こんにちは。金子吉友です。
昨夜、配信の準備をしていたのですが、今朝起きてスマホを開いた瞬間、私は思わず声を上げました。シナリオを急遽組み替えなければならないほどの新情報が飛び込んできたのです。イランのペゼシュキアン大統領がパキスタンを訪れ、ある演説をしていました。その内容が、あまりにも衝撃的だったのです。
「イランは、パキスタン、カタール、サウジアラビア、エジプト、トルコを含むイスラム諸国に、友愛の手を差し伸べたい」。シーア派の盟主イランが、長年対立してきたスンニ派の強国に向かって、宗派の壁を越えて手を結ぼうと呼びかけた──。もしこれが中東の新しい秩序として浮上してくるなら、これはとんでもないことになります。今日は、この「中東新秩序」の胎動を軸に、米イラン協議の最新状況、両サイドから出てきた偽旗テロ警告、そしてついにタッカー・カールソンが踏み込んだ「キリスト教シオニズムの嘘」まで、構造から読み解いていきます。
イランがスンニ派に差し出した「友愛の手」と中東新秩序の胎動

ペゼシュキアン大統領のパキスタン演説が示す地殻変動
ことの発端は、イランのペゼシュキアン大統領によるパキスタン公式訪問です。これは、米イラン合意の仲介役を務めてくれたパキスタンへの感謝の訪問でした。ところが、その場で大統領が語った言葉が、SNS上で「パンイスラム連盟が始動した」と大きな反響を呼んでいるのです。
大統領はこう述べました。「イランは、パキスタン、カタール、サウジアラビア、エジプト、トルコを含むイスラム諸国に、友愛の手を差し伸べたい。地域で共通の理解を築き、新たな安全保障構造を確立したい。イスラム・ウンマ(イスラム共同体)の団結こそが、課題に立ち向かう上で不可欠である」。
ここで言う「課題」とは、いったい何でしょうか。どこの国を指しているのでしょうか。それはアメリカではないでしょう。アメリカを背後から振り回している、あの国──イスラエルです。宗派の対立を超えて団結しなければならない、その共通の相手として、イスラエルが念頭に置かれている。これは、中東における巨大な地殻変動の始まりだと、私は受け止めています。
シーア派とスンニ派の和解がなぜ「激震」なのか
この動きの重みを理解するには、中東の歴史を少しだけ振り返る必要があります。イランはシーア派の盟主であり、サウジアラビアをはじめとするスンニ派の強国とは、長年にわたって激しく対立してきました。この宗派対立こそが、中東を分断し続けてきた最大の断層線です。そして、その分断を巧みに利用し、「分断して統治せよ」の原則で中東に介入してきたのが、アメリカとイスラエルでした。
ところが、いまその断層線が、埋まろうとしている。シーア派のイランが、スンニ派の強国に向かって「友愛の手」を差し出した。これがどれほど異例のことか。もしイスラム共同体(ウンマ)が宗派を超えて一つにまとまれば、中東におけるアメリカとイスラエルの影響力は、根底から揺らぎます。彼らが何十年もかけて維持してきた「分断」という支配の道具が、まさに手の中で崩れ落ちようとしているのです。だからこそ私は、これを単なる外交儀礼ではなく、「激震」と呼ぶのです。
R4クワッドという「スンニ派軍事連携」の急進展
この動きは、突然湧いて出たものではありません。背後で着々と進んでいた布石があります。それが「R4クワッド(Regional Four Quad)」と呼ばれる、パキスタン・サウジアラビア・エジプト・トルコによるスンニ派の軍事パートナーシップです。
この4カ国は、2026年3月以降、外相会合をすでに4回も開催しています。
- 第1回:2026年3月19日、サウジアラビアで開催
- 第2回:3月、パキスタン
- 第3回:4月、トルコ
- 第4回:6月21日、エジプト
3月19日の初回は、ちょうどイラン戦争が始まった頃です。つまりこの会合は、もっぱらイラン情勢を協議するために、急ピッチで重ねられてきたものなのです。さらに、パキスタンとサウジアラビアは昨年から軍事防衛協定を結び、サウジがパキスタンの核を共有するという構想が動いています。そこにトルコが水面下で接近し、エジプトがR4クワッドに加わった。そして、このスンニ派連合に、シーア派のイランが「友愛の手」を差し出した。「R4クワッド+イラン」という巨大なイスラム共同体が、中東の安全保障を米国抜きで確立しようとしているのです。
さらに見逃せないのが、この連携が単なる外交の枠を超え、核を含む軍事同盟の性格を帯びている点です。パキスタンはイスラム圏で唯一の核保有国であり、昨年サウジアラビアと結んだ防衛協定によって、事実上サウジに「核の傘」を差し出す形になりました。そこにトルコの軍事力、エジプトの人口と軍、そしてイランのミサイル能力が加われば、これは中東における全く新しい抑止力の塊となります。これまで、地域で事実上の核を独占し、その軍事的優位で周辺を威圧してきたのはイスラエルでした。しかし、スンニ派とシーア派が核を含めて結束すれば、その独占は崩れます。イスラエルが最も恐れてきたシナリオが、いま現実味を帯びてきたのです。
ペトロダラー体制という米国の基盤が崩れる
この流れが行き着く先に、アメリカにとって致命的な問題があります。ペトロダラー体制の崩壊です。
ペトロダラー体制とは、平たく言えばアメリカとサウジアラビアのバーター(交換取引)です。アメリカが中東におけるサウジアラビアの安全保障、つまり王家を守ることを引き受ける。その見返りに、サウジは石油取引をドル決済で維持する。これがドル基軸通貨体制を支えてきた屋台骨でした。
ところが、もし中東の安全保障を「R4クワッド+イラン」というイスラム共同体が自前で確立してしまえば、どうなるか。サウジアラビアはもう、アメリカの安全保障を必要としなくなります。そうなれば、アメリカがサウジに差し出せるものがなくなり、ペトロダラー体制を約束していた基盤そのものが消えてしまうのです。
この体制は、1970年代以来、半世紀にわたって世界の基軸通貨ドルを支えてきました。世界中の国々が石油を買うためにドルを必要とし、そのドル需要がアメリカの圧倒的な経済力を裏打ちしてきた。しかし、その根っこにあったのは「アメリカがサウジ王家を守る」という一点の約束でした。その約束が不要になれば、ドル基軸体制という巨大な構造物が、土台から揺らぐことになります。
サウジがすでに中国に接近していることは、これまで何度もお伝えしてきた通りです。中国が仲介したサウジ・イランの国交正常化、人民元建ての石油取引の拡大、BRICSへの接近──点として報じられてきたこれらの動きが、いま「中東新秩序」という一本の線でつながろうとしている。この大きな変化が、いま中東で静かに、しかし確実に起きているのです。
※参照:ペゼシュキアン大統領パキスタン訪問演説(2026年6月23日)
米イラン協議はワシントンへ──食い違う2つの発表

トランプの主張とイランの全面否定
ここで、米イラン協議の最新状況を整理しておきましょう。2026年6月23日、協議の舞台はスイスからワシントンに移りました。すでにスイスでの協議は終わり、J・D・ヴァンス副大統領も帰国しています。あとは担当者ベースの話し合いが進む、次のラウンドに入ったわけです。
公式には、トランプ大統領が華々しい成果を発表しています。「イランは無期限の最高レベルの核査察に合意した」「ホルムズ海峡は解放され、もう封鎖はない」「凍結資産のうち120億ドルを解除し、その資金はアメリカの管理下で、米国産の大豆・トウモロコシ・小麦の購入に充てられる」と。
ところが、イラン側はこれを真っ向から否定しているのです。イランの外務省は「新たな核の約束はしていない」とし、革命防衛隊系のメディアは「IAEAの査察官が核施設にアクセスできるという話は事実ではない」と断言しています。両者の発表は、ここまで完全に食い違っている。これは、トランプがよくやるやり方ではあります。都合のいい「成果」を先に発表して既成事実化しようとする手法です。
専門家はそろって「イラン優勢」と見る
この状況を、私が注目しているアナリストたちはどう見ているのか。見立てには幾分の違いはありますが、共通しているのは「合意は前に進んでいる」こと、そして「イランが完全に優勢である」という点です。
- ペペ・エスコバル(ブラジル系の国際ジャーナリスト):イランの外交を「精緻だ」と高く評価。イラン側の通告として「72時間以内にイスラエルによるレバノン爆撃を止めなければ、この覚書は崩壊する」と紹介。
- ミアシャイマー教授:アメリカは依然として強力なパワー(軍事力と経済力)を持つが、影響力(他国が自発的に従う力)を失った。今回のイランがまさにその象徴であり、力で押しても世界はもうアメリカについてこない。
- ダグラス・マクレガー(元米陸軍大佐):ホルムズ海峡はもう戦前の状態には戻らない。そしてイスラエルがこの交渉を妨害しようとしている。
- ラリー・ジョンソン(元CIA分析官):アメリカは今「ディスペレーション(瀕死・必死)」の状況にある。
特にミアシャイマー教授の「パワーと影響力は違う」という指摘は、今回の本質を突いています。アメリカは依然として世界最大の軍事力と経済力を持っています。しかし、その力を背景に他国を従わせる「影響力」は、もはや急速に失われている。今回のイランは、まさにその証明でした。空母打撃群を中東に展開しても、サウジもカタールもパキスタンも、もうアメリカの言いなりにはならない。むしろ彼らはイランと手を結び、独自の安全保障体制を作ろうとしている。力で押せば押すほど、世界はアメリカから離れていく。これが「凋落する覇権国」の現実なのです。
この、トランプを和平に追い込んだ構造的な背景については、2026年6月23日の記事「カタールLNG拠点の爆発はイスラエルの偽旗作戦か」で詳しく解説した、米戦略石油備蓄の枯渇とあわせてご覧いただくと、より立体的に理解できます。
※参照:ペペ・エスコバル/ジョン・ミアシャイマー/ダグラス・マクレガー/ラリー・ジョンソン 各氏の発言
偽旗テロの警告が「両サイド」から出てきた異常事態

イラン側のマランディ教授が発した警告
今回、特に私が重大だと感じたのは、偽旗テロの警告が、ついに「両サイド」から出てきたことです。
まずイラン側です。テヘラン大学のモハマド・マランディ教授。この人物はイランの核交渉団の顧問を務めており、その発言はイラン政府の公式見解に限りなく近いと考えてよい人物です。そのマランディ教授が、ノルウェーの政治学者グレン・ディーセンのポッドキャストに出演し、こう語りました。「911の背後にいたのと同じネットワークが、今アメリカ本土での偽旗攻撃を画策している。戦争に負けつつある中で、さらなるエスカレーションを正当化するために、アメリカの民間人を犠牲にしようとしている」。
マランディ教授はもう一つ、興味深い指摘もしています。イランがこの和平交渉で、ガザ問題を取り込もうとしているというのです。「レバノンについては、イランはホルムズ海峡という直接的なテコを持っている。だから停戦を合意に明記させることができた。しかしガザについては、イランが持っているのは道徳的なテコだけだ」。ガザは覚書に明記されていないが、今後の交渉で押し込もうとしている、というわけです。
ここにイランの交渉戦略の巧みさが表れています。レバノンについては、イスラエルが爆撃を続けるなら、イランはホルムズ海峡を閉じればいい。原油価格の高騰を招き、石油備蓄の乏しいアメリカを即座に苦しめることができる。この「直接的なテコ」があるからこそ、レバノンの停戦は合意に明記させることができました。一方、ガザについては物理的なテコがない。だからイランは「道徳的なテコ」、つまり国際世論やイスラム共同体の連帯を背景に、交渉のテーブルへ少しずつ押し込もうとしている。イラン政府に近いマランディ教授がこう示唆しているということは、イランがそこまで深く先を読んで動いている証拠なのです。レバノンの停戦だけでなく、ガザの和平までも、あわよくば実現してやろう──そういう構えだということです。
イスラエル側のサブティ、そしてテッド・クルーズ
そしてイスラエル側です。イスラエルの国防シンクタンクINSSの研究者ベニー・サブティが、6月20日に「アメリカはもう一度、真珠湾攻撃か9.11のような出来事を必要としているかもしれない」と投稿していました。この件は、2026年6月22日の記事「イスラエル研究者が漏らした『もう一度9.11が必要だ』」で詳しく扱った通りです。サブティはイスラエルの代弁人。つまり、イランとイスラエル、両サイドから「アメリカ本土で何かが起きる」という同じ警告が出ているのです。
さらに不気味なのが、テッド・クルーズ上院議員です。AIPAC(アメリカ・イスラエル広報委員会)から多額の政治献金を受け続けてきた、筋金入りのシオニスト議員です。彼は3ヶ月前、FOXニュースの人気番組「ハニティ」に出演した際、「イランの潜伏工作員がアメリカ国内にいる。アメリカ人は全国規模のテロ攻撃に備えるべきだ」と発言していました。その3ヶ月前の映像が、いまこのタイミングで再び拡散されているのです。これは偶然ではないでしょう。今が一番危ういタイミングだからです。もしアメリカで何かが起きれば、「ほら、イランの工作員の仕業だ」という物語が完成する。その下地が、着々と作られているように見えます。
加えて、元モサドのアリ・ベン=メナシェはRTの番組で「トランプの命が危険にさらされている」と語り、タッカー・カールソンはモーニングノートで「ネタニヤフがトランプの外交を破壊しようとしている。米情報機関がホワイトハウスに警告した」と報じています。ジャーナリストのマックス・ブルメンタールは、アメリカのタカ派(ネオコン)がイラン交渉団機の撃墜やテヘランへの核投下を公然と主張している事実を暴きました。ネオコンの正体とは、アメリカを中東に縛り付け、そこでイスラエルの敵を駆逐させることにあります。「民主主義の輸出」という美名は、その本音を覆い隠す建前にすぎません。
なぜ、この「両サイドからの警告」がこれほど危険なのでしょうか。それは、偽旗テロを起こす動機を持つ側(イスラエル・ネオコン)と、それを最も警戒している側(イラン)の双方が、同じ「アメリカ本土での攻撃」を口にしているからです。一方は恫喝として、一方は警告として。これは、その可能性が単なる空想ではなく、現実の選択肢として水面下で議論されていることを示唆しています。ネタニヤフは政治生命の崖っぷちに立たされ、イスラエルは戦争に負けつつあります。窮地に追い込まれた者が起死回生を狙うとき、最も恐ろしい一手に出る——歴史はそれを何度も見てきました。だからこそ、合意成立を目指すこの60日間は、極めて危うい時間なのです。
※参照:モハマド・マランディ教授(グレン・ディーセン ポッドキャスト)/マックス・ブルメンタール
ついにタッカー・カールソンが「キリスト教シオニズムの嘘」に踏み込んだ

スコフィールド聖書という洗脳装置
今回、もう一つ画期的だったのが、タッカー・カールソンが神学者のJ・D・ホールを招き、「キリスト教シオニズムの嘘」というテーマに正面から踏み込んだことです。私自身、講演会やYouTubeで、できる範囲でこの話をしてきました。それがついに、これほどの影響力を持つ番組で語られ、拡散される日が来た。正直、感慨深いものがありました。
鍵を握るのが「スコフィールド聖書」です。アメリカのキリスト教シオニズム、いわゆるディスペンセーション主義の背後には、この聖書があります。「イスラエルという国は、キリストの再臨のために、アメリカが何がなんでも守らなければならない」──そういう解釈を意図的に植え付けた、いわば劣化版の注釈つき聖書です。これがアメリカに急速に広まり、福音派を中心に強烈な親イスラエル感情を生み出してきました。
飲んだくれの前科者を後押しした「資金とネットワーク」
なぜこれが重要なのか。アメリカには、聖書を文字通りに信じる福音派が数千万人規模で存在します。彼らの多くがディスペンセーション主義の影響下にあり、「イスラエルへの支持は信仰の証である」と信じています。だからこそ、アメリカの政治家はイスラエルを批判できない。福音派という巨大な票田を失うからです。アメリカの異常なまでの親イスラエル政策の根っこには、外交や安全保障の計算だけでなく、この宗教的な刷り込みがある。それを作り出したのがスコフィールド聖書なのです。
私がこの話を重視するのは、ここにアメリカの対中東政策の「心臓部」があるからです。なぜアメリカは、自国の国益を損なってまでイスラエルを支援し続けるのか。その問いに、地政学や軍事の理屈だけでは答えきれません。数千万人規模の福音派が「イスラエルを支持することは信仰である」と信じ込まされている——この宗教的な刷り込みこそが、アメリカをイスラエルに縛りつける見えざる鎖なのです。そして、その鎖を作り出した「スコフィールド聖書」の出自が、いまタッカー・カールソンという主流の発信者によって白日の下に晒されようとしている。これは、その鎖が一つずつ外れ始めた兆候なのかもしれません。
その張本人が、サイラス・スコフィールドという人物です。しかし彼は、飲んだくれの前科者でした。そんな牧師が作った聖書を、全米に広めることなど、本来できるはずがありません。背後に、強力な資金とネットワークの後押しがあったのです。
エリート・シオニストのロビーが、スコフィールド聖書に資金を提供し、アメリカ人を洗脳した。これは私も調べましたが、その通りです。日露戦争の際に日本に融資したことで知られるジェイコブ・シフ、バーナード・バルーク、大統領の顧問弁護士だったサミュエル・ウンターマイヤー、そしてイギリスのエリートたちが、束になってこの動きを支援しました。しかも、この聖書はオックスフォード出版局という権威ある大学から出版されている。飲んだくれの前科者が作った聖書を、なぜオックスフォードが出すのか。おかしいと思いませんか。この構造を、J・D・ホールは番組で淡々と暴露したのです。
なお、J・D・ホール本人には不祥事の経歴があり、「信用を失った神学者」という批判もあります。しかし、真実を語る者があらぬ罪を着せられ、信用を失わされるというのは、歴史上何度も繰り返されてきた構図でもあります。この点も含めて、私たちは冷静に見ていく必要があるでしょう。
※参照:タッカー・カールソン番組(J・D・ホール出演「キリスト教シオニズムの嘘」)
まとめ──あの国への「逆襲」が胎動している
ここまで、イランのスンニ派への接近、米イラン協議の食い違い、両サイドからの偽旗警告、そしてキリスト教シオニズムの嘘についてお話ししてきました。
公平に言えば、ペゼシュキアン大統領の演説は、パンイスラム連盟を正式に発足させたものではありません。あくまで布石、呼びかけの段階です。トランプとイランの発表のどちらが正しいのかも、まだ確定していません。断定はできない段階です。
しかし、それでも残る、動かしがたい事実があります。長年、宗派対立で分断されてきたシーア派とスンニ派が、いま握手をしようとしている。スコフィールド聖書のような、これまで一部でしか語られなかった「あの国」の手口が、タッカー・カールソンのような主流の番組で、堂々と拡散されている。これまで、ここまで「あの国」への批判がオープンに語られることは、なかったはずです。
表層ではなく、構造を見てください。メディアは、これらを個別のニュースとして、バラバラに報じます。しかしその奥で起きているのは、世界をめちゃくちゃにしてきた「あの国」への、静かな、しかし巨大な逆襲の胎動です。同時に、窮地に立たされたイスラエルが、起死回生のために何をするか分からない、極めて危険な局面でもあります。それこそ「アナザー9.11」を起こしてもおかしくない。自分たちで「アナザー(もう一度)」と言ってしまっているのですから。
そして、私たち日本も無関係ではありません。エネルギーを中東に依存し、アメリカと一体化を進める日本は、この大再編の渦中に否応なく組み込まれていきます。真の独立とは何か、真の主権とは何か。私たちは、何度でもその問いに立ち返らなければなりません。
ここまでお読みくださりありがとうございます。また次の記事でお目にかかりましょう。
今回の内容をさらに詳しく解説した動画は、私のYouTubeチャンネルで公開しています。ぜひご覧ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. イランがスンニ派に「友愛の手」を差し伸べたとはどういうことですか? イランのペゼシュキアン大統領がパキスタン訪問の演説で、パキスタン・カタール・サウジアラビア・エジプト・トルコといったスンニ派諸国に対し、宗派を超えた団結と「新たな安全保障構造」の確立を呼びかけたものです。シーア派の盟主イランがスンニ派強国と手を結ぶ動きとして、中東の大再編(パンイスラム連盟)の胎動と受け止められています。
Q2. R4クワッドとは何ですか? パキスタン・サウジアラビア・エジプト・トルコによるスンニ派の軍事パートナーシップ(Regional Four Quad)です。2026年3月以降、外相会合を4回開催し、もっぱらイラン情勢を協議してきました。ここにイランが加わる「R4クワッド+イラン」が、米国抜きで中東の安全保障を確立しようとしています。
Q3. なぜトランプとイランの発表は食い違うのですか? トランプは「イランが無期限の核査察に合意」「ホルムズ開放」「120億ドル解除」などの成果を発表しましたが、イランは「新たな核の約束はしていない」と全面否定しています。トランプが都合のよい成果を先に発表して既成事実化を図る一方、イラン側がそれを否定する構図で、交渉はまだ流動的です。
Q4. 「キリスト教シオニズムの嘘」とは何ですか? アメリカの福音派に広まる「イスラエルはキリスト再臨のため米国が守るべき」という思想(ディスペンセーション主義)の背後に、エリート・シオニストが資金提供した「スコフィールド聖書」があるという指摘です。タッカー・カールソンが神学者J・D・ホールを招き、この構造を番組で取り上げ、大きな反響を呼んでいます。

