剖するオンラインサービス『金子ゼミ』を立ち上げる。

グローバリストにより”修正”された歴史を”修復”する「歴史復元主義」を根本理念とする。

情報発信者としての信条は「左も右もない反グローバリズム・国益第一主義」「不偏不党」。

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