こんにちは。金子吉友です。
7年前、敵同士だった二人が、同じテーブルに座りました。
タッカー・カールソン氏の番組に、ハンター・バイデン氏が出演したのです。2019年のラップトップ事件当時、カールソン氏はFOXニュースの人気キャスターとしてこの問題を追及する側にいました。追及していた側と、追及されていた側です。
そして、その対談の中で、カールソン氏がこう言いました。
「ラップトップの中身自体は、最初から本物だと思っていた。しかし、それがアメリカのメディアに流れ込んできた経路は、本物ではなかった。ネタニヤフに近いイスラエル側の人間が、FOXの私のところにこのネタを売り込みに来たのだ」
これは、衝撃的な発言です。
今日は、この対談で何が語られたのかを丁寧に追いながら、「データの中身」と「その経路」を分けて考えることが、なぜこれほど重要なのかをお話しします。
そして記事の最後では、自衛隊のAI導入という、日本の防衛主権に直結する話題を取り上げます。あわせて、昨日の配信で私が話した内容のうち、事実関係を調べ直して補正すべき点が2つ見つかりましたので、それも正直にお伝えします。
コロンビアの大地震と、その直後に出された「ゴラン高原承認」

本編に入る前に、どうしても触れておきたいニュースがあります。
2026年8月10日、コロンビアでマグニチュード7.4の大地震が発生しました。
- 震源はサン・ホセ・デル・パルマール。ボゴタの西およそ240キロの、開発の遅れた地域です
- カリ、ペレイラ、キブド、マニサレスといった西部の都市が広範囲に被災
- 隣国のエクアドル、パナマでも揺れを感じた
- 死者は少なくとも111人、その後132人に。負傷者は570人。行方不明者も多数
- 1,600棟以上の建物が損壊。カリの病院では、小児科と新生児科の入っていた区画が倒壊しました
- コロンビア地質局によれば、今世紀に同国を襲った最も強い地震です
昨夜、Xで映像を確認していましたが、非常に生々しいものでした。 建物にひびが入り、倒壊寸前まで崩れていく様子。避難する方々が必死に逃げてくる姿。病院の建物が瞬時に崩れ落ちる映像もありました。
亡くなられた方々に、心よりお悔やみを申し上げます。
そして、気になることがあります。
先日はベネズエラでも、同規模の大きな地震がありました。 南米は地震が多い地域とはいえ、マグニチュード7.4級が立て続けに2回です。
ベネズエラの地震のときには、人工地震ではないかという疑惑が流れました。この件について、私は追っていません。ですから、そう言われている、という以上のことは申し上げません。おそらく今回も同様の疑惑が出てくるだろうとは思いますが、根拠を確認できていないものを、私の口から断定的に語ることはしません。
地震の直後に出された声明
ただ、一点だけ、指摘しておきたいことがあります。
昨日の記事でお伝えした通り、コロンビアでは数日前に新大統領アベラルド・デ・ラ・エスプリエージャ氏が就任したばかりです(詳しくは前回の記事をご覧ください)。エルサレムへの大使館開設、モロッコの西サハラ領有権の承認と、就任早々に親イスラエルの姿勢を次々と打ち出してきた人物です。
そして今回、この地震が発生した直後に、コロンビア政府は「イスラエルによるゴラン高原の主権を承認する」という声明を出しました。
自国で100人以上が亡くなり、病院が倒壊している、まさにそのタイミングでです。
当然ながら、大きな批判を浴びています。
優先順位が、明らかにおかしい。
コロンビアは、完全にシオニスト国家になったということです。 そして南米は、ブラジルを除いて、西海岸側はほとんどがシオニスト国家になってしまったという状況です。
※参照:Al Jazeera
https://www.aljazeera.com/news/2026/8/10/7-4-magnitude-earthquake-hits-colombia-killing-at-least-20
※参照:CNN
https://www.cnn.com/2026/08/10/world/live-news/colombia-earthquake-san-jose-del-palmar
ラップトップ事件とは何だったのか──7年後に本人が語ったこと

さて、本編です。
2019年に何が起きたとされてきたか
まず、これまで公式に語られてきた物語を整理します。
- 2019年、ハンター・バイデン氏のノートパソコンが、デラウェア州の修理店に預けられた。ハンター氏本人によって預けられたと報じられた
- その中身には、大量のメール、写真、動画が入っていた
- そこには、当時副大統領だったジョー・バイデン氏が直接関与したとされる海外ビジネスの記録、そして薬物使用の証拠などが含まれているとされた
- 2020年10月、ニューヨーク・ポストがこれを報じた。※ニューヨーク・タイムズではありません。ポストです。共和党寄りのメディアです
- 大統領選挙の直前だったこともあり、大きな論争になった
そして当時、何が起きたか。
元情報機関の高官51人が「これはロシアのディスインフォメーション(偽情報工作)の典型だ」という趣旨の声明を出し、大手メディアはほとんど無視、あるいは否定しました。
大手メディアは基本的にバイデン候補を応援していましたから、都合の悪い話は「デマだ」「ロシア側のプロパガンダだ」で片付けたわけです。
ですが、その後どうなったか。
FBIがこれを本物であると認め、裁判でも証拠として採用されました。 内容自体は本物であった、というのが現在の主流の認識です。
つまり、大統領選挙のときは、塞がれていたのです。
ハンター・バイデン氏の否定──「預けた記憶は文字通りゼロ」
ここからが、今回の対談の中身です。
カールソン氏が直接切り込みます。「デラウェア州の修理店に、あなたはラップトップを預けたのか」
ハンター氏の答えは、明確でした。
「ノーだ。ジョン・ポール・マクアイザックのあの店に、自分がラップトップを預けた記憶は、文字通りゼロだ」
- 店主も、自分を見た記憶がないと言っている
- 監視カメラの映像すら存在しない
- あれはありえない話だ
第一声から、全否定です。
「クラウドをハッキングされたのだ」
そして、さらに続けます。
「最終的に『私のパソコン』と呼ばれたデータの量は、1台のパソコンから出るものとしては大きすぎる」
「あれは私のクラウドをハックしたものだ。誰かが私のデジタルクラウドに侵入し、中身をダウンロードし、それを『ノートパソコン』として仕上げたのだ」
これは、私も初耳でした。
1台のパソコンではなく、クラウドから抜かれたデータが、後から「1台のラップトップ」という形にまとめられた──そういう主張です。
では、誰がやったのか。
ハンター氏は「確証はない」と前置きしたうえで、複数の可能性を挙げています。
- ① イスラエル(ネタニヤフに近い筋)
- ② ロシア(GRU=ロシア軍参謀本部情報総局)
- ③ 「地下室の子供でも可能だ」
一番目に出てきたのが、イスラエルなのです。
もっとも、本人にも分かっていない、というのが結論です。
タッカー・カールソンの衝撃発言──「ネタニヤフに近い人間が売り込みに来た」

そして、ここでカールソン氏が、自身のFOXニュース時代の経験として、衝撃的な発言をします。
「中身は本物。だが、経路は本物ではなかった」
「このノートパソコンの中身自体は、最初から本物だと思っていた。しかし、それがアメリカのメディアに流れ込んできた経路は、本物ではなかったと思う」
「それは、ネタニヤフに近いイスラエル側の人間が、FOXの私のところに、このネタを売り込みに来たのだ」
さらに、こう続けます。
「当時かなり話題になった『ハンター・バイデンの未成年者への虐待画像がある』という主張も、彼らイスラエル側から来たものだ」
カールソン氏は、こういうことをさらっと言ってしまうのです。
自分の身に危険が及ぶかもしれないことを、平然と口にする。 勇気があるとも言えますが、麻痺しているのではないかとも思います。ここまで言って大丈夫なのだろうか、というところまで言ってしまう。 最近の彼は、特にそうです。
ハンター氏の反発
この未成年者画像の主張について、ハンター氏は「完全な嘘」だと否定しています。
「今でも私をペドファイル(小児性愛者)と呼ぶ人間がいるのは、この虚偽報道のせいに他ならない」
強く反発しています。
2018年から探していた人たち
そして、もう一つ重要な点をハンター氏が指摘しています。
「ルディ・ジュリアーニ側は、2018年の時点ですでに、ウクライナ方面でハードドライブを探していた」
ルディ・ジュリアーニ氏は、ニューヨーク市長を辞めた後、トランプ大統領の顧問弁護士になった人物です。もともと弁護士ですね。
つまり、トランプ側の弁護士が、2018年の時点でハンター氏のパソコンのデータを探していた、ということです。
この点については、レブ・パルナス氏という人物の証言が残っています。
事実関係を整理しておきます。
- パルナス氏はウクライナ系アメリカ人の実業家で、2018年から2019年にかけてジュリアーニ氏と密接に動き、バイデン親子に関する不利な情報を探す役割を担っていた
- パルナス氏によれば、2019年2月、ウクライナの元内務大臣ユーリー・ルツェンコ氏から「ハンター・バイデンに関する不利な情報の入ったハードドライブが存在する。それを我々に届けると約束する」と聞かされた
- パルナス氏は下院監視委員会で証言している
修理店に預けられたとされる時期より前から、彼らは「ハードドライブ」を探していた。
ですから、「ハンター・バイデンが修理店にパソコンを預けて、そのまま忘れていった」という公式の物語には、疑問符がつく。 複数の情報源から集められたデータが、後から1台のノートパソコンとしてまとめられたものではないのか──二人の話からは、そういう像が浮かび上がってきます。
ただし、公平を期して申し上げておきます。
パルナス氏は現在、立場を大きく変えています。 彼は下院監視委員会で、「ウクライナにおけるバイデン親子の汚職の証拠は、精確にゼロだった」と証言し、バイデン親子への疑惑は「クレムリンが広めたもの」だとまで述べています。 民主党側の証人として出廷した経緯もあります。
ですから、彼の証言をどう評価するかは、慎重であるべきです。 「2018年から探していた」という事実関係の部分と、彼の現在の政治的立場は、分けて考える必要があります。
動機は、誰にあったのか
さて、ここで問うべきは、いつもの問いです。
誰が得をするのか。
イスラエルがこれをやる動機は、あったのか。
当然、あります。
イスラエル側は、バイデンではなくトランプ大統領を誕生させたかった。
ですから、トランプ氏の対抗馬であるバイデン候補の息子を貶めることで、大統領選に影響を与える。 バイデン候補にダメージを与える。その目的があったとすれば、辻褄は合います。
動機も、メリットも、あったということです。
荒唐無稽な話とは言い難い。すぐには否定できません。
ただし、ここは厳密に分けます。
「ネタニヤフの側近筋がネタを売り込みに来た」とカールソン氏が語った、という事実は、動かせません。 彼が自分の体験として公の場で述べたのですから。
しかし、その内容が本当かどうかは、まだ分かりません。 カールソン氏が嘘を言っている可能性も、論理的には残ります。
そこまで含めて申し上げておきます。
※参照:The New Republic
https://newrepublic.com/post/181026/giuliani-parnas-trump-hunter-biden-laptop-earlier
データは本物である──だから問題は「中身」ではなく「経路」

ここで、事実関係を確認しておきましょう。
FBIが押収し、裁判で採用された
- FBIは実際に物理的なノートパソコン(MacBook Pro)を押収し、裁判で証拠として提出している
- 複数の分析で、改ざんの痕跡は見つかっていない。データは本物であるという結論が出ている
- ハンター氏自身も、メールや写真の多くが本物であることを認めている
つまり、「中身は本物」なのです。
今回の対談で着目すべきは、データの中身の真偽ではありません。
それがどういう経緯で「1台のラップトップ物語」になったのか。そこが問題なのです。
カールソン氏の言葉を、もう一度。
「ラップトップは本物だ。だが、それがアメリカの血液に流れ込んだ方法は、本物ではなかった」
中身は真実。しかし、それが誰の手で、どういう意図で世に出されたのかは、闇に包まれたままである。
51人の元高官と「ロシアのデマ」
そして、ここに二重の問題があります。
当時、これは「ロシア側が捏造したプロパガンダの嘘だ」として片付けられました。
ロシアゲート事件も、同じ構造でした。 結局、ロシア側は関与していなかったということが明らかになったでしょう。
都合の悪い話は、「ロシアがでっち上げたプロパガンダだ」という言葉で片付けられてきた。
これは、メディアの罪である
もし、あのとき事実だときちんと確認され、メディアが「これは本当のことである」と報道していたら、どうなっていたか。
大統領選挙にも、影響が出たでしょう。 バイデン氏が負けていた可能性もあるということです。
これは、メディアの罪です。
メディアは責任を取って、謝罪と訂正をしなければならない話でしょう。
そして、我々が考えるべきはここです。
イスラエル側が仕掛けたことが事実だとしても、データの内容そのものは真実だった。その真実が、「ロシアのデマ」という一言で覆い隠されてしまった。
そうやって、大統領選挙も操作されてきたということになるわけです。
我々がメディアを通じて得ている情報など、そんなものなのだという話なのです。
ネタニヤフ批判で一致した二人──「批判」と「反ユダヤ主義」を分ける

この対談には、もう一つ興味深い場面がありました。
ラップトップとは別の話題になったとき、ハンター氏がネタニヤフ首相を批判し始めたのです。
「もし、ビビ・ネタニヤフは悪の化身だと指摘することが反ユダヤ主義だと言うならば、もう何も言えない」
※「ビビ」はベンヤミン・ネタニヤフ首相の愛称です。
そして、ここが重要なのですが──ハンター・バイデン氏には、ユダヤ人の妻と息子がいます。
その立場から、彼はこう考えている。
ネタニヤフのやり方が、世界中のユダヤ人を危険にさらしている。
実際、そうなっています。 ネタニヤフ政権によって、世界中に反ユダヤ主義が広がってきているのは確かなことです。
彼はこれまで、イスラエルによるガザでの軍事作戦や人質問題への対応を「怪物的だ」と批判してきました。 そして、ネタニヤフ首相が人質の解放よりも自分の政治的利益を優先しているという認識を持っています。
政治的利益とは何か。 ネタニヤフ首相には汚職裁判があります。 その裁判を引き延ばすため、法廷を先送りするために戦争を継続するという、私的な理由もあるわけです。
分けて考える、ということ
そしてハンター氏は、反ユダヤ主義のレッテルを貼られることを恐れずに、はっきりと言っています。
ネタニヤフそのものを批判することと、ユダヤ人全体を批判することは、明確に違う。
これは、極めて重要な指摘です。
イスラエルを批判したり、ネタニヤフを批判したりすると、必ずと言っていいほど「反ユダヤ主義だ」というラベルが貼られてしまう。
そんなことをされたら、誰もネタニヤフを批判できなくなるでしょう。
ユダヤ人の妻と子を持つ人物が言っているのですから、重みがあります。 彼の言っていることには、かなり納得ができる。
そしてカールソン氏も、イスラエルに対しては非常に批判的です。
7年前に敵対していた二人が、この一点では完全に意見が一致してしまった。
そういう場面が見受けられた、非常に興味深い対談でした。
まとめ──自衛隊AIとパランティア、日本に防衛主権はあるのか

最後に、日本の話をします。
昨日から今日にかけて、私が気になったニュースがあります。
政府が、自衛隊の指揮統制に国産AIを導入する検討に入ったというものです。
何が検討されているのか
報道されている内容を整理します。
- 政府は自衛隊の部隊の指揮統制に、米国製のAIシステムを導入する検討に入った
- 特定企業への依存を避けるため、複数社のシステムを併用する見込み
- 導入候補として名前が挙がっているのは、米パランティアの「Maven Smart System(MSS)」、およびアンドゥリルの「Lattice」
- 防衛省・防衛装備庁は2026年3月、国内AIスタートアップの「サカナAI(Sakana AI)」と委託研究契約を締結し、指揮統制の高度化に向けた国産基盤技術の開発に着手している
- 米国製を基盤インフラとして導入し、そこに国産の特化型AIモデルを統合していくハイブリッド型が現実的な設計として検討されている
- 中国製は排除の方針
先日、自衛隊は米軍との共同訓練において、パランティア社のAIを実際に使用しました。
つまり、自衛隊のAIとしてパランティア社のものが使われることは、ほぼ確定であると見ていい。
そこに「国産AI」を組み合わせる、という話です。
【補正①】サカナAIの経営陣について
昨日の配信で、私はサカナAIについて「経営陣が非日本人だ」という趣旨のことを申し上げ、詳しい方はコメント欄で優しく訂正してほしいとお願いしました。
調べ直しましたので、正確なところをお伝えします。
サカナAIは2023年設立の東京拠点のAI企業で、創業者は3名です。
- デビッド・ハ氏(CEO)──トロント大学卒。日本のゴールドマン・サックスに8年間在籍しマネージング・ディレクターまで務めた後、2016年にGoogle Brainへ。非日本人
- リオン・ジョーンズ氏(CTO)──ウェールズ出身。生成AIブームの起点となった論文「Attention Is All You Need」の原著者8名のうちの1人。非日本人
- 伊藤錬氏(会長)──東京大学法学部卒、NYUロースクール修了、スタンフォード大修士。日本の外交官を15年間務めた後、メルカリで海外事業を担当した日本人です
ですから「経営陣が非日本人」という私の言い方は、正確ではありませんでした。会長の伊藤錬氏は日本人であり、しかも元外交官です。ここは訂正させてください。
そのうえで、私の問題意識自体は変わりません。
サカナAIの看板技術は「進化的モデルマージ」と呼ばれるもので、これは既存の公開モデルを組み合わせて新しいモデルを作る手法です。 つまり、土台の部分は必ずしもゼロから国内で作られたものではない。 「国産AI」という言葉が、どこまでの意味で使われているのか。ここは精査されるべきだと、私は考えています。
同社が優れた研究をしていることは間違いありません。 トランスフォーマー論文の原著者がCTOを務めているのですから、技術力は本物でしょう。問題にしているのは会社の実力ではなく、「国産」というラベルの使われ方です。
本当の問題は、パランティアが前提になっていること
そして、もっと大きな問題があります。
そもそも、パランティア社のAIが前提になっている、ということです。
自衛隊の運用の中で、要になるのはパランティアのAIです。
パランティアがなぜ危険なのかは、このチャンネルで何度もお話ししてきましたので、今日は割愛します。 ですが、一点だけ。
戦争を進めるうえで、パランティアのAIが使われないことはありません。
アメリカにしても、イスラエルにしても、ウクライナにしても。戦争において、パランティアのAIが使われないことがない。
そして──パランティア社のAIを導入すれば、全てのデータが抜かれます。
【補正②】ヨーロッパ各国の対応について
昨日の配信で、私は「スイスは導入せず、ドイツは一度導入したが危険だとして排除した、フランスも同様」とお話ししました。
これも調べ直しましたので、正確なところをお伝えします。
- スイス──リスク評価の結果、危険が大きすぎるとして拒否。少なくとも9回、パランティアの入札を退けています。データ主権、米国政府による情報アクセスの可能性、外国の技術への依存の発生などが懸念点として挙げられました。私が申し上げた通りです
- フランス──2026年6月16日、セバスチャン・ルコルニュ国防相が「戦略的依存」を理由にパランティアの採用を取りやめると表明。「真の戦略的自律」を築きたい、と述べています。これも私が申し上げた通りです
- ドイツ──これは私の認識が間違っていました。ドイツは排除していません。むしろ、ノルトライン=ヴェストファーレン州、ヘッセン州、バイエルン州などの州警察でパランティアのソフトウェアの導入を進めており、全国的な採用まで検討されています
ただし、ドイツ国内で強い政治的反発が起きているのは事実です。 社会民主党(SPD)や緑の党から鋭い批判が出ており、緑の党の副党首は内務大臣を「極めて論争的な米国企業のロビイスト」と呼んでいます。
そして、オランダもパランティアの技術から離れる方向に動いています。
「ヨーロッパが一斉に排除している」というのは言い過ぎでした。正確には、「複数の国が拒否・撤退を決め、導入した国では激しい政治的対立が起きている」というのが実態です。
訂正してお詫びします。
ただし、この補正によって、論点が消えるわけではありません。 むしろ、はっきりします。
スイスは9回断り、フランスは「戦略的依存」を理由に撤退し、ドイツでは与党の一角が「ロビイスト」という言葉を使って公然と反対している。 オランダも離脱に動いている。
これだけの国で、これだけの議論が起きているのです。
そして日本では、この議論そのものが、ほとんど起きていない。
問題はそこです。 導入するかしないかの前に、「戦略的依存とは何か」という議論が、そもそも始まっていないのです。
セクション224と、日本の防衛主権
このチャンネルで何度も問題提起してきたのが、アメリカの軍事技術やサプライチェーンがイスラエルと統合されるという法案の条項です。
セクション224──現在はセクション219となっていますが、国防授権法という巨大法案の中に、この条項が忍び込まされています。
- 下院は成立済み
- 上院は一度否決された。ただし、これは巨大法案パッケージであるため、別の理由で弾かれたものです
- 「パランティアが危険だから」「イスラエルとの統合が危険だから」という理由で否決されたわけではありません
ですから、これは遅かれ早かれ承認されるでしょう。
構造を整理します。
アメリカは、イスラエルによって軍事技術のサプライチェーンが統合されていく流れにある。そして、そのアメリカに、日本は防衛主権をコントロールされている。
日米地位協定があり、日米合同委員会がある。これらがある限り、日本に主権などありません。
自衛隊は、事実上、米軍の統合指揮下にあるわけです。
そこにさらに、外国製のAIが入ってくる。
「中国製は排除します。国産AIだから大丈夫です。ただしパランティアは使います」
そういう話になるわけです。
中国製を排除したことで、なんとなく「主権を守った」ような形になる。 ですが、基盤に入っているものが変わらなければ、データが抜けていく構造は同じです。
表層ではなく、構造を見てください
今日お話ししてきたことを、並べてみます。
ハンター・バイデンのラップトップ。その情報源。「ロシアのデマ」というレッテル。ネタニヤフ批判と反ユダヤ主義のラベル。そして自衛隊のAI。
バラバラに見えるでしょう。ですが、共通しているものがあります。
すべて、「中身」ではなく「経路」の話なのです。
ラップトップのデータは本物でした。しかし、それが誰の手で、どういう意図で世に出されたのか──そこが伏せられていた。
「国産AI」という言葉も同じです。ラベルは正しく見える。しかし、基盤に何が入っているのか。データがどこへ流れるのか。そこが問われていない。
私たちは、差し出されたものの「中身」ばかりを見て、それが「どこから来たのか」を見ない癖がついてしまっている。
そして、そこにこそ、意図が宿るのです。
そして私たち日本は、どうか。
真の独立とは、真の主権とは、何か。
自分たちの国の軍隊が、何を見て、何を判断し、そのデータがどこへ流れているのかを、自分たちで把握できていること。 それが持てていないのなら、主権があるとは言えないでしょう。
今日の内容が、その一助になれば幸いです。
ここまでお読みくださりありがとうございます。また次の記事でお目にかかりましょう。
よくあるご質問(FAQ)
Q1. 結局、ハンター・バイデンのラップトップは本物だったのですか、偽物だったのですか?
中身のデータは本物である、というのが現在の主流の認識です。 FBIが物理的なノートパソコン(MacBook Pro)を押収し、裁判で証拠として提出しており、複数の分析でも改ざんの痕跡は見つかっていません。ハンター氏自身も、メールや写真の多くが本物であることを認めています。争われているのは「中身の真偽」ではなく、「そのデータがどういう経緯で1台のラップトップとしてまとめられ、誰の手でメディアに渡ったのか」という経路の部分です。
Q2. 「イスラエルが情報源だった」というのは、確定した事実ですか?
いいえ、確定していません。 確定しているのは、タッカー・カールソン氏が「ネタニヤフに近いイスラエル側の人間がFOXの自分のところにネタを売り込みに来た」と公の場で述べた、という事実だけです。その内容が真実かどうかは、現時点では検証されていません。カールソン氏の発言そのものと、その内容の真偽は、分けて考える必要があります。 本記事でも、この区別を保ってお伝えしています。
Q3. サカナAIは「国産AI」ではないのですか?
日本法人であり、会長の伊藤錬氏は元外交官の日本人です。 CEOのデビッド・ハ氏とCTOのリオン・ジョーンズ氏は非日本人ですが、両氏とも世界トップクラスの研究者であり、企業としての実力は本物です。私が問題にしているのは会社の実力ではなく、「国産」というラベルの使われ方です。 同社の看板技術である進化的モデルマージは既存の公開モデルを組み合わせる手法であり、「国産」という言葉がどこまでの意味で使われているのかは精査されるべきだと考えています。
Q4. パランティアのAIを導入すると、具体的に何が問題なのですか?
最大の問題はデータ主権です。 スイスは少なくとも9回にわたり入札を退けており、その理由としてデータ主権、米国政府による情報アクセスの可能性、外国の技術への依存の発生を挙げています。フランスも2026年6月に「戦略的依存」を理由に採用を取りやめました。軍の指揮統制システムは、部隊の位置、装備、意思決定のすべてが流れる中枢です。 そこを外国企業の基盤に置くということが何を意味するのか──その議論が日本ではほとんど行われていない、というのが本記事の問題提起です。
金子吉友 / あつまれニュースの森 / 2026年8月11日配信「タッカー暴露 ハンター・バイデン幼児性愛疑惑 出所はイスラエルだった!!」より

