こんにちは。金子吉友です。
一人の研究者が、たった一行の投稿で世界に波紋を広げました。「アメリカはもう一度、真珠湾攻撃か9.11のような出来事を必要としているかもしれない」──イスラエル最大級の国防シンクタンクに所属する人物が、2026年6月20日にX上でそう書いたのです。投稿はすぐに削除・編集され、本人は「比喩だった」と釈明しました。しかし、言葉はすでに拡散していました。
なぜ私がこの一行にこだわるのか。それは、いまから26年前にもまったく同じ構造の言葉が記され、そのちょうど1年後に9.11が現実に起きているからです。偶然で片付けることもできます。しかし歴史が繰り返してきたパターンを「陰謀論」の一言で切り捨てたとき、私たちはこれから起こることのサインを見逃してしまう。今日はこの「アナザー9.11」発言を、ネタニヤフ政権の崩壊という文脈とあわせて、できる限り構造から読み解いていきたいと思います。
イスラエル研究者ベニー・サブティの「アナザー9.11」発言とは何だったのか

発言の主はイスラエル最大級シンクタンクの研究員
問題の投稿をしたのは、ベニー・サブティ(Beni Sabti)という人物です。2026年6月20日、金曜日にXへ投稿しました。内容はこうです。「アメリカはもう一度、真珠湾攻撃か9.11のような出来事を必要としているかもしれない。なぜなら、誰が本当の敵で、誰が味方なのかを思い出す必要があるからだ」。
この投稿に波紋が広がると、サブティはすぐに発言を削除・編集します。そして「私は攻撃を望んでいるわけではない。アメリカのイラン政策が危険なほど甘いことへの警告として、比喩的に表現しただけだ」と釈明しました。彼らはこうしたレトリックを実に上手に使いこなします。それっぽい言い訳を、すぐに用意してくるのです。しかし、言い訳には全くなっていません。そして何より、言葉はすでに広く拡散してしまっていました。
ここで重要なのは、サブティが匿名の一般人ではないという点です。彼が所属するのはINSS(国家安全保障研究所/Institute for National Security Studies)。テルアビブ大学に付属する、イスラエル最大級の国防・安全保障シンクタンクです。その研究員が「アナザー9.11」と書いた。これは決して軽く受け取れる話ではありません。
イラン生まれ・元IDF情報将校という経歴
サブティの経歴をたどると、この発言の意味がさらに重く見えてきます。
- ①イラン生まれ:1972年、イランで生まれています。7歳のときにイスラム革命(1979年)を経験し、革命後のイランで幼少期を過ごしました。つまりイランの内情を肌で知っている人物です。
- ②15歳でイスラエルへ:1987年、15歳のときにイスラエルへ逃亡し、帰化しています。「イラン生まれのイスラエル人」ということになります。
- ③元IDFの情報将校:イスラエル国防軍(IDF)に所属し、ペルシャ湾向けの広報と心理戦の分野でキャリアを積みました。ペルシャ語が堪能で、各種のプロパガンダに関わってきた、事実上の情報将校と言っても過言ではない人物です。
そして現在、サブティはイラン問題の専門家としてイスラエルの各メディアに頻繁に出演しています。つまり彼の発言は、単なる個人の意見ではなく、イスラエルの安全保障コミュニティの主流的な考え方を反映していると見てよい。そういう立ち位置の人物なのです。
「イランはアメリカ本土を攻撃する」と繰り返してきた
サブティが過去にどんな発言をしてきたのかを見ると、今回の「アナザー9.11」につながる認識の根が見えてきます。
- 凍結資産について:2026年6月17日のニューヨーク・ポストへの寄稿で、「イランの凍結資産が解放されても、その資金は政権とテロ・ミサイル計画に使われるだけで、国民には1ドルも回らない」と主張。
- 合意について:「イラン政権はどんな合意にも満足しない。西側の交渉担当者は、イラン政権がもっと欲しがり、より少なく与えるということを理解する必要がある」と繰り返し発言。
- そして最も不気味な発言:「イランの指導者たちは、アメリカ本土に戦争を持ち込むと公言している。アメリカは内部に入り込まれすぎている」。
このように、サブティは以前から「イランはアメリカ本土を攻撃する」という見立てを語ってきた人物です。まるでアメリカ国内でテロが起こることを、あらかじめ知っているかのような語り口です。その人物が「もう一度9.11が必要かもしれない」と書いた。私はこの一点を、強調しておきたいのです。
「一人の暴言」で済ませてよいのか
この発言を、「たまたま一人のイスラエル人研究者が口を滑らせただけ」と捉えるのは、むしろ表層的な見方だと私は思います。問題の本質は、イスラエル国内に、もう一度9.11のような出来事が必要だと本気で考えている人間が、決して一人ではないという点にあるからです。
考えてみてください。なぜ彼は「イスラエルはもう一度〜が必要だ」とは言わず、「アメリカはもう一度〜が必要だ」と書いたのでしょうか。主語がアメリカなのです。アメリカが真珠湾か9.11のような出来事を必要としている、と。自国ではなく、他国の世論を動かす触媒を語っている。ここに、彼らの傲慢さと、ある種の自己神化がにじみ出ています。
自分たちは何でもできるのだという錯覚に陥っているからこそ、こうした言葉がXのような場でポロッと出てしまう。感情を抑えられず、すでに進行している計画の一部を、つい言いたくなってしまったのか。あるいは単なる失言なのか。それは分かりません。しかし、自制心を欠いた人間が、本音の一部を漏らしてしまったと解釈することも十分に可能なのです。投稿が一気に拡散したのも、多くの人が同じ不気味さを嗅ぎ取ったからでしょう。
※参照:New York Post(ベニー・サブティ寄稿、2026年6月17日) https://nypost.com/
なぜ私はこの発言をPNAC報告書と結びつけるのか

26年前、ネオコンが書いた「ニュー・パールハーバー」
サブティの発言を聞いたとき、私の頭にすぐ浮かんだのが、PNAC(プロジェクト・フォー・ザ・ニュー・アメリカン・センチュリー/アメリカ新世紀プロジェクト)という、いささかダサい名前のシンクタンクです。1997年に設立された、バリバリのネオコン系シンクタンクでした。
PNACは単なる研究機関ではなく、明確な政治目標を持った政策集団でした。その目標とは、冷戦終結後の世界でアメリカが圧倒的な軍事的優位を維持し、世界をアメリカ主導の秩序で再編すること。彼らは「アメリカは歴史上まれに見る覇権国家になれる、その機会を逃すな」という信念を持っていました。
そのPNACが2000年9月に発表した報告書「Rebuilding America’s Defenses(アメリカの防衛再建)」の中に、問題の一文があります。
> この変革的なプロセスは、たとえ革命的な変革をもたらすとしても、新しい真珠湾(ニュー・パールハーバー)のような壊滅的で触媒的な出来事がなければ、長い時間がかかるであろう。
新しい真珠湾のような出来事が必要だ──そう書いてあるのです。真珠湾攻撃は、日本軍の奇襲によってアメリカの世論が一気に対日参戦へ傾いた、まさに触媒的な出来事でした。当時のアメリカ国民は、遠く離れた中東のテロリストへの介入に乗り気ではありませんでした。だからこそネオコンは、国民の世論を劇的に動かす「劇的な触媒」を必要としていた。報告書はそう読めるわけです。
そして、その報告書のちょうど1年後──2001年9月11日、ワールドトレードセンターにハイジャック機が突入する同時多発テロが起きました。これによってアメリカは正式に、中東のテロ組織やテロ支援国家への介入を決定していきます。アフガニスタン侵攻、そして2003年のイラク戦争へ。PNACの予言は的中した、あるいは裏の解釈をすれば「PNACの計画が実現した」と見る人々もいるのです。
ところが、その後の展開はどうだったか。イラク戦争は初期こそ短期的に勝利したかに見えましたが、やがて泥沼に陥りました。アフガニスタンも同様に、混乱を生んだだけで民主主義は根付かなかった。そしてイラクには結局、開戦の口実とされた大量破壊兵器は見つかりませんでした。「アメリカは歴史上まれに見る覇権国家になれる」と謳ったPNACは、自らアメリカを中東の泥沼に引きずり込み、その覇権を弱体化させるきっかけを作った。PNACという組織自体、すでに解散しています。自己矛盾も甚だしい、皮肉なプロジェクトだったわけです。
PNACの主要メンバーは全員ブッシュ政権の中枢に入った
PNACが恐ろしいのは、報告書を書いて終わりではなかった点です。ここに名を連ねた人物、あるいは報告書に署名した人物たちが、次々とホワイトハウスの役人や閣僚となり、アメリカの安全保障政策を握ってしまった。具体的にはこういう顔ぶれです。
- ディック・チェイニー:後のブッシュ政権副大統領。
- ドナルド・ラムズフェルド:後のブッシュ政権国防長官。
- ポール・ウォルフォウィッツ:後のブッシュ政権国防副長官。
- ジョン・ボルトン:後の国連大使。根からのネオコンで、トランプ第一次政権にも入った人物。
そして、PNACを立ち上げたのがウィリアム・クリストルと、ロバート・ケーガンという二人のネオコンの重鎮です。注目すべきは、このロバート・ケーガンの妻が、ビクトリア・ヌーランドだということ。2014年当時に国務次官補だったヌーランドは、ウクライナのマイダン革命(親ロシアのヤヌコビッチ政権を転覆させたクーデター)の強力な牽引者となった人物です。ネオコンの人脈は、中東とウクライナで地続きにつながっているのです。
ネオコンの本当の目的は「民主主義の輸出」ではない
ここで、ネオコンとは一体何なのかを、はっきりさせておきたいと思います。「軍産複合体だ」という説明だけでは甘すぎる。ネオコンは一体どこから発生し、誰が作ったのか。一人ひとりの出自を丹念に調べていくと、ある共通項が浮かび上がってきます。
彼らが掲げた「世界に民主主義を輸出していく」という理念。あれはナラティブ(物語)に過ぎません。彼らの本当の目的は、アメリカを中東に引きずり込み、イスラエルの敵を駆逐することにあった。それがネオコンの正体です。ただ、そんなことは表立って言えない。だから「民主主義を野蛮な国々に普及させる」という、正義感に訴える名目を掲げたのです。
※参照:Project for the New American Century「Rebuilding America’s Defenses」(2000年9月)
ネタニヤフ退陣が加速するなか、なぜ「いま」この発言なのか

連立崩壊・9月総選挙・汚職裁判という三重苦
「アナザー9.11」発言が、なぜこのタイミングで出てきたのか。それを理解するには、いまイスラエルで起きている政変を見なければなりません。ネタニヤフ首相は、四面楚歌の窮地に立たされています。私が以前から「ネタニヤフ退陣の危機」というテーマでお話ししてきた状況が、現実になりつつあるのです。
- ①連立政権の崩壊:超正統派ユダヤ教(ハレディ)の兵役免除を巡って、ネタニヤフは約束を破ったとされ、連立パートナーの超正統派宗教政党が離反。イスラエル国会は議会解散を問う投票で110対0という圧倒的賛成多数を記録しました。
- ②9月総選挙の現実味:早ければ9月にも総選挙が行われる見込み。世論調査ではネタニヤフのリクード党が急落する一方、ガディ・アイゼンコット元参謀総長が率いるヤシャル党が21議席に急上昇。ベネット元首相とラピード元首相が統一連合を組み、ネタニヤフ打倒を狙っています。
- ③止まっている汚職裁判:交渉が成立してレバノン撤退まで求められ、連立が崩壊して選挙に負ければ、現在ストップしている汚職裁判が再び動き出します。そして有罪となれば、収監。ネタニヤフにとっては「おしまい」のシナリオです。
ワシントンはすでにポスト・ネタニヤフを動かしている
決定的なのは、アメリカ側の動きです。チャンネル12とタイムズ・オブ・イスラエルの報道によれば、トランプ政権の関係者が非公式に、野党のナフタリ・ベネットとアイゼンコット──いずれもポスト・ネタニヤフを狙う人物──に接触しているというのです。これはマリオ・ナウファル氏も投稿し、いま大きな話題になっています。
ナウファル氏はこう書いています。「ワシントンは現イスラエル政府にうんざりしており、すでにその後のシナリオを練り始めている。アメリカとイスラエルの同盟は壊れていないが、その特定のイスラエル政府──ネタニヤフ政権との関係は明らかに壊れており、ワシントンはもはやそうでないふりをしていない」。
つまりトランプ政権にとって、ネタニヤフはもはやカウンターパートとしてやりにくい、厄介な存在になった。だからワシントンは、ポスト・ネタニヤフへの仕込みを始めている。ネタニヤフは周囲から、はしごを外され始めているのです。この流れは、2026年6月19日の記事「米イラン合意の署名はなぜ「ベルサイユ宮殿」だったのか」でお伝えした、イスラエルが交渉から完全に蚊帳の外に置かれている構図とも一致します。
米イラン60日交渉の難航とホルムズ海峡の再封鎖
背景には、米イラン交渉の難航があります。2026年6月17日、トランプ大統領はベルサイユでマクロン大統領との会談中に、イランとの覚書に電子署名しました。イランも同日に応じています。そして6月21日にはヴァンス副大統領がスイスのビルゲンシュトックに入り、パキスタンのシャリフ首相と会談。スティーブ・ウィトコフ、ジャレッド・クシュナーらが本格的な60日間の交渉を始めましたが、これが難航しているのです。
最大の争点は「全ての戦線での戦争終結」という条項、つまりレバノン問題です。これはイスラエルが絶対に受け入れたくない。イスラエルがレバノン攻撃をやめないために、イラン側の交渉団が席を立つ場面もあったと伝えられます。その結果、ホルムズ海峡はイランによって再び封鎖されました。イラン側の言い分は「アメリカが合意を破ったからだ=イスラエルがレバノン攻撃を続けるからだ」というもの。こうした妨害は繰り返されていくでしょう。
この構図は、実に分かりやすいものです。和平交渉が前に進もうとするたびに、イスラエルがレバノンへの攻撃という形で水を差す。するとイランがホルムズ海峡を封鎖して対抗する。世界経済にとっては、戦争が終わってホルムズ海峡が安定して開いている状態のほうが、当然はるかに望ましい。しかし、その安定を一番嫌っている勢力がいるわけです。60日間という期限の中で、本当に合意がまとまるのか。私は正直、かなり危ういと見ています。
そして、ここに先ほどのネタニヤフの「詰み」の状況を重ねてみてください。もし奇跡的に合意がまとまってしまえば、ネタニヤフはレバノン撤退を迫られ、連立は崩壊し、選挙に負け、汚職裁判で収監される。逆に交渉を破談に追い込めれば、彼は延命できる。つまりネタニヤフには、和平を妨害する強烈な動機がある。そして、彼一人ではなく、彼の背後にいるさらに過激な勢力にも、同じ動機がある。「アナザー9.11」という言葉が出てきた土壌は、こうして整っているのです。
合意に猛反発するシオニストたち
今回の米イラン合意に対して、イスラエルの強硬派とアメリカのネオコンは、そろって反発しています。イスラエルの閣僚たちは「我々はこの合意に縛られない。イランが攻撃すれば全力で対応するし、レバノン攻撃もやめない。なぜなら我々は合意に関与していないからだ」と明言しています。これはネタニヤフも同じ立場です。
- ナフタリ・ベネット元首相:「私だったら、イランに最悪の悪夢を見せてやる」と過激な発言。ポスト・ネタニヤフを狙ってメディア露出を増やしている人物です。
- テッド・クルーズ上院議員:「この合意は軽率な合意だ」と批判。完全なシオニストです。
- マーク・レビン(FOXニュース):トランプ大統領を顎で使うかのように肩に腕を回す映像でも知られる強烈なシオニスト。この合意を「イランと日本への幸福だ」とまで揶揄しています。
つまり、戦争を止める方向に進んだ今回の合意に対して、これだけの強硬派が「物足りない」「危険だ」と声を上げている。和平のレールが、内側から軋みを上げているのです。こうした空気の中で、サブティの「アナザー9.11」発言が飛び出したという順序を、見落としてはいけません。
911とJFK──機密解除という名のペテン
ここで、歴史の前例にも触れておきたいと思います。私は9.11をかなり調べてきましたが、結論から言えば、ある国が絡んでいるのはまず間違いない。ただ、その手口は実に巧妙でした。確実に関与したという決定的な証拠は、いまだに出てきていません。それでも、随所にミスは見つかります。「踊るイスラエル人」の逸話などは有名ですが、あれはごく小さなほころびに過ぎません。
そして、たとえ何十年か後に機密文書が解除されたとしても、おそらく「あの国」の関与は出てこないでしょう。前例があるのです。JFK(ケネディ大統領)暗殺です。トランプ大統領が解除したJFKファイルの中に、あの国に関する話は全く書かれていませんでした。黒塗りにすらなっておらず、文書自体が削除あるいは非公開になっているとみられます。あの国の関与だけは、絶対に表に出てはいけない。そういう構造で、アメリカは「機密解除」というペテンを演じながら、歴史の核心を隠し続けてきたのです。
だからこそ私は言いたい。陰謀論で片付けてしまう人たちは、そもそもネオコンという存在が何なのかを分かっていない。単に「軍産複合体だ」と言うのでは甘すぎる。一人ひとりの出自を丹念に調べれば、答えはおのずと見えてきます。歴史を真剣に検証した人々の文章を読み解かなければ、本当のことは分からないのです。
※参照:Times of Israel/Channel 12(トランプ政権のベネット接触報道) https://www.timesofisrael.com/
まとめ──表層ではなく、構造を見てください
ここまでお読みいただいた方に、改めて確認しておきたいことがあります。これは現時点で、一人の研究者がX上で発言し、それを削除したという段階の話です。サブティ本人は「比喩だった」と否定しています。私も、この発言を直ちに9.11と結びつけるのは陰謀論だと考える人がいることを、否定はしません。
しかし、それでも残る、動かしがたい事実があります。26年前、ネオコンのシンクタンクが「ニュー・パールハーバーが必要だ」と書き、その1年後に9.11が起きた。そして今、ネタニヤフが四面楚歌に追い込まれ、退陣が現実味を帯びるなかで、イスラエル最大級のシンクタンクの研究員が「もう一度9.11が必要かもしれない」と漏らした。この構造的な相似──フラクタルと言ってもいい──を、偶然の一言で片付けてよいのでしょうか。
メディアは、こうした発言を「過激な個人の暴言」として片付けます。しかしその奥にある構造を見てください。ネタニヤフは大人しく引き下がるとは限らない。そして彼の周辺には、ネタニヤフよりもはるかに過激な、PNACが言ったような「触媒」を本気で求める人々がゴロゴロいるのです。アメリカの世論を劇的に変える触媒的な出来事が、もしこのタイミングで、しかもアメリカ国内で起きたとしたら──。偽旗作戦、偽装テロの可能性は「ない」とは言いきれない。もちろん、そんなものは起きないほうが絶対にいい。心からそう思います。
歴史を振り返れば、9.11もJFK暗殺も、決定的な証拠は機密解除のあとでも出てきませんでした。JFKファイルにすら「あの国」の関与は記されていなかった。彼らは過去に、これから起こることへの伏線を張ってきました。だからこそ、一つの可能性として警戒しておく必要がある。歴史が繰り返してきたことを無視するのは、怠惰です。
そして私たち日本人も、無関係ではありません。前回お伝えしたイラン復興ファンドへの日本の拠出圧力のように、私たちは知らぬ間に、他国の戦争の構造の中に組み込まれていきます。真の独立とは何か、真の主権とは何か。表面の報道ではなく、その奥にある構造を見抜く目を、一人ひとりが養っていく必要があるのだと思います。
ここまでお読みくださりありがとうございます。また次の記事でお目にかかりましょう。
今回の内容をさらに詳しく解説した動画は、私のYouTubeチャンネルで公開しています。ぜひご覧ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. ベニー・サブティとは誰ですか? イスラエル最大級の国防シンクタンクINSS(テルアビブ大学付属・国家安全保障研究所)の研究員です。1972年イラン生まれで15歳のときにイスラエルへ帰化、元IDF(イスラエル国防軍)の情報将校としてペルシャ湾向けの広報・心理戦に従事しました。イラン問題の専門家としてイスラエル各メディアに頻繁に出演しています。
Q2. PNAC(アメリカ新世紀プロジェクト)とは何ですか? 1997年に設立されたネオコン系のシンクタンクです。2000年9月の報告書「Rebuilding America’s Defenses」に「ニュー・パールハーバーのような触媒的出来事が必要」との一文があり、その1年後に9.11が発生しました。ディック・チェイニーやラムズフェルドなど、後のブッシュ政権中枢が名を連ねていました。
Q3. なぜ「アナザー9.11」発言とネタニヤフ退陣が関係するのですか? ネタニヤフは連立崩壊・9月総選挙・汚職裁判再開という三重苦で退陣が現実味を帯びています。追い詰められた政権とその周辺の過激派にとって、アメリカの世論を一変させる「触媒的事件」は、状況を巻き返す動機になり得るという文脈で語られています。
Q4. これは陰謀論ではないのですか? 本記事は「偽旗テロが必ず起きる」と主張するものではありません。現時点では一研究者の削除済み発言にすぎません。ただし、PNAC報告書の1年後に9.11が起きた歴史的前例や、ネタニヤフ政権の窮地という文脈を踏まえ、「一つの可能性」として警戒する視点を提示しています。

