NYT衝撃スクープ──イスラエルが米和平交渉担当者3人を盗聴!国防総省は「CRITICAL」最高位スパイ脅威に指定

こんにちは。金子吉友です。

「アメリカ政府の中で、イラン戦争の和平交渉を担うまさにその中心人物たちが、同盟国であるイスラエルに狙い撃ちで盗聴されていた」──ニューヨーク・タイムズとNBCニュースが2026年6月6日に報じたこのスクープは、世界を震撼させました。国防総省はイスラエルの諜報活動の脅威レベルを「CRITICAL(最高位)」に引き上げ、「一部の敵国よりさらに高い」と評価したとされます。同盟国でありながら敵対国の一部より危険──この異常事態の構造を、今日は深掘りします。

目次

NYTがスクープ──イスラエルが米和平交渉担当者3人を盗聴

NYTがスクープしたイスラエル盗聴の標的3人(ウィトコフ・コルビー・ディミノ)

標的になった3人のアメリカ高官

ニューヨーク・タイムズとNBCニュースが2026年6月6日に報じた内容によれば、イスラエルが標的にしていたのは、イラン戦争の和平交渉を担うまさにその中心人物3人でした。

  • ① スティーブ・ウィトコフ:トランプ大統領特使・イラン交渉まとめ役
  • ② エルブリッジ・コルビー:ペンタゴン政策担当トップ・国防省No.3
  • ③ マイケル・ディミノ:コルビー副官・中東政策担当

3人に共通するのは、イランとの和平合意文書を作成する立場にあるということです。つまり、ネタニヤフ首相が望む「戦争の継続」に立ちはだかる人物たちを、イスラエルが狙い撃ちで盗聴していた構図です。

あるアメリカ高官の言葉を借りれば、「彼らは和平を盗聴した」。和を前に進めようとする人物を狙い撃ちにする──極めて分かりやすい構図です。

※参照:The New York Times → i24NEWS解説 https://www.i24news.tv/en/news/international/americas/artc-nyt-israel-allegedly-targeted-witkoff-senior-pentagon-officials-in-stepped-up-spying-effort

過去の生々しい盗聴事件の系譜

実は、イスラエルによるアメリカ盗聴は今回が初めてではありません。報道された生々しい事例として:

  • イスラエルに駐在するアメリカの安全保障要員の携帯電話に監視ソフトが密かにインストールされていた
  • 2021年:イスラエル軍の情報将校が米国防情報局(DIA)本部に盗聴器を仕掛けようとして逮捕
  • イスラエルの治安機関「シン・ベト」の要員が、アメリカのシークレットサービス(大統領警護組織)の車両に盗聴器を仕掛けようとしていた

長年にわたりイスラエルによってアメリカは盗聴され続けてきた──その事実が今回、メジャーメディアによって表立って報じられたのです。

国防総省がイスラエルを「CRITICAL」最高位スパイ脅威に指定

国防総省がイスラエルを最高位CRITICALスパイ脅威に指定した内部評価

国防情報局(DIA)はこれを受けて、イスラエルの諜報活動の脅威レベルを「CRITICAL(最高位)」に引き上げました。その評価は7ページに渡る文書にまとめられ、人的諜報能力と技術的諜報能力の両方を「クリティカル」と分類しています。

報道に出てきた表現の重さは尋常ではありません。

> 「イスラエルの脅威はいかなる他のアメリカの同盟国よりも高く、一部の敵国よりもさらに高い」

同盟国でありながら敵対国の一部より危険だと格付けされた──。あるアメリカ高官はイスラエルの情報収集活動を「安息日を一切守らない貪欲(unhinged)」と表現したとされます。

ただし、私が確認した範囲では、この「CRITICAL」が中国やロシアと完全に同格だとまで断定した報道はありません。最高レベルではあり、一部の敵対国より高い、という表現にとどまります。

そして当事者は両方とも全面否定しています。ホワイトハウスは「報道は偽り」、イスラエル「アメリカの組織、ましてアメリカ政府高官に対して情報収集を行わない。完全な虚偽であり政治的動機による報道」と全面否定。国防総省はコメント拒否──都合が悪い時はノーコメント、というのが常套手段です。

※参照:Al Jazeera「Pentagon raises threat level on Israel spying to critical」 https://www.aljazeera.com/news/2026/6/6/pentagon-said-to-raise-threat-level-on-israel-spying-to-critical

※参照:Times of Israel「Pentagon raises threat assessment of Israeli spying」 https://www.timesofisrael.com/pentagon-raised-threat-assessment-of-israeli-spying-on-us-to-critical-level-report/

元CIA工作員ジョン・キリアコウの証言──「彼らは堂々と我々をスパイしている」

元CIA工作員ジョン・キリアコウの証言とJJアングルトン60年の歴史的構造

このスクープを別の角度から照らす証言があります。ジョン・キリアコウ氏──1990年から2004年までCIAに在籍した元工作員で、CIAの拷問プログラムを内部告発したことで投獄された経歴の持ち主です。

その彼が最近、人気ポッドキャストで「アメリカもイスラエルをスパイしているのか?」と問われ、「No」と即答しました。そしてこう続けたのです。

> 「それはCIAでは石に刻まれたルールだ。我々はイスラエルをスパイしない。しかし彼らは堂々と我々アメリカをスパイしている」

元CIA工作員が公の場で、嘘をつく理由などありません。これはイスラエルがアメリカを長年スパイしてきたという証言の重要な裏付けです。

1950年代JJアングルトンが結んだ「紳士協定」

キリアコウ氏が言う「石に刻まれたルール」には60年の歴史的背景があります。1950年代、CIAの防諜部門トップジェームズ・ジーザス・アングルトン(JJアングルトン)が、イスラエルの情報機関と特別な連絡チャンネルを構築し、「お互いに相手国でスパイをリクルートしない」という紳士協定のようなものが生まれたとされます。

ちなみにこのJJアングルトンは、JFK暗殺の背後で密接に絡んでいた人物です。アレン・ダレスらとともに、イスラエルの利益のためにCIAを動かしていた──そういう来歴を持つ人物が築いた、米イ諜報協定だったのです。

しかし「米国はスパイしない」は完全には正しくない

キリアコウ氏の証言には1点の留保があります。アメリカがイスラエルをスパイしていないという断言は、完全には正しくありません。

2014年、オバマ大統領は「アメリカがいかなる国ともノースパイ協定を結んでいるような国は存在しない」と明言しています。さらに2015年には、NSA(国家安全保障局)がイラン核合意の交渉中にネタニヤフ首相を盗聴していたと報じられました。当時のオバマは対イスラエルに極めて強硬な姿勢を持っていた大統領でもありました。

つまりスパイは双方向で行われています。同盟国と言っても、自分たちの国益のために同盟国を騙すことはやる──それが諜報の現実です。

ただ、それでもキリアコウ氏の証言で重く見るべき点があります。「CIAの現場の人間が、我々は手を縛られていると感じている」という感覚です。実際には双方向の盗聴が行われていたとしても、「イスラエルにだけは強く出られない」という特別な空気が米諜報機関内部に60年存在してきた。ジョナサン・ポラード事件(米海軍諜報員が極秘情報をイスラエルに渡し終身刑)のような明確なスパイ事件があっても、米イ関係はほとんど揺らがなかったのです。

その積み重ねが、今回の「CRITICAL指定」という異例の事態の伏線になっています。長年溜まった現場の不満が、ついに吹き出した形なのかもしれません。

同時進行する3つの出来事──ネタニヤフのスタッツマン議員への手紙

同時進行する3つの出来事─CRITICAL指定・ネタニヤフ直筆手紙・NDAA第224条

仮にこの盗聴報道が当局者証言の段階だったとしても、見過ごせない事実があります。全く同じ時期に3つの出来事が同時に起こっているのです。

国防総省がイスラエルをCRITICAL(最高レベルのスパイ脅威)に指定したと報じられた

同じ頃、ネタニヤフ首相がアメリカのスタッツマン下院議員に個人的な手紙を送った

議会がNDAA第224条「米イスラエル防衛技術協力イニシアチブ」で米イ両軍融合を進めようとしている

このネタニヤフの手紙の内容が衝撃的です。ネタニヤフ直筆のサイン付きで、こう書かれています。

> 「アメリカからイスラエルへの年間38億ドルの軍事援助を段階的に廃止し、10年かけて、その代わりにアメリカ・イスラエルが共同開発・共同生産・データ共有といったパートナーシップへ移行する。その決議を私は支持する。私はこの構想を気に入っている」

ネタニヤフ自身が米イ軍融合への転換を支持・推進していることを直筆で示した文書です。X上ではこれを「ネタニヤフ自身が要望して圧力をかけて実現させたものだ」という情報すら上がっています。

アメリカ国民の中でイスラエル離れが顕著に進む今、莫大な軍事予算依存はもう続かない。だから軍事援助を段階的に削減して、代わりに米イ軍を融合させてしまえば援助打ち切りができない構造になる──これが、ネタニヤフの戦略的計算です。

構造的矛盾──「最高スパイ脅威の相手」と軍融合する米国

最高スパイ脅威認定と軍融合という米国の構造的矛盾

ここが今日の話の核心です。

最高のスパイ脅威と認定しながら、ネットワークの鍵を手渡す──この正気とは思えない判断の裏で、一体何が、誰が動いているのか。

仮にこれが中国だったらどうでしょう。アメリカ当局者の携帯から中国製のスパイウェアが見つかった、まさにその時に中国の指導者が「米中の軍事統合計画を支持する」手紙を議員に送って、議会が両軍のシステム連結を進めようとしていたら──。間違いなくその法案に関わった全員が捜査対象になります。防諜法(カウンターインテリジェンス法)がそれを禁じているからです。

ところがイスラエルに対しては、アメリカ司法そのものが機能していない。これがどれほど異様な状況か。

なぜアメリカは動けないのか。これまで私が配信してきたことが全部繋がります。

①AIPACの選挙圧力──逆らった議員は巨額の資金で潰される。トーマス・マッシー議員が38億円相当の対抗候補支援で落選工作された前例があります。「イスラエルに不利な動きをすることは政治生命をかける行為」になってしまっている。

②内部からの悲鳴のリーク──6月3日にお伝えしたアクシオスの「トランプ罵倒スクープ」も、元CIA分析官ラリー・ジョンソン氏は「意図的なリーク」だと読み解いていました。今回のNYT/NBCスクープも全く同じ構造です。複数のアメリカ当局者がわざわざ2つの主要メディアに語っている──これはワシントン内部からの悲鳴なのです。

ただし、AIPACのやり方は最近、露骨すぎて逆効果になり始めています。トーマス・マッシーの件はあからさますぎて、X上で実態が拡散され、かえってマッシー議員の株が上がりました。イスラエルロビーへの反発がますます高まっている──これも事実です。

まとめ──真の独立、真の主権とは何か

日本もイスラエルに盗聴されている可能性と諜報の連鎖構造

ニューヨーク・タイムズが報じた、イスラエルによる和平交渉者への盗聴。国防総省による「CRITICAL」指定。これらは当局者証言の段階であり、イスラエルは全面否定しています。そこは公平に押さえます。スパイが双方向であることも、事実です。

しかし、それでも残る、動かしがたい事実があります。アメリカは自らが「最高のスパイ脅威」と認定した相手と、軍のシステムを恒久的に結びつけようとしている。この矛盾を止める力が、ワシントンには、ない。

私はいつも申し上げています。表層ではなく、構造を見てください。「同盟国同士の、ちょっとしたいざこざ」──メディアはそう片付けるかもしれません。しかしその奥にあるのは、世界最強であるはずの国家の安全保障の中枢が、特定の外国の影響力に、深く、深く絡め取られている、という構造です。

そして、私たち日本は、その絡め取られたアメリカに、安全保障のすべてを預けています。エネルギーも、食料も、情報も、そして国の守りまでも、他国に依存したまま。真の独立とは、真の主権とは、何か。今日も、その問いに帰ってきます。

ここまでお読みくださりありがとうございます。また次の記事でお目にかかりましょう。

よくある質問(FAQ)

Q1:NYTがスクープした「イスラエルの米和平交渉担当者盗聴」は確定した事実か? 複数の現役・元米当局者の証言と国防情報局(DIA)の7ページの内部文書に基づいています。ただしホワイトハウスとイスラエルは全面否定、国防総省はノーコメントです。当局者証言段階の報道ですが、複数のメジャーメディアが報じており、過去の盗聴事件の系譜とも一致します。

Q2:「CRITICAL」スパイ脅威指定は中国・ロシアと同レベルなのか? 報道では「最高レベル」「一部の敵対国よりも高い」と表現されています。ただし中国やロシアと完全に同格だとまで断定した報道はありません。同盟国としては前例のない厳しい指定であることは確実です。

Q3:元CIA工作員ジョン・キリアコウの「CIAはイスラエルをスパイしない」発言は本当か? キリアコウ氏自身は2026年の発言として真摯に語っていますが、2015年にNSAがネタニヤフを盗聴していたと報じられた事実があり、また2014年オバマも「ノースパイ協定はどの国とも結んでいない」と明言しています。米諜報機関内部に「イスラエルだけは強く出られない特別な空気」があった、というニュアンスで受け取るのが正確です。

Q4:なぜアメリカは最高スパイ脅威認定の相手と軍融合を進められるのか? AIPACによる落選工作(トーマス・マッシー議員の前例)が政治家を縛っているためです。「イスラエルに不利な動きをすることは政治生命を絶たれる行為」になっています。ただし最近はAIPACのやり方が露骨すぎて逆効果になる例も増えており、ワシントン内部からの悲鳴のリークが続いています。

関連記事

今回の内容をさらに詳しく解説した動画は、私のYouTubeチャンネルで公開しています。ぜひご覧ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

反グローバリズムの視点で世界情勢を情報分析するリサーチャー。登録者8万人のYouTubeチャンネル『あつまれニュースの森』を運営。

本業だったコンサルタントから徐々に歴史研究にシフトしていく。日々リサーチする中、メディアや歴史が嘘だらけであり、この世界が一部の権力機構によって支配されてきたことに強烈な違和感と憤りを覚えるようになる。

グローバリズムの根源と実態を徹底的に研究。その歴史を旧約聖書まで遡り、現在のいわゆるディープステートのルーツがハザール系とアングロサクソン系の2系統にあることを突き止める。

2021年、YouTubeを開始し、グローバリストのルーツを徹底解剖するオンラインサービス『金子ゼミ』を立ち上げる。

情報発信者としての信条は「左も右もない反グローバリズム・国益第一主義」「不偏不党」。

目次